相談概要 | [氏名] S.J [相談内容:] 売建住宅(建築条件付建売住宅)の瑕疵 [居住住所] 千葉県松戸市 [相談建物所在地] 千葉県松戸市 [職業] 会社員 [年齢] 32 [女性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦2003年 4月30日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 85.7 [延べ面積坪] 25.875 [工事請負金額] 1540 [様態] 建築条件付建売住宅(売建住宅) [施工者] 建設会社 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] してない。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。 [お手持ちの図面は何枚?] 無い [打ち合わせ何回] 3回 [床面積] 150m2以下 [施工者名] S建設 [販売会社名] [設計者名] [監理者名] |
相談内容 | [現象] 8月の初め飛び込みの営業の方から、近くに物件があるので見てみませんか? と言われ、ちょうど興味を持っていた時期だったので後日土地を見に行きました。 まだ更地でした。その足で事務所へ行き土地とフリープランの家を建てられる事、価格について、ローン返済計画案を概算で出してもらうなどした後に、その建設会社が建てた家を見学に行きました。 再度事務所へ戻ると、営業部長が出てきて「この土地は人気があるから今契約しないと、売れてしまいますよ。」「本来ならば3880万円ですが、特別に100万円値引きをしてそのうえ80万円追加工事としてサービスします。」「物件発表は来週なので、今日予約という形で10万円入れていただけば優先して契約ができます。」と言われ、浅はかにも手付金10万円を払って予約しました。 その10万円は契約しない場合返却しますのでという言葉に安心して...。 1週間後、事務所へ行きはっきりとこちらが返事をする前に、契約に関する説明(重要事項説明等)が始まりました。 ただし、先週勧められた区画(全6区画のうち、奥2区画は先に売出し、既に契約済み。 最初に勧められたのは、中央の南向きの区画(フリープラン))とは違う公道に面した区画。こちらの方が最初から魅力的ではありました。 その時、営業部長は「本当はこの区画は建売物件ですが、どうしてもと言うのなら私の権限でフリープランにしますよ。 営業ペナルティーで50万円は痛いけど...」と言っていました。 勢いに押されるのがいやで、契約書に印を押す前に「もう一度、既に出来ている物件を見せて欲しい。」と伝えましたが、「契約をしてからでも良いでしょう」と言われ、断る勇気がなく印を押し契約してしまいました。 土地を購入し、家を建てるという事で「土地売買」「建設工事請負」同時でした。 手付金としてこの時点で90万円払い、合計100万円支払っています。 こちらのHPで初めて「建設工事請負」契約は3ヶ月以内にすれば良いということを知りました。 今考えると、その時点でしっかり断れば良かったと後悔しています。8/10の話です。 標準仕様書はあるものの、参考プランの間取り図があるだけで見積りは一切もらっていません。 間取りの打合せでは、標準のもの以外は当然ではありますが全てオプションにされてしまい、かなり費用がかかりそうです。オプションについても見積りが必要だったのですね。現在間取りがほぼ決まり、それを元に建築確認申請の手続きを進めると話しがありました。 ローンの申込みに関しては、一切書類は作っていません。 共働きなので、名義を夫婦にしてローンを組もうと提案されていますが、物件の契約者は主人のみです。 今度の日曜日、打合せがあるのでローン関係も書類作成が行われると思います。 [業者の見解] 今日こちらのHPに出会い、もともと不信に感じていた点がさらに膨らんでいる状態なので、まだ何も話していません。 [相談内容] こちらのHPを見ていると、違反物件だったのではないかと思えて仕方ありません。勉強不足だった自分を棚にあげて言える立場ではないのかもしれませんが、このような感情をもってしまった以上、きちんと建設会社へも本当のところを聞かなくてはと考えています。 ただ、私の思い違いだとしたら相手にも失礼になるし、それこそ今後の対応が心配なので専門家の方の意見が聞けたらと思い、相談させていただきました。 もしも、違反物件だとしたらどのような対処をしたら良いのでしょうか? 契約破棄も可能ですか?