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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0699 東西に細長い土地に

 相談概要 [氏名] K.Y.
[居住住所] 愛知県渥美郡
[相談建物予定地] 愛知県渥美郡
[職業] 会社員
[年齢] 53
[女性] on
[構造] わからない
[設計者はどなたに依頼しますか?] 特に決めていない。
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 40
[工事請負金額] 1700
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] 大工(工務店)
 相談内容 [家づくりの相談内容]
東西に細長い保有の土地に、家を建てようと計画しています。大きさはほぼ東西に54m・南北に8・4mで、東側のみ道路に接しています。隣接する北側は水田、西側には用水があります。南側は畑で、道路があって、その先は衣料品店の駐車場です。

建築は可能と思いますが、東西に長く奥行きのない家は、一般的な住居に比べ建築費は割高になるのでしょうか。使い勝手や住み心地などもさることながら、一番の関心事は、設計により落ち着いた安らげる家は建てられるのだろうかということです。開放的な住居が好きなのですが、周囲に視界を遮るものが何もないため心配です。

ぜひエキスパートである皆様のご意見を承りたく、ご相談申し上げます。ご回答を心からお待ちしております。
 yorozuの感想 大変充実していて驚きました。今後も更に知識と経験を元に、誠意と熱意をあわせ持たれて、知識の乏しい私たち消費者のために、又、将来の建築業界の質の向上のためにも貢献下さいますよう、願ってやみません。
アドバイザー 
関口 啓介 解説員の関口です。

道路に面した境界線を間口、東西を奥行きとして考えて見ましょう。
建物を建てる上では、8.4Mの間口があれば充分可能であります。
また落ち着いた、安らぎのある家も設計次第で可能となるでしょう。
工事費については、足場設置場所、資材置き場、重機設置場所、工事車両駐車場所等が確保されるのであれば、そう割高になる事はないと思われます。
難しいのは、将来計画も踏まえて、54Mの奥行きをどれだけ有効利用できるかだと思います。

工事中の前述のスペースも考えますと、なるべく道路側に余裕をもって、可能な限り西側に建物を配置されると良いでしょう。
また外部からの視界の遮蔽には、中庭にして開口部を隣地側に直接設けないなどの方法もありますが、建設費は割高になります。
多少割高になっても、これだけの敷地を活かし切る素敵な住まいができると良いですね。
54Mはなかなかのものです。
星 裕之 解説員の星です。

ちょっと極端な例ですが10m×10m、5m×20m、どちらも100m2です。外壁の長さを比較すると、前者は40m、後者は50m、長方形の後者のほうが25%増えてしまいます。これが建築費に反映されてきますので多少高くはなります。しかしそれは全体予算のなかでも微々たる割合のもので理論上のものでしかありません。

材料や構法などの他要素によりすぐカバーできてしまうレベルではないかとおもいます。微々たる予算の違いよりも、細長く南側に仕切るものがないという面白そうな敷地を前向きに捕らえたほうが良いとおもいます。全ての部屋を東西方向にならべれば、全ての部屋が南向になり、南北への風抜けを期待できます。予算があれば、部屋-庭-部屋-庭-部屋のように部屋間に中庭を設ければ、面白く豊かな建築になるとおもいます。一人で悩むより何かを期待できそうな設計者に設計依頼をするのが良いと思いますよ。
 小松原 敬 解説員の小松原です。

敷地も難しいですし、ローコストも心がけなくてはならないようですね。こんな場合こそ設計事務所に頼んでください。
きっと良い設計とコスト・コントロールをしてくれると思います。
設計料を払っても結局はそれが一番お得な選択です。
よろずの設計士も愛知にはおりますのでご相談ください。 
 コメンテーター 
津村 泰夫 とても細長い敷地ですね、京都には「鰻の寝床」と呼ばれる長屋がたくさんありますが、現在でもリフォームをして快適な住まいが多いです。細長くてもきっとすてきな住空間ができると思います。ただし費用的には外壁量が増えること、外部開口部が増えること、細長のため構造強度が必要なことなどからいくぶん割高になることは確かです。建築家と相談しながらよりよい解決を見い出してください。
 事務局から 
  荻原 幸雄 建築費が気になるのは全ての建築主の共通の悩みです。
どんなに安い建物でも高い建物でも共通です。
建築費で大切なのはその金額に見合う以上の建物が建てられたか?ということです。
それには設計が重要な要素になります。

敷地の形がいろいろな形もありますが、必ず、この敷地にはこの形が適しているというものが存在します。
それを捜すことが設計者の務めです。

今回の長い敷地は個性と考えて、その個性を伸ばせるか否かは設計者と建築主で建物を産む苦しみであり楽しさでもあります。

長い敷地を利用して中庭形式スタイルにしながら塀は建築化した形にすれば防犯やプライバシーは保てます。

このような個性ある敷地は大胆な発想の転換も必要です。
いい設計者といい家を産んでください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 私にとってはエールと思える皆様の力強いお言葉を、ウンウンと頷きながら拝見させていただきました。
この形状を生かすも殺すも設計次第なのですね。常識ではマイナスと思われる地形も、かえって個性的な住空間を作り出すことができそうだということが分かりました。木を配したゆったりとしたイメージが湧いてきて、考えるだけで今からワクワクします。

但しこの土地にたどり着くまでに前段階がありまして、そこから始めなければなりません。皆様のアドバイスによって、一からスタートすることができます。
本当にありがとうございました。
 その後  
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