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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0692 柱の位置

 相談概要 [氏名]Y.K
[居住住所] 埼玉県南埼玉郡
[相談建物予定地] 埼玉県南埼玉郡
[職業] 会社員
[年齢] 28
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[設計者はどなたに依頼しますか?] ハウスメーカーの建築士
[何階建て] 2
[延べ面積坪] 35
[工事請負金額] 2000
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] ハウスメーカー
[お名前] O建設
 相談内容 [家づくりの相談内容]
現在両親が自宅の建て替えを検討中です。
何軒かのハウスメーカーに無料設計をしていただきあるメーカーの間取りが気に入ったのですが一つだけ気になることがあるので御相談頂きたいと思います。
勉強不足なのかもしれませんが、木造在来工法で家を建てる場合通常通し柱になっていて、梁の上に2階の壁が乗るものではないのでしょうか?

今手元にあります図面を見ますと、2階の柱の下は空間になっているようです。
メーカーに確認したところ、1階の柱の周囲1メートルあたりのところに2階の柱があれば問題ないとの回答でした。
本来でしたら図面の分かる第3者に見てもらうのが一番なのですがそういった知り合いもおりませんので御相談させていただきました。
宜しくお願い致します。
 yorozuの感想 大変勉強になりすばらしいホームページだと思います。
先生方はお忙しい中大変かと存じますが、ぜひ続けて行っていただければと思います。
アドバイザー 
山口 雅克 解説員の山口です。

 2階の柱の目的にもよります。下に1階の柱がない場合はそれなりのチェックを行って設計しますので問題はないのですが、2階の柱が屋根荷重を支える為の柱であれば望ましいとは言えません。
 設計者の気配りがどの程度かも不安が残ります。2階の角の柱であれば上下につながっている事をお薦めします。
清水 煬二 解説員の清水です。

木造在来工法で、通し柱になっているのは、2階の四隅は多いのですが、他の柱は、必ずしも通し柱になっていません。
通し柱というのは、1階から2階の屋根まで一本の長い柱で通している柱です。

その他の柱は、管柱(くだばしら)と言い、1階分の柱の長さしかありません。
1階と2階の同じ位置に柱があっても、2本の柱となっています。

さて、2階の柱の下に、1階の柱がないとのことですが、これは良くあることです。
そのことだけで即、心配することはありません。

その2階の柱の下には梁という、柱より太い木を水平にして入れることになります。もちろん、柱が上下両方同じ位置にあるほうが、より望ましいでしょうが、プランの要求を満たすと、どうしてもそうなることの方が多いのです。
広いリビングが1階に来て、2階に寝室をいくつもとなると、そうなり易いです。

ただ、柱によっては、宙に浮かせたくない柱もあります。例えば、阪神大震災以降は、2階の角にある柱でしかも筋かいのある場合は、極力、宙に浮かさないという設計をしています。2階に加わる地震の力を、直下の1階の柱と筋かいを通して基礎に伝えるためです。

こういった、専門的な細かい内容はいくら説明しても、一般の方でも判断が難しいと思います。建築士でも気づかずに行っていることさえあります。
笠原 歩  解説員の笠原です。

お察しの通り、通し柱(1階柱の上に2階柱が乗っている状態)が構造的には理想的です。しかしなかなか構造上の理想と、希望する間取りは一致しません。その為に建築士が頭を悩ませているのが現状です。費用その他の問題を別にすれば何メートルでも無柱空間が出来ます。おそらく「メーカーの間取り」であれば無茶な構造にはしていないと思います。

ですが「1階の柱の周囲1メートルあたりのところに2階の柱があれば問題ない」というのは、全く根拠のないものです。とても技術者の発言とは思えません。そういったテキトウな数字を上げてしまう姿勢に疑問を感じます。
メーカーを信用して家を建てるか、図面の分かる第3者に見てもらうかどちらかに決めてから、事を進めるようにして下さい。 
 コメンテーター 
木津田 秀雄  各解説員のアドバイスにもあるように、2階の柱の下に柱がないこと=構造上での問題にはなりません。木造の柱は建物の荷重を支えるだけの量を考えれば、物凄く過剰に入っています。(一本辺りの負担は少ない)しかし地震の時にかかる力なども考慮して柱や筋かいの位置を決めます。

 きちんと設計されていれば、特に問題になることではないと思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄 今回の相談のポイントはきちんと設計されているか?です。
ダメな設計では山口解説委員の説明のとおり、屋根荷重を算定しないで組んだ場合は最悪の事態になり、このような欠陥もあります。

いい設計者を選ぶこと。これしかありません。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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