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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0685 増築について

 相談概要 [氏名] K.Y
[居住住所] 東京都東村山市
[相談建物予定地] 同上
[職業] 会社員
[年齢] 38
[女性] on
[構造] 鉄骨造(ブレース構造)
[設計者はどなたに依頼しますか?] -
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 6-12
[工事請負金額] まだわかりません
[様態] 建売り住宅
[施工業者はどちらに依頼しますか?] −
 相談内容 [家づくりの相談内容]
自宅の増築についてご相談致します。
我が家は軽量鉄骨造ですが、増築するために抜きたい壁があるのですが、その部分には、柱とブレースが入っています。
勿論、抜けば構造上に問題が生じるのはわかっていますが、補強する方法はないものでしょうか。

問題の壁は、家の四隅ではありませんが、張り出したリビングの一角です。上部は吹き抜けとなっており、2階の床を支えてはいません。
すぐ上の2階の壁は同じように柱とブレースが入っています。
真横の直角にあたる部分の壁も同じように柱とブレースが入っています。
なんとか増築したいと思っていますので、よいアドバイスを宜しくお願い致します。
 yorozuの感想 住宅の知識を得ようにも、素人ではどこに相談していいかわかりません。
施工をお願いする会社では、いいように丸め込まれてしまう危険もあります。
このように、無料で相談を受けているとは、なんと素晴らしい方々がいるものだと頭が下がる思いです。
悪徳業者撲滅のため、頑張って下さい。
アドバイザー 
清水 煬二 清水です。

この軽量鉄骨は、どこの業者が建てたものでしょうか?
ハウスメーカーなどのプレハブでしょうか?
それとも一般の業者が建てられた住宅ですか?

前者であれば、ハウスメーカーから構造計算用に資料を提供してもらわなければ難しいです。また、逆にそのメーカーに頼めば、可能かどうかは検討してもらえますし、可能なら工事も行ってくれるか紹介してくれるでしょう。

後者の一般の業者が作ったのであれば、構造計算書が建築確認申請書に付いているはずです。築年数によっても、アドバイスも変わりますが、
これを見て構造計算すれば、ご希望の増改築が可能かどうかわかります。新築した業者には聞けないのでしょうか?

おっしゃるようにどこかリフォーム会社や工務店に頼むというのは、ちょっと危ないでしょう。その場合は、信頼できるところで、必ず構造計算を行ってもらう前提で、見積もりはもちろん、工事をすべきです。
構造計算費用が別途必要になります。
今回の場合は、OKでもご希望以外の壁を壊したり、補強が必要になる可能性が高いでしょう。

信頼できそうなところがなければ、設計事務所に図面と構造計算書をもって相談に行くのが良いでしょう。
その場合、一級建築士事務所となっていても普通の工事会社と変わりない場合もありますので、注意が必要です。工事を中心とした会社ですと、構造的には違反でも増改築を行ってしまうこともありますので。

もうひとつ、その壁を取らなければ本当に要望を満たせないのでしょうか?
一般の方がこれしかないと考えた結論でも、専門家のアドバイスで第三の案が出ることは珍しくありません。そういう意味でも図面と計算書を持って、設計事務所に具体的に相談してみては、いかがでしょうか?
小松原 敬 小松原です。

10u以上の増築には確認申請が必要です。
(防火地域、準防火地域では増築する時は必ず必要です)

その際注意すべきことは、建築当時と建築基準法が変わっている場合です。(おそらく大概そうです)
その場合、現状の建物は「既存不適格」という事になっていてそのまま住むには問題ありませんが、確認申請を出す時には現状の法規に合わせる事を求められます。

防火関係が主なものですが、構造的にも抜く壁以外の部分にも補強が求められる事があります。
軽量鉄骨の場合は通常の木造とはちょっと違う所もやっかいです。

お近くの設計事務所に相談されることをお薦めします。
 コメンテーター 
久米 能子  増築やリフォームは確認申請が法規上は不要となるケースも多いので、安易な構造の変更もおこなわれがちです。
 ご相談の件は建物の図面や構造計算書を拝見して検討を行わないと、どのような解決方法があるかは回答できないでしょう。

 また、確認申請が必要であるか否かということと、法規上適合すべきかどうかということは別のことです。本来、確認申請が必要でなくとも違法な建物であってはなりません。これは、構造の場合なら単に安全かどうか、という問題だけでなく、違法な建物は違反建築物ということで、その分、資産的価値への評価にかかわる場合や売却が不利になる場合もあることを憶えておいていただきたいと思います。金融機関などでは、中古物件の売買に融資する場合、違反建築物であるかどうかを審査の対象とするところもあるからです。

 増築やリフォームは工事金額が小さいので工事業者も建築主の方も簡単に考えやすいのですが、実は新築よりはるかに大変な作業と検討が必要なときもあります。色々な角度から検討できるように、是非、信頼できる設計事務所にご相談ください。
 事務局から 
  荻原 幸雄 増築やリフォームでの相談を依頼する前にこちらに相談するのは懸命な判断だと思います。
増築やリフォームが景気の低迷もあり、今後は大変な需要があり、いろいろな業者がその業務に参入しています。
そこまではいいのですが、実は増築やリフォームは簡単なようにお考えの方が多いのが問題だと考えています。

1)設計図面があるか?
2)確認申請の図面があるか?
3)1)2)があれば建物がこの図面とおりになっていますか?

この3)が曲者なのです。
この場合の図面通りとは実際に構造的な問題が全てきちんとなされているか?
を確認するのですが、この場合壁を壊してみることも必要になります。

その上で新しい増築部分も含めて全体で構造計算をして成立します。
これらを何も検討しない業者がいたら、即刻、停止してください。
わたしは「人の命や財産を無視した商業主義的業務」だと考えるからです。

増築やリフォームにはやってみなければわからない部分があります。
ですから事前に設計事務所が入って調査をしていただき、構造計算と実施図面作成を依頼しましょう。そのほうがトータルで費用も安くつく場合もあります。

通常、程度の低い業者では構造的検討は無視し、見えない部分が発覚したらその部分を追加請求する。この場合工事が始まっているので、工事をとめられたら困るので依頼者は無条件で払ってします。もし、払わない場合はそれなりに工事を終わらしてしまい、がっかりすることにもなります。

重ねて、説明します。新築より増築・リフォームは難しい仕事である。ということを。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
 その後  
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