相談概要 | [氏名] K.K [相談内容] 分譲マンションの瑕疵 [居住住所] 大阪府大阪市 [相談建物所在地] 大阪府大阪市 [職業] 会社員 [年齢] 36 [男性] on [構造] わからない [引渡し年月日] 西暦 2001年 6月 [公庫使用] on [性能保証を使用] on [何階建て] 14 [お住まいの階] 13 [延べ面積m2] 66 [延べ面積坪] [工事請負金額] 3500 [様態] 分譲マンション [お手持ちの図面は何枚?] 無い [打ち合わせ何回] 打合していない。 [マンションの総戸数] 150戸以下 |
相談内容 | 食事時になるとほぼ毎回、私の家の中がお隣から出る油の臭いで充満します。お隣の家はエレベーターホールの前に位置し、その排気口と平行の真横に梁が出ている為、排気が両側に拡散されず常に私の家の方向にのみ流れてきます(共用廊下側です)。またその梁も油 汚れで真っ黒です。その臭いと油っぽい空気が私の家の換気排気口を通じて入ってくるのです(当然、窓も開けられません)。 私の家とは反対側(梁の向こう側)には一切流れ出ていないようで、全く臭いもありません。 設計段階で排気が片側にしか流れ出ないことは素人目にも明らかなので、業者にクレームを言っています。 その上で、マンションの理事長と話をしたのですが、生活臭に関しては我慢するしかなく、理事会で動く必然性を感じないとの返事です。 私が個人的に自室の排気口を改良すること(外気を遮断する為)も外観を損ねるとの理由で許可出来ないとのことでした。 …排気口のパーツ変更程度で大きく変えるわけではないのですが。但し室内の変更については自由なので自衛手段を業者と相談してほしいとのことでした。ちなみマンション内で同じ形状で住まいの方は私を含め2件です。しかしそちらのお宅のお隣はあまり料理をされないのか、汚れは見受けられません。 建物はベランダが南側で廊下が北側、西風が常に吹いております(それは業者も認めています)よって最初から西隣の排気が東隣に流れ込むのは予測出来たはず、にもかかわらず排気口を遮っているのでより一層こちら側にしか流れてこないような状態です。 [業者の見解] まず、設計上では問題無い、瑕疵にも相当しないとの事でした。ましてやお隣の臭いと言えども、問題の排気口に手を加えるとなると私個人だけではなくお隣にも説明が必要になるので難しいともいわれました。そして一度販売した物件の改造については(共有部分なので)、理事会の決定に従うことしか出来ないとの答えでした。 結果、自衛手段として私の家の換気扇排気関係を実費で見直すなら協力するとの事で、そのマンションの設計者と施工業者を連れてきたのですが、物理的に臭いを完全にシャットアウトするのは難しいとも言われています。(理事会が承諾すれば、お隣の排気口を外に出すことも可能かもしれないが、まず無理でしょうとも言ってました) [相談内容} 本当に設計上(排気口の取り付け位置、使用している部材を含め)問題がないのか?(問題があるようであれば理事会も多少は動いて貰えると思いますし)。 次に私の家に臭いが入らないようにするにはどうすればいいのか?お知恵を貸して下さい。 |
yorozuの感想 | 私のような素人で専門家の知り合いもいない人間に とっては大変ありがたいです。 |
アドバイザー | |
氏原 毅士 | 氏原です。 まず業者の見解「瑕疵はない」は業者側の一方的な主張しかありません、こちらからは、排気臭いで困惑していることを第三者の協力を得て公式に主張するべきです。 瑕疵があるかないかは業者が判断するものではありません。 対策ですが、共用部ですから管理組合などの承諾がないと困難なのは事実ですが不可能なことではありません。(実例はたくさんあります) しかし、廊下側の排気筒をいくら改造しても根本的な解決にはならないと思います。 便宜上お隣の排気が入ってこないようにするためには廊下側の気圧より室内側の気圧を高くする方法しかないでしょう。 共用部を改造せずにこれを行うとしたら、バルコニー側の建具に後付け型換気扇(できれば有圧扇)をはめ込み、室内側に吹き込む様設置するのが良いと思います。(ただし寒い運転時間を調理時間に限定するなどして運用してみてはいかがでしょうか。そして組合に正式申し入れを行うのです。 |
