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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0728 建売住宅の見積り

 相談概要 [氏名] M.Y
[相談内容:] その他
[居住住所] 京都市
[相談建物所在地] 京都市
[職業] 自営業
[年齢] 31
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦    年  月  日
[公庫は使わない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 127
[延べ面積坪] 39
[工事請負金額] 6200
[様態] 建売り住宅
[施工者] 大工(工務店)
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
 相談内容 [業者の見解]
京都市在住のMと申します。3ヶ月前のことなのですが、以前から上記の近辺の土地を探していたのですが現地に行くと私のほぼ希望した土地が2区画ありました。そして土地のみの売買の交渉をしたのですが値段が合わず、しかたなく残りの1区画(建売住宅)について交渉を再開したのです。そして私は「この建物はツボいくらぐらいのものですか」と尋ねると約50万円位と言われたので、売主、仲介業者と3者面談をしたのです。その際私は仲介業者に住宅設備に無知なものであらゆる商品(例えばサッシ、タイル、壁など約20から30)のサンプルもしくはサンプル帳と商品の品番の情報の提示を要求したのです。それに加えて住宅保証制度、地盤保証のコピーを分けてほしいといい、交渉に臨んだのですが、ふたを開ければ、「この製品は品番がわからない」など、話を意図的にごまかそうとするのです。

もちろん素人が気にしそうなところ、例えばシステムキッチンや風呂などについては品番等詳しく教えて、屋根、サイティグ、フローリングやタイルなどについては情報を提示しないのです。もちろん住宅・地盤の保証のもとは見せてもらえたのですが、そこでは保証内容をじっくり調べる時間がないとあらかじめわかっていたのでコピーをほしい事を仲介業者に伝えたのですが、残念な事に私の希望の三分の一にも満たないほどの交渉だったので、後日仲介業者に再度要求をしたところ業者は「Mさんの場合は注文住宅の方がいいんじゃないんですか?」というのです。

わたしは「予算が合わないので建売を検討しているのです。」といっても、はぐらかせるので、私は「良心的な工務店はちゃんと客の納得のいく説明をしますよ。そちらの売主さんはどう考えていますか」というと「再度売主に連絡をとりその旨を伝えます。」と仲介業者が言うので少し待つこと5分後に連絡があり「やっぱりMさんの場合は注文住宅の方がいいんじゃないんですか?」とはぐらかすので私は「説明ができるのかできないのか」聞くと結論的にできないと言う形になります。といわれたので、私は某住宅設備メーカの友人に聞いたところ「そんないい加減な工務店とは取引はしない方がいい」というのです。彼曰く「建売でも情報を客が提示したら、説明するのは当然だ。しかしこの業界はいい加減な奴も多いから気をつけろ」というのです。

私の考えでは例え建売であろうが説明をするのが当然だと思うのですが、建売では業者が情報を提示しなくて当然なのでしょうか?それとも私のした行為は間違っているのでしょうか?私は今建売住宅はいろいろ問題があるし、その見分けをするのは業者選びが第一だし、本当に自信のある商品なら業者は説明するだろうと思うのですが、どうでしょうか?一般的にいい業者でもこういう情報提示はしないのでしょうか?ぜひ客観的な意見をお聞かせしていただければ有難いです。ちなみに今土地のみ売買について再度交渉することにもなっているのですが、この仲介業者自身も調子のいい人で、私自身今回の件で胡散臭くみえるようになりました。

しかしここの土地はほしい値段を安くしてもらえれば・・・・。という葛藤に悩まされている状況です。ちなみにここの仲介業者の会社は社員が社長含めて2人で他の仲介業者は一社いるのですが今回三者面談した業者の仲間で、昔から私が依頼している仲介業者はこの物件に関しては扱えないというのです。どういう方向で話し合いをすればいいかも加えてご教授して頂ければたすかります。
 yorozuの感想 とてもいいHPですが、もっとこの業界の体質等詳しく書いてもらえれば建売住宅のトラブルもなくなると思います。
買ってからトラブルがでるというのは買った本人も悪いでしょうが、事前に建売の業者の売り方等詳細にわかればこういうトラブルはなくなるような気がします。もう少し悪徳業者の手口等書いてもらえれば助かります。
アドバイザー 
星 裕之 ほし@POHです。解説です

