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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0715 簡単な補修のはずだったが・・・。

 相談概要 [氏名] F.N
[相談内容:] その他
[居住住所] 兵庫県神戸市
[相談建物所在地] 兵庫県神戸市灘区
[職業] 公務員
[年齢] 37
[女性] on
[構造] その他の構造
[引渡し年月日] 西暦1997年2月29日
[公庫使用] on
[性能保証は使っていない] on
何階建て] 3
[延べ面積m2] 100
[延べ面積坪] 30
[工事請負金額] 2500
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[お手持ちの図面は何枚?] 3枚
[打ち合わせ何回] 5回
[床面積] 100m2以下
[施工者名] (株)M商会
[販売会社名]
[設計者名] 不明
[監理者名] 不明
 相談内容 [現象]
 今年の5月頃、以前から風呂場横のコンクリートが雨も降らないのにいつも濡れているに気づいたので、自宅を建築した工務店に水漏れの調査を依頼したところ、別の(基礎工事についてもっと詳しい、本人曰くその道では神様のような人)業者を連れてきて、見積を行い6月中旬に水漏れ工事の契約を結んだ。
 当初は、35万円という見積を出してきたが、基礎に問題があると言うことで次々に追加工事の話があり、すでに約220万円以上に膨らんでいる。この業者は私の親友の親友として紹介されたこと、また地元に根付いた業者であることから、信用して任せ細かい見積や明細をもらわないまま(要求はしているが出してもらえない)今にいたっている。

 また、当初は、信用してきたが以下のような対応を見て、不審な点が非常に多く、消費者センターの広報などでいう悪徳商法にも酷似しているため、何を信じてどうしたらよいのか分からなくなってしまった。

・当初は1週間位で工事が終わると言っていたのに未だに終わらない。
・工事を少しずつ残しては次で最後という段階になって、ここも悪いので修理しておいたほうが良い等の追加工事を言ってくる
・建築後5年程度でこんなことになるのは、こちら側(工務店)にも責任があるので、工事費はこちらでもつ、材料費についても折半でと言う話ではあるが、材料費についても具体的な単価は教えてもらえない。しかも、同じ材料でありながら、追加注文の度に増減(最高2倍位)がある。
・材料購入については、現金購入の方が極めて安く買えると言われ、毎回話のあった日に現金で要求される(最高で42万円)が、具体的な単価が示されないためどの程度安くなっているのかが不明・最近になって、本人が資金繰りに困っていること、より詳しいと紹介された業者は訪問販売の業者であること、が分かった。

[業者の見解]
・自宅を建築した工務店側の話 具体的な材料費他は連れてきた業者が全て管理しているので分からないが、仕事に対するプライドが高いので、下手に苦情を言うとますます値段が上がるかもしれない(訪問販売業者であるので、値段があって無いようなもの)。
ただし仕事については間違いがない人である。だから、自分に任せてくれれば、これ以上追加がないようにもするし、過剰請求だと思われる部分は(現在で約80万)は後で返済する。
・間に入っている業者側の話 材料を実際に仕入れているのはH商会であり、材料費については知らない。こちらも、今回の件は気の毒に思っているので、赤字にならない程度の最低価格で仕事をしている。ただし職人としてのプライドと責任において完璧な工事を目指しているので、こちらの提案どおりにさせてもらえれば、15年間は完全に保障する。でなければ3年程度の保証しかできない。

[相談内容]
 今まで、上述のような理由で工務店側を信用し、口約束のみ(最初の50万円分のみ契約書あり)でここまできてしまったのは、こちらの落ち度でもあると考えていますが、やはり納得がいきません。
 また、私が仕事中、あるいは出張中で連絡が取れないときでも、現金要求の連絡が頻繁にあり、年老いた両親は精神的にも参ってしまっている状況です。
 そこで、今まで要求された金額が正当な価格なのかをお聞きしたいのです。その結果が妥当な価格であればたとえ最終的な金額が当初の7倍程度になっていてもやむを得ないと考えていますが、仮に全くでたらめな値段であれば、適正価格までしっかり値引き交渉をしたいと考えています。ちなみに、要求された金額の内訳は
@シロアリ工事       一式   150,000円
A換気扇電気配線工事    一式   300,000円
Bジャッキアップ工事    一式 1,800,000円(洗面所床下部分約1坪にジャッキ6本)
C風呂床めくり工事     一式   150,000円
D風呂下地、床、壁工事   一式   400,000円

 上記は実際に工事を行った業者からH商会宛の請求書ということで、こちらが支払った金額に対しては、なんら内訳が示されませんでしたが、毎回もらっている領主書を見ると(全て消費税別で記入)以下のとおりとなっています。
 ただし、工事費としての請求は@のみであとは材料費(現金で購入しているので相場よりかなり安いもの)と聞いています。
 なお、少なくともF以降はH工務店から全額負担する(後日返金)との確約はとっている。

@シロアリ、床下点検口、水道パイプ水漏れ工事       500,000円
A床下換気扇4台                     100,000円
Bタイル材料費(風呂場天井以外全面張り替え)広さ約1坪  200,000円
Cジャッキアップ費用                   400,000円
D排水杭打ち水抜き工事費(補強材6本)          250,000円
E洗面所下基礎打ち込み(補強材3本)           170,000円
F同上追加         (1本)            50,000円
G床下換気扇追加 2台                   60,000円
H家の西側基礎打ち込み(補強材2本)           150,000円
I西側外壁補修費                      75,000円
J東側トイレ横基礎打ち込み(補強材2本)         150,000円 