古賀 保彦 | 埼玉の古賀です。 写真だけでは廊下周辺状況が良く分かりませんが、排気口周辺がかなり汚れていますので、臭いの問題は個人の感覚差によるものでは無いと推測されます。 梁で囲まれ排気に支障が生じる場合や、エレベーターホールなどの閉鎖的な空間に面する場合は、外気に直接開放できるところまでダクト(排気用の管)で延長する方法がありますが、今回の件ではそのような機能上の細やかな配慮が無かった事が原因でしょう。 共用部分を変更する場合は管理組合の決定が必要ですが、なかなかご理解いただけないようですね。調理時間帯に理事の方にお立会いいただく等、現状をご認識いただくよう頑張って下さい。住民が抱える問題を解決するのが管理組合本来の機能の一つだと私は思っています。 設計者や施工会社も我が事と思わずお茶を濁す程度の対応をしているのかもしれませんね。 売主へ強く申し入れ、売主から設計者・施工者、管理組合の調整を行ってもらうのも一つの方法です。現状の困惑状況をひたすら売主へ訴え続けるというのは効果的な場合が多いです。文書で現状と改善の申し入れを行うと、売主側の関係者(窓口だけでなく)に状況が伝わりやすいと思います。また、建物に支障があって改善すべき場合、お隣へや管理組合に対する説明は売主が主体になって行うべきものです。 同タイプの住戸で問題になっていないとすれば設計上の瑕疵だとは言い切れませんが、生活に支障がでているのですからご自分のご負担以前に改善を申し入れてよい内容だと思います。 ご自宅内での対応策については、現在の給排気口位置やバルコニー側の状況が不明なので何とも言えません。現場を確認できる第三者の設計者にご相談された方が良いでしょう。躯体、サッシなどに手を加える必要がある場合は、これも管理組合の承諾が必要ですのでご注意下さい。 |
津村 泰夫 | 大阪の津村です このようなマンションをよく見かけます。排気を廊下側に持ってきているのだが、たまたまエレベーターホールなどになっている場合は、梁の内側に排気がこもり、照明器具の寿命を縮めます。他の解説員の述べられたように強く改善を要求することです。まずは管理組合に理解を求め、分譲主、施工者、設計者を相手に改善を要求しましょう。第三者の設計事務所に鑑定を依頼するのも一つの手です。 よく見るマンションでは、排気ダクトを外まで延長しているマンションを見かけます。見た目は悪いのですがいたしかたないでしょう。ステンレスでできるだけスマートに作るようにするのがコツかもしれません。 |
コメンテーター | |
野呂田 洋 | 臭いが「自室の排気口」から入ってくるとのことですが、通常部屋についているのは「給気口」です。(給気口ですから、当然外部の空気が入ってくる訳です。。。)この給気口は何のためについているかというと、便所やユニットバス、とりわけ台所のレンジフードから排気された分だけ給気を確保するために付けてあります。 「臭いが入らない対策は?」とのことですが、通常この給気口は閉じることが出来る構造になっているはずですので、これを閉じて、なおかつ、便所、ユニットバス、レンジフードのファンを止めればまず外気は入ってきません。 (あくまで自衛的対策ではありますが) 設計上問題ないのか?とのことですが、臭いが入ってきて悩まされている事実があるのですから、問題はある、ということにはなるでしょう。 ただ、瑕疵かどうかの線引きは難しいところがありますので、話し合いでよい解決策を見つけるというのが望ましいでしょう。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | このようなマンションは割りと多くあります。 風向きによっては室内に給気口、玄関の開放時、窓の開放時に流れ込むのは必定です。このような設計をするところが多いということですがこれがマンション業界の常識というのなら、あまりにも、購入者を馬鹿にしていると考えます。津村解説委員のとおり、ステンレスダクトで外部まで延長するしか手はないでしょう。 何故、こうなるか? 1)購入者はそこまで理解できないだろう。 2)設計のミス(実はミスではなく知っていてやっているのかもしれません。これくらいのことは設計をする人間には直ぐ判断つくことだからです。) 3)販売時の美観の問題(ここにステンレスのダクトがついていたらだれも買いませんものね。) では、どうするか? これは管理組合に取り合ってもらうしかありません。共用部分なので仕方がありません。 現在の理事会が動かないようでしたら、総会で発言することが大切です。 ただし、関係のない住戸は反対するでしょう。 なぜなら、小規模修繕費から出費されるので負担を嫌がる。 1戸に対応したら他の住戸にも対応しなければならない。 美観が損なわれて、資産価値が下がる恐れがある。 などが原因でしょう。 しかし、設計者の立場から申しますに、美観を損なわないきれいな方法もあると思います。 これは1戸の問題ではなく、そこの通路を歩く人にも不愉快になるもので、また、共有部分の油の汚れが付着し、通行人にも付くとも限りません。 それを主張し、解決を見出してください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | このたびは私の件で多数のご回答,アドバイスを頂き,誠に有難うございました。皆様のお話は非常に参考になりました(勇気付けられもしました)。 それを元に,今後どのように動いていくのかを考えていきたいと思います。改めて具体的に何かを依頼させて頂くことになるかもしれませんのでその時は宜しくお願い致します。最後になりましたが,皆様の今後のご活躍をお祈りしております。 |
その後 |
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