文面から察すると建売というより、売建形式の分譲住宅なのでしょうか。建築中の方に「オレならこう作った。オレがやれば坪5万は安くなる」などとおっしゃる業者さんがいらしゃいます。でも実際はそうはいかないものです。売建の場合、そこまで材料にこだわるお客さんはすくないのじゃないでしょうか?地盤調査は行うべきだしその評価書はいただいたほうが良いでしょう。しかし、各種材料の型番の報告まで要求するのはどうでしょうね。そこまで求めるなら注文住宅とすべきで、知り合いのメーカーさんに建てていただいたほうが良いでしょう。でも知り合いのメーカーさんも各種製品のグレードや一つ一つの値段はきっちり教えてくれないでしょうし、不満足だからといってひとつひとつは簡単に代えられないシステムになっていると思いますよ。

良心的な工務店さんならもうすこし自由度は高いかもしれませんね。でも良心的な工務店さんを探すのは難しいですよ。さらに、細部まで自分の指定した物をつかいたいというのであれば設計事務所と良く打ち合わせを行い、相見積もりによる建設業者選定を行うべきです。一般的に建売などより手間がかかるので、当然それはトータルコストに反映されてくるでしょうね。建売&売建にそこまで望むのは酷かなというのが私の印象です。
津村 泰夫 津村です

 建て売り住宅というのは建てられた住宅を売るのが基本です。ですから使ってある材料などは見ればすぐわかることですし、天井裏などを見れば、その建物の性能がおおよそわかります。建てている途中やこれから建てるところの建て売り住宅もありますが、どうせあとでわかることですから、材料のメーカーや型番を教えないということは考えられないことです。

 たとえばあなたが電気店に行ってテレビを買おうとしましょう。電気店の店員は、対象となるテレビの規格や性能をこと細かく説明し、あなたに納得して買ってもらうよう努力するでしょう。住宅でも一緒です。また価格が高いほど努力は惜しみなく注がれるはずです。私の友人に建て売り屋がいますが、彼は「うちの外壁にはどこそこの何々を使っているから」といって自慢します。良いものを使っているのであれば隠すはずはないでしょう。また高い取引ですから、時間を惜しむこともないはずです。建て売りにはいろいろありますので、ご相談のような業者では契約しない方がよいと思います。

(その2)
 住宅に使う材料などはすべて品番があり、その品番に基づいて発注します。ですから品番などがわからないということはありません。はっきり申し上げてとてもうさんくさい業者だと言えます。土地だけ売ってもらう交渉をおこない、決裂しても仕方がないでしょう。このような業者に建築工事を請け負わせてもまともに建つことは考えられません。
根本 一郎  根本と申します。

建売住宅は、売主が直営工事により建物を造っているとは限りません。今回も、下請業者に丸投げしているのではないでしょうか。
大まかな仕様は事前に指示するにしても、実際に使う各種資材は、下請業者が予算に応じて決めているため、メーカーや品番などの具体的な情報まで掴んでいないのでしょう。当然、品質管理もしていないでしょうから、このような業者からの購入は、避けた方が無難です。

一般論として、建売は完成した住宅を商品として購入するものです。工事中の物件を購入する時でも、仕上げ材などの仕様を確認出来れば十分ではないでしょうか。大切なのは、工事に手抜きがないかの確認です。
サッシやキッチンなど主な資材は、シールや使用説明書などによりメーカーがわかるはずですから、全ての資材について品番まで要求して回答が得られないとしても、不当とは言えないでしょう。大手業者の場合は、市場には流通していない専用商品を使っている場合もあります。
また、品番を特定したところで、価格の検証は困難です。建築資材は、同じものでも、数量、納品場所、決済方法などにより大きく変わるのです。カタログに表示されている価格や、設計価格は、実勢価格ではありません。 
 茶屋 了 茶屋です

