相談概要 | [氏名] Y.K [相談内容:] 分譲マンションの瑕疵 [居住住所] 東京都墨田区 [相談建物所在地] 東京都墨田区 [職業] 会社員 [年齢] 37 [男性] on [構造] 鉄筋コンクリート造(その他) [引渡し年月日] 西暦 2001年10月20日 [公庫使用] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 8 [延べ面積m2] 57.34 [工事請負金額] 2880 [様態] 分譲マンション [施工者] 建設会社 [お手持ちの図面は何枚?] 無い [打ち合わせ何回] 打合していない。 [床面積] 60m2以下 [施工者名] K 設株式会社 [販売会社名] 株式会社 G 住販 [設計者名] 株式会社 A [監理者名] T |
相談内容 | [現象] 私の部屋は2Fなのですが、3Fの音がものすごく聞こえ響きます、かといって3Fの方が大きな音を出しているわけではなく、足音はもちろん部屋のドアのしまるときの「パタン」という音や、引き戸の「ゴロゴロゴロ」などの音が自分の部屋で出した音以上によく聞こえてしまいます、それにお風呂に入って洗面器などで床をこするような音もものすごく響きます。 このマンションで音の苦情を言っているのは私だけなようなので、建築ミスかなにかではないかと思い何度か調査にきてもらいました。 パンフレットではスラブ厚、壁厚とも180mmということなのですが、隣の部屋の音もたまに聞こえたりしているので、スラブ厚が実際は薄いのではないかと思い、その調査もするようにたのんでいます。 もうすぐ入居して一年たってしまいます、一刻も早く改善してもらいたいのですが建築会社の担当者はもうちょっと待ってくれといいます、一応親身に相談にはのってくれるのですが、なかなか話がすすみません。 3Fの方は毎日帰りが遅く、私どもが寝ようとする頃に帰ってくるようで、まったく寝付けなくなることが多々ありほんとうに困っています。 [業者の見解] ハッキリとミスだとは言わないものの、何度か調査をし、一度天井をはがしてグラスウールなるものをひいてくれましたが、まったく効果はなく引き続きなんとかしてくれと頼んでいます。 それで3Fの床をはがして2cm程モルタルをはりたいと3Fの方にお願いしてくれたらしいのですが、3Fの方が了解してくれないようです、ただ、2cmモルタルをはったくらいでは改善されるとは思えないのです。 この対応をしてくれているのは建築会社の K 建設で、売主のAは調査にはきましたが「社内検査は合格している」ということでタッチしていないようです、もちろん異議はとなえましたが。 [相談内容] こういうケースの場合、どこに責任があるのでしょう?もしくは対応してくれなくなった場合は泣き寝入りするしかないのでしょうか? 技術的にどのようなことが効果があるのでしょうか? よろしくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | まだお答えをいただいてないのでなんとも言えませんが、私のようにどこに相談すればいいのかわからない者にはたいへんありがたいとおもいましたお忙しいとは思いますが、ぜひよろしくお願いいたします。 |
アドバイザー | |
氏原 毅士 | 解説員の氏原です。 マンションの漏音は事例が多く、いわば社会問題となりつつあるように思います。 結論から先に記しますが、完成した建物内において高額・購入費に匹敵する様な費用をかけても完全に遮音することは出来ません。 衝撃音には2通りあって、ひとつは軽量衝撃音二つ目には重量衝撃音があります。 たとえば、上階でテーブルからスプーンを落とした音が軽量、子供が飛び跳ねて遊ぶのが重量衝撃です。 軽量の場合は、防音床材や、カーペット併用である程度は防ぐことが可能です。 最近、部屋に入って「何じゃこれは!」と思うほどやわらかいフローリング材が市販されていますが、軽量音対策の結果です。 この柔らかさが「床下地の欠陥工事では無いか」と言う争いが起こるほどのものであまり心地よい物ではありません。 これが用いられていた(仕様であっても)コンクリート床下地にでこぼこがある場合、裏張りの軟質材が圧縮され、サウンドブリッジと言われる音波伝達ルートを作って下階に響く結果になります。 場合によれば、接着剤のつけすぎも同様の結果を招きます。 重量音は、梁で囲まれた床スラブの大きさが大きく影響し、概ね25平米を超えると下階に影響が生じます。 上階床仕上げのモルタル打ち増しは全くと言ってよいほど効果はありません。 共同住宅において上階や隣家の音が聞こえないと言うことは技術的は困難です。 上下に他人が住んでいるという事を理解した上での共同生活であることを知るべきだと思います。(冷たいようですが) |