その際、手付金100万円は戻ってきますか? それと、土地・建物の契約者は主人のみですが、ローンの名義が夫婦のものと言うのは問題ないのでしょうか? その話をしている時に、営業部長が「なんとかうまくやってくれよ!」と発言していた事も心配です。 これは、私達が困らないようにと言う事なのか、それとも建設会社の為なのか。 以上、お答えいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | もっと早く出会えていたら...そう思わずにはいられないくらい、素人にわかりやすいHPだと思います。 今後どのようになるのか、ちょっと不安ではありますがもっと真剣に家作りの事を勉強して、悔いのないようにしたいと思います。こちらのHPをバイブルとしていきたいと思いますので、がんばってくださいね。私もがんばります。 |
アドバイザー | |
長谷川 明弘 | 解説員の長谷川です。 S.Jさんのお話を読んでいると、私としては、契約と言うよりは口約束をしたとしか思えません。契約とは細かいところまでどのようにして、なぜそんな金額になるのかの裏づけをとれる書類や図面があり、双方が納得して、不信感等ない状態で書面で意志を確認することを契約だと私達は思っています。このまま相手に遠慮してずるずると行ってしまうと、取り返しのつかないことになる可能性が高いと思われます。解約はしっかりとした手続きをふめば問題ないと思いますし、どうしてもその土地が気に入られてこのまま進められたいのなら第3者の立場の専業の設計事務所の人にアドバイザーについてもらう等して進められたら如何でしょう? また、最初は値引きしますと言って、後になってオプションで高いお金を取るという手法は典型的なパターンですのでお気をつけください。 |
山口 雅克 | 解説員の山口です。 不動産契約に詳しくありませんので、ヒントとなるアドレスをお教えしましょう。 http://www.sakigakeliving.net/dataroom/dataroom_real-01.html(注:解説時点のもので現在は表示されません) 《消費者契約法による不動産取引の取消し・無効》《契約の取消し・契約条項の無効》 などが掲載されています。御自身でも確認して下さい。 契約時の雰囲気がわかりませんが、相談内容からはお気付きのように安心できない雰囲気です。長いローンを払いながら住んでいくのですからじっくりと検討してください。フリープランの内容(図面や仕様、各種材料等のグレード)も確認をしてから先に進めましょう。 第三者の専門家に貴方の代理人を依頼しても良いのかどうかも合わせて聞いてみましょう。嫌がるようでしたら、向こうから契約解除の申し出があるかもしれません。 |
久米 能子 | 久米です。 契約について、S.Jさんがたが、ひとつひとつ納得できるように確認しながらすすめることを今からでも行ってください。 まず、今度の日曜に打ち合わせのときに、ローンの書類作成が行われそうならば、それは少し伸ばしても、ご自身で銀行へ出向くなどして、ローンの相談を行ってみることです。 もっとも、銀行の担当者は税務に詳しい人とは限りませんから、税務上の問題については、税務相談などを利用して工事契約書の名義とローンを名義をそろえないとどのような問題が発生するか等を、これもご自身ではっきりと確認しましょう。今のような、不動産の会社が信頼できない状況ならば、そのようにするしかありません。税務相談は郵政事業庁が「暮らしの相談サービス」というもので無料で行っていますし(お近くの郵便局へ問合せましょう。)、同じようなものは市役所や、税理士協会などでも、行っているのではと思います。 また、これからの建物の内容に不安があることでしょうから、これは、長谷川解説委員や山口解説委員のいわれるように、第三者の設計事務所にアドバイスや設計を依頼することにされて、不動産会社としっかり話を進められるように、その設計事務所に不動産会社に同行して貰って、一緒に話をきいてもらうようにして貰えば良いでしょう。 何れにしろ、あなた方の大切な家を、一時の焦りや迷いで悔いのあるものにしてはもったいないことです。勇気を出して、最悪の場合、契約を解除してもよいつもりで交渉しましょう。手付金が返るかどうかは、どのような契約書の内容になっているかによって、変わってくることでしょうが、全く戻らないとは思えません。頑張ってください。 |
コメンテーター | |