何件かの建売業者を知っていますが、建売業者によりそのやり方はさまざまでこの業界にはかなり質にばらつきがあリます。単に金儲けがしたい業者といい仕事を見せたい業者ではかなりの差があります。
以前はやはり現物があるということであまり仕様について細かく説明しない業者がほとんどでした。

でも最近は消費者の品質にたいする目はどこでもシビアーになってきているし当然そういったことにきっちり対応する業者が求められてきています。
金儲けをするにはできるだけ見栄えはよく、性能を落として、手を抜くところはぬくこうとするわけで、そういう業者は仕様等について説明したがりません。
そういう業者は当然避けるべきでしょう。
ただ消費者としては品質があがり、性能がよくなるということはやはり価格に関係し、高くなることを覚悟しなければなりません。 
 三浦 惠翁 千葉の三浦です。

建売住宅を求めるとは、土地代金、建築代金とも建売業者が全額投資して完成物件を販売する、顧客はそれを見て気に入ったら買うと言う、システムで有るはずが宅建法で建築確認申請が下りた物件は現物が見られなくとも販売広告宣伝しても良い、違法でないと決められたことがT.Mさんのような建売購入希望者に注文住宅又は売建住宅と勘違いされる原因だと思われます。建売業者は投資資金に見合う利益を乗せ販売価格を決めているのです。販売価格を決めて宣伝して仕舞ってから造るのですから、材料は見栄えが良く、もっとも安い製品、安い時期を見て仕入れるのですから、製品名、型番など教えられないのが実状だと思います。

建売にそこまで求めることは無理でしょう。売建て住宅、注文住宅なら細かな希望、価格交渉も出来ますからそちらを選ぶべきです、ただし、幾らかの土地代金、工事代金は始めに用意しなければ為りません、借入金で賄おうとすれば、工事期間中の金利も負担することになります。 
 コメンテーター 
野呂田 洋 坪いくらの打ち合わせの段階で、製品型番を明示しないのは、めんどくさいということもあるでしょうが、実際決めていない、つまり臨機応変に価格の安いものを仕入れたいということもあると思います。
最終的には発注しないと製品は現場に入ってきませんから、その時点では工務店は型番は分かっているはずです。
今の段階では、渋る業者に無理矢理依頼するよりも、希望に添った対応をしてくれる業者に変更した方がよいと思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄 解説に多少見解の違いがありますが、整理します。
本来、私たちのように設計図面が整って(ここにはほとんどすべての仕様が決定されています。)、その後見積を取り図面の中身と見積が一体になるものです。

スーパーで買い物をしてかごに欲しいものを入れレジで清算する。レシートには購入した商品名、数量、単価、消費税合計が表示されています。見積もこれと全く同じなのです。

我々設計事務所が設計する注文建築ではこれらが常識です。このような図面と見積を建築主にお見せします。明快なのです。

しかし、ハウスメーカーは本体の明細は出しませんし、建売住宅もだしません。
ハウスメーカーは本体の明細を出すと、本体価格の差の利益があまりにも大きいのに驚かられると営業としてマイナスなので、丸秘を理由にだしません。
建売では解説委員の見解の通り、下請けが安く仕入れられたもの(所謂時価)を使用して下請けの利益を確保するものです。ですから、提示をしぶるのです。

本来はあなたの御考えのとおりが正しい有り方なのです。
しかし、現実の業者側は上記の理由で提示しません。
これはそうそうに業界の体質が変わるものではないとお考え下さい。
これは残念ですが、事実なので、それを認識してください。