以上分かる範囲で結構ですので、標準の金額等が分かりましたらお教えいただきたく、また、今後の業者へ取るべき対応とうについてもアドバイスをいただければ幸いです。よろしくお願いします。 
 yorozuの感想 今回の件について、どの業者の話を信用して良いのか分からず、妥当な金額を調べるにも建築工事関係については一式というような値段の設定も多いと聞いていたので、途方に暮れていました。このように第三者の立場で専門家に意見をもらえる場があるというのはこの業務に携わる皆さんの誇りと誠意というようなものが感じられて非常に心強いです。この件について直接ご回答いただけるかどうかは分かりませんが、他の方々の相談も参考にさせていただきました。ありがとうございました。
アドバイザー 
山口 雅克  工事金額に関しては文面からは高いような気もしないではないですが、工事費がほぼ適正であるかどうかを判断するには図面や依頼内容、施工期間などが明確でないと判断し難いのです。標準の金額は各々の工事の種類がある一定の規模以上で条件が整った場合のものでないと当てはめられないし、それでも10〜30%の実勢との差があると思われます。

 自宅を建築した工務店の対応もおかしい気がしますが、金額や施工された工事内容が適正なのかどうかは現地で調査をしてみないとなんとも申し上げ難いです。次々に出てくる不具合が業者の金稼ぎであればここ迄の問題を解決すれば済むのですが、もしかしたら、今迄以上の根本的な問題を抱えている家の造りかもしれません。第三者の専門家に工事内容を見てもらうことをお薦めします。 これからの対応とお金の問題は法的な部分も含む事になるでしょう。消費者センターのような組織で建築発注トラブルに詳しい人に相談されるのも良いかと思います。
根本 一郎 現状を見た上でないと断定できないことは言うまでもありませんが、例え、知人の紹介業者が、完ぺき主義の頑固親父であるとしても、文面から常識的に判断すると、FNさんが心配されているように好ましい状況とは思えません。
本来ならば、浴室まわりの漏水だけ調査・補修すればよいものを頼みもしないことまで行おうとするのは、行き過ぎのおそれがあります。たちの悪い歯医者のように、必要のない歯まで治療されているような印象です。

床下換気扇が取り付けられたことからもその傾向が伺われます。浴室の漏水により、仮に床下に水が溜まっていたとしても、排水して乾燥させればすむことです。床下がジメジメしてカビ臭かったのならともかく、わざわざ設置する必要はありません。5年間住んでいて、これまで特に問題がなければ、その他の追加工事も疑った方がよろしいでしょう。
最近は、この床下換気扇と耐震補強を不安を煽って売り込む悪質なシロアリ業者がいるようです。

工事を一時中断した上で、専門家(施工業者ではなく設計事務所)に調査を依頼し、必要な工事なのかアドバイスを受けてみてはいかがでしょう。その上で、予算も含めて工事範囲を決定すれば、不安も解消し納得できるはずです。
 木津田 秀雄  ご相談の件ですが、費用の内容や工事の進め方などを含めて問題が多い状態だと思います。本来このような補修工事を行なう場合には、建物全体を調査した後に見積を出して契約するのが筋です。それでも工事にかかってみると不具合な個所が見つかることがありますが、今回の相談のように次々出てくることは元々の調査が不十分であったか、意図的に行なっている可能性があります。
 
 最近神戸では、高齢者をねらった構造補強や床下改装などの訪問販売の件で、多くの相談が持ち込まれています。同類の恐れが高いと思います。元々の工事業者も絡んでの話ですので、一筋縄では行かないかと思いますが、工事の中断と現況までの工事内容の査定を第三者に依頼されることをお勧めします。また訪問販売法の規定が適用できるかと思います。クーリングオフの制度について、消費者センターなどに問い合わせてください。工事が進行していても、キャンセルできる範囲があると思います。

 いずれにしても、工事をだらだらと続ける必要はないと思います。口頭で話が難しいようでしたら、書面を郵送する、FAXするなどの対処がまず必要かと思います。 
 コメンテーター 
阿部 重幸 まさにハイエナのような業者ですね。直ちに工事を中止する旨を書面にて業者に郵送すべきです。それから消費者センター等の相談窓口が行政で設置されていますから一度相談されるのも一考です。(不良業者であればリストに有ると思います) 工事費の精算に付いては第三者に工事内容又状況等を調査してもらって第三者を交えた上で話合うのが賢明です。
 事務局から 
  荻原 幸雄 リフォームでは先ず、構造の傷みを確認することが大切です。
それを調べない業者は失格です。

また、第三者の監理者などがいないですから、追加工事も大変多く当初予算より2倍にも3倍にも膨れ上がる時があります。

リフォームは新築に比べて金額は安いですが、リスクは新築より多いことを肝に銘じてください。

今回は第三者の建築士に調査してもらってください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 山口様、根本様、木津田様、阿部様、荻原様、お忙しい中、丁寧なご回答、ありがとうございました。
知人だからという安心感で、相手に任せっきりにしていたこちらも、あまりに無知で無防備だったと反省しています。
とりあえず、皆様からいただいたご意見を参考に相手方と交渉を進めてみたいと思います。
ほんとうにありがとうございました。
また、最終的な結論が出ればまたご報告させていただきます。
まずは、取り急ぎお礼まで。
 その後  
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