茶屋 了 | 解説員の茶屋です。 分嬢マンションを買うとき必ず床の遮音性能を表示していますが、文面をみるとそのことをご存知ないように見受けられます。 現在のマンションは大抵L=45という床にスプーンが落ちてもあまり気にならない性能のものがほとんどですが、L=55以下の性能のものでは期待できません。 住んでいる他の人が音の苦情がないということは標準の性能のものが使われているのではないでしょうか? 遮音性能があるといっても床を椅子で引きずる音とか子供が走る音は防げません。 また遮音は床のコンクリート厚にもよりますので、購入するときには床厚が大抵表示されています。これも現在は200以上のものが多くなっています。 でも180cmは標準的だと思います。 いずれにしても購入前に確認しておかないと住みだしてからでは上階の人の家に入り込んで工事することは難しいことでしょう。 伝達音はさえぎることは難しいけれど、直接音は少しは少なくできる方法として防音天井にすることは考えられます。遮音でなくて防音なのであまり期待はできませんが、そのやり方については建築設計士にご相談ください。 |
コメンテーター | |
木津田 秀雄 | もし他の住戸から床の遮音の問題がまったくでていないのであれば、Y.Kさんの家だけの問題かもしれません。他の住戸でも同様な問題が発生していないか、管理組合の理事さんに聞いてみてください。 マンションの遮音性を確保する技術ははっきり言ってまだ未熟です。性能表示制度においてもL-○○と言った表示を「床衝撃音対策」としています。すなわち、実際に測定したらL-○○になっているという表示ではなく、L-○○のつもりで対策したという内容です。 実際にパンフレットなどに書かれている数値は、フローリングメーカーが工業試験場で一定の条件下で測定した数値L-○○を、コンクリートの厚みや施工方法も異なるのにそのまま掲載していることが多いようです。 氏原解説員も書かれているように、コンクリートスラブの大きさ(例えば小梁のない間取り)によって、その性能は大きく異なります。最近ではアンボンドスラブやハイサッシのマンションが増えて、遮音性能が確保されにくいマンションが増えています。 またグラスウールを入れたり、モルタルを塗るような方法では、あまり効果に期待できません。やるなら天井をすべてクッション付きの吊り金物でつるなどの方法が必要になります。もし販売者に真剣に対処するつもりがあるようなら、遮音性能を確保するために取った工法、メーカー、遮音性能の予測計算をしてもらってください。そして3階の方の協力を得て、工業試験場など公的な機関での床衝撃音測定を行って改善方法を検討してみてください。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 他の住人に音の苦情が無く。あなたの住戸だけが気になる音の場合考えられることは先ず二つ。 1)あなたの住戸だけなんらかの構造的な問題がある可能性がある。 2)あなたが音過敏症である。(これは今までの環境などに影響されます。) 2)の場合の人はマンションは購入してはいけません。耐えがたいものに感じてノイローゼになる場合もあります。 マンションを購入する前には自分が音に敏感かどうか?再度、お考えください。 この場合は対策はありません。一刻も早く売却することです。 1)の場合が難問です。音が激しいところを探り、その仕上げを壊して構造体を調べることです。 そこで原因を探り、対策を講じることになります。 調査を待たなければわかりませんが、構造が問題だった場合は管理組合の問題にもなります。 先ずは調査が重要です。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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