家が欲しいという購入者の欲望に「安く売って上げるのだから仕様は曖昧にして利益を確保するのだ」という業界側の欲望のぶつかり合いだと思いますが、このぶつかり合いの場合、購入者が仕様や見積の明細を求めれば業界も変わると思うのですが、残念ながらそれを求める人は少なく、いまだこの業者のような発想になります。

そのような状況では購入者の見識と自己責任が出てきますので、慎重にご判断ください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 PCの新しく購入した為、前回ご質問したメールアドレスはつかえなくなりましたので、ご了承ください。

皆様から貴重なご意見を聞かせていただいて本当に感謝致しております。率直な感想といたしまして、やはり自分の考えに間違いがなかったのだということがわかりました。

その後は進展はしておりません。こういう結果になるまで私と仲介業者の腹の探りあいがありましたが、この件で向こうの方が最初に腹をみせてしまい、その見せたものが業者にとってはこのましいものではなかったと推測します。ですから、むこうは気まずいのかどうかわかりませんがコンタクトをとってきません。私もこんな胡散臭い業者に自分からアクションをおこしたくないので、平行線のままの状態です。建売住宅ではなく、土地のみの販売で土地の値段を私の妥協をできる条件にするという連絡があれば、土俵の上にはのる予定ですが…(笑)
こういう状況では業者にも意地があると思うのでまず連絡はしてこないと踏んでいます。
連絡してくるようだとよっぽど成績が悪いか、人気のある土地でさえこのような不景気で客が食いつかないのでしょうね。

わたしとしては、今の景気だとまだまだ土地は値段を下がるし、いくら業者が相場の維持をはかったとしても時間の問題だと考えておりますので、あせらず探していこうと思います。

あと、ほし@POH様のアドバイスに質問があるのですが(答えて頂かなくても結構です。)
> 知り合いのメーカーさんも各種製品のグレードや一つ一つの値段はきっちり教えてくれないでしょうし、値段に関しては1000円単位まで誤差なくわかるというのは不可能だとわかりますが、おおよそナ数字はわかると住宅設備メーカーの人間は言っていましたが、もちろん彼(他府県)とは親密な関係であり、彼曰く、「知り合いの工務店に10社ほどに仕様等聞けばある程度はわかる。工務店の利益率は良心的なところで5〜10%。もっとも最初は20〜25%で話を進めるし、県が変わろうが同じ業者だし、やり口等、値段はある程度わかる。」と言っていましたがどうなのでしょう?

あと
>不満足だからといってひとつひとつは簡単に代えられな
> いシステムになっていると思いますよ。
これはどういうことなのでしょう?少し漠然的な表現なので私にはわかりません。具体例をあげて教えていただければ有難いです。(これは有料になるのかな!?)

あとご意見くださった方に聞きたい事があります!
このHPを作られたのは住宅のトラブルをなくそうという趣旨でつくられたのではないのですか?(違っていればすいません)
アドバイスをくれた方の内の数人の方は建売だから仕方がない。建売にそこまで求めるのは…というような意見を頂きましたが、この業界を変えていく気がないように聞こえて非常に遺憾です。

もちろん数人の力でこの業界の体質を変えることは非常に困難だということは重々理解しておりますが、最初からそう思ってはできることもできないと思います。何か私の精神論を述べているようにとらわれるかもしれませんが、このようなすばらしいHP作成者、賛同者がこういう意見を言われるとがっかりします。
前にもアンケートに書きましたがこのHPの意図は未然にトラブルをなくし、皆がより良い住宅を手に入れる為のHPにしてほしいと言いましたが、このような意見がでると、トラブルがでてからのHPという気がしてなりません。
勘違いしないで下さい。私の言いたいことは、批判をしているのではなく、皆様方に対する期待の表しだということをご理解してもらえれば幸いです。
私からのエールを1人でも理解してもらえることを祈ります。
 その後  
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