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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0722 基礎の亀裂

 相談概要 [氏名] Y・M
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 愛知県高浜市
[相談建物所在地] 愛知県高浜市
[職業] 公務員
[年齢] 43
[男性] on
[構造] 木造(その他)
[引渡し年月日] 西暦 1993年12月1日
[公庫使用] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 180.51
[工事請負金額] 4,305
[様態] 注文建築
[施工者] ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下
[打ち合わせ何回] 15回以下
 相談内容 [現象]  
平成5年の入居直後から、基礎部分に亀裂がみられます。最初は風呂場横の基礎に縦に1本、その他数か所の基礎換気口の下の隅から斜め下方向に亀裂(写真送付します)が入っていただけなのですが、その後も徐々に亀裂か所が増え、現在では半数以上の基礎換気口に亀裂が入り、それ以外で縦に亀裂が入っているか所ももう1か所増えました。

他の家の基礎と比べてみるとコンクリートの中に気泡がいたるところにみられ、素人の私にもコンクリートの密度が低いように見えます。また、着工前の地耐力調査の結果地盤が弱いとのことで基礎補強工事も済ませてあります(関係ないかもしれませんが、この時に業者が水道管を破裂させてしまい土地の一部分が水浸しになってしまいました)。

 東海地震の発生も心配され、保証期間終了の10年も近いことからどこかに相談したいと思っていたところ、貴HPの存在を知り相談させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

[業者の見解]
引渡し後2年目までに数回無料点検があったのでその時に指摘したところ、これくらいの亀裂なら1ミリ以下なので免責事項となる(現在は1ミリ以上に広がった所もあります)。部分的に亀裂があっても鉄筋が通っているので大丈夫。補修するとすれば鉄筋がさびないように亀裂の上からコンクリート?を塗る程度。との回答でした。

[相談内容]
このまま放置しても強度的に大丈夫でしょうか?
亀裂を埋める程度のことならやってもらってもあまり変わらないと思いそのままにしてありますが、やってもらった方がよいのでしょうか?
それともその他の根本的な対策を業者に要求したほうが良いのでしょうか?





 yorozuの感想 一生に1度(あっても2度?)の重大イベントである家作りに対する不安は、誰もが持っていると思います。そんな不安に答えてくれる貴HPはまさに神様のような存在です。運営が大変だと思いますが、これからも存続していただけることを希望します。
アドバイザー 
山口 雅克 解説員の山口です。

 基礎換気口の下の隅から斜め下方向に亀裂が入ることはよくあります。他の家の基礎と比べて気泡が多いのはコンクリート打設時に十分な突き固めをしていないからです。どちらも丁寧な仕事だとは言えませんが、だからと言って基礎の強度に特に問題があるとも言い切れません。
 ただ、徐々に進行しているみたいなので他のことにも注意を払ってみてください。

床に置いたビー玉が転がっていくような事はありませんか。板張りの部屋で何か所も試してみてください。基礎の強度どころか、家が不同沈下していることも考えられます。不同沈下は詳しい調査をしなければわかりませんが、ビー玉を使う方法は簡易で分かりやすいです。不同沈下がなければ基礎の亀裂に専用の樹脂を注入することで大丈夫です。亀裂の免責に関しては契約書やその添付書類を見直してください。
長谷川 明弘 解説員の長谷川です。

 まず、コンクリート強度についてどうしても心配なら非破壊検査(シュミットハンマー)で調査することはできます。良心的なところなら安い金額で調査してくれるはずですので問い合わせてみてはいかがでしょう。もちろんこの場合第3者の立場の方に依頼することをお薦めします。

 それより私が心配するのは深い亀裂をそのままにしてそこから水が入り鉄筋が錆びてくるこことが心配です。コンクリートを付着させる程度の錆はある方が良いのですがそれ以上に錆びてきて躯体事態の強度を弱くさせる危険性もありますので、浅い亀裂は問題ないのですが、深い亀裂があると問題になりますので亀裂の深さをしっかり調査して、対処方法を検討されることをお薦めします。
 関口 啓介  関口と申します。

1ミリ以上の幅のヒビであれば、構造的に問題があるかもしれません。
ただ、写真で拝見するだけでは、そこまであるようには見えません。
ヒビ幅は、0.5ミリ以上あれば問題がある可能性が高いと考えた方が良いと思われます。
深さはピアノ線などで、ヒビ内部に挿入してみて下さい。20ミリ以上であれば問題があります。
また、ヒビから錆汁などは出ていませんか。

これらが当てはまるようでしたら、専門家に対処を含めてご相談下さい。
また、山口解説委員が言われるように、不同沈下についても、注意をされた方が良いかと思われます。
 コメンテーター 
藤井 修 コメンテーター担当の藤井です。

基礎は建物を支える重要な部位ですから亀裂などが見つかると大丈夫かと心配な事でしょう。亀裂には強度不足や地盤が下がって起きる重大なものや、表面だけで特に心配のいらないものなどその原因を知る事が大切です。しかし、いずれの場合でも補修は可能ですから各解説委員の見解を参考に原因をよく見極めてから補修するようにして下さい。
 事務局から 
  荻原 幸雄 正確には専門の建築士に調査依頼することをお勧めしますが、ご自分でもできる方法として、外部の基礎亀裂部分が内部床下にもぐって同じ位置に内部側基礎表面にも亀裂があるか確認してください。
もし、あれば構造クラックの可能性が大きいです。
なければ、安心ですが、無いといっても表面の亀裂が何処まで深く進行しているのか?がポイントです。

気泡が多いという点は施工時によくつき固めなかったことによるものと思います。つき固めたコンクリートとそうでないコンクリートの強度は勿論つき固めたコンクリートのが強度はでます。しかし、その違いは実質的にはそれほど、大きな違いではないので、ご心配することはありません。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 各解説委員、コメンテーター、事務局の皆様、迅速に丁寧な解説とアドバイスをしていただきどうもありがとうございました。
こんなに早く対応していただけるとは思っておらず、正直にいってびっくりしました。

皆様方からのご意見を聞き、不安で一杯の状態から少し抜けることができました。この貴重なアドバイスを参考に、やれることから順に確認していきたいと思います。

まずは、お礼まで。
 その後  
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