樽 一弥 | 売建て(建築条件付宅地販売)の場合で、土地契約と請負契約を同時にした場合、停止条件を活用できません。契約時に停止条件の事をきちんと説明を受けましたか? もし、説明を受けていないのであれば違法販売になります。 相談内容ですが、プランが違法であるならば契約解除できるか? 違法は瑕疵に当たりますので、契約解除若しくは損害賠償請求ができます。この違いは問題の大きさにより判断されます。例えば修繕や改築をすることで目的を達する事ができる時は、解除できず賠償請求ということになります。 貴方の請負契約にはプラン図と土地の契約には敷地図があると思います。 建物が違反かどうかは、これを持って最寄の市役所等の建築指導課に問合せれば答えてくれますので、一度アドバイスを受けてみて下さい。 建築基準法での建蔽率とか、敷地を要件とする集団規定で違反していれば解除できる可能性がありますし、順法にする為に、結果として建物の計画変更が必要となれば、貴方の要求を満たすことができなくなりますので、契約解除若しくは損害賠償請求の原因になると思われます。 土地・建物の契約者は主人のみですが、ローンの名義が夫婦のものと言うのは問題ないのでしょうか? 契約者=所有権者=債務者の関係でしょうか? 契約者は所有権者でなくても良いです。又、所有者が債務者でなくても良いと思われますが、ローン会社(保証会社)が債務者に対する担保をどう考えるかによります。 税務上は所有者に対する贈与に当たります。現行では110万円/年間迄が控除額です。 「なんとかうまくやってくれよ!」と発言していた事も心配です。 これは、私達が困らないようにと言う事なのか、それとも建設会社の為なのか。 これは難しいですね。前述した違法販売のことかも知れませんし、違法建築のことかも知れません。 何れにしても、停止条件を活用できないようにしていることからも、長谷川、山口、久米解説委員が懸念されるように、問題のある業者には違いないと思われます。 一生住むかも知れない大切な財産です。 この様な業者がきちんとした建築をするとは到底思えませんし、第三者が工事監理を行うとしても、かなりの費用と困難さが伴います。 永い目でみて解除の方向をまず第1に考えるべきだと思います。 信頼の置ける専門家に同行してもらうのがいいですが、無理ならきれいな方法ではありませんが、他に返済すべき債務がある等、理由をつけてローンを組めなくするのも一つの方法です。但し、この場合はローンが組めるという停止条件が契約内に必要ですが・・・。それでもダメなら違法性を見出して下さい。 その場の雰囲気に飲まれないように毅然とした態度で望んで下さい。 頑張って下さい。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 大変残念です。この「建築よろず相談」を早く見ていれば、このような問題は起きなかったと思います。 相談を読んであなたは大変やさしい人に思えました。やさしさがともすると相手次第では仇となることもあるでしょう。今回はそんなケースのように思います。 あなたのような方はきっと我々設計事務所にこられれば素敵な家が手に入り、あなたのやさしさはやさしさの感謝があり、設計事務所の建築士が弱い面は守ってくれていたと思います。ですので、より、今回のことは残念でなりません。 業者の持っていき方は典型的な古いパターンを踏襲しております。価格には初めから値引き金額は含まれていますし、サービスも折込済みです。煽るやり方も不動産業者としてモラルの欠如を感じます。 解約をする場合は毅然としてください。その場合、文章化してもらい、それを基にそのやり方が妥当かどうかを弁護士に早急にご相談ください。 我々のメンバーにも弁護士がおりますので、対応いたします。 もし、解約が法的にも難しい場合は設計と工事監理者の選択はあなたにも権利があると思いますので、ご自分で指定する旨、相手に強く伝えてください。この場合には工事請負契約書がどのようになっているかを良く読み、設計者や工事監理者の選定方法が書かれているか? 調べてください。そして弁護士に可能か?ご相談ください。可能であれば強くそれを求めてください。 それが出来ればいいかげんな工事や設計はできません。通常、このレベルの業者ですと第三者の工事監理者や設計者は拒絶するはずです。思うように成らなくなるからです。 頑張ってください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | たくさんの相談の中、回答をいただきありがとうございました。 先生方のアドバイスのおかげで、良い方向へ向かう事が出来ました。 一生に一度の家作り、人任せにせず自分もしっかり勉強していきたいと更に思っています。 ほんとうにありがとうございました。 これからもHP、参考にさせていただきます。 |
その後 |
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