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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0676 シロアリ被害

 相談概要 [氏名] ST
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 東京都北区
[相談建物所在地] 同上
[職業] 広報
[年齢] 41
[女性] on
[構造] 木造(その他)
[引渡し年月日] 西暦1997年7月25日
[公庫使用] on
[何階建て] ロフト付2
[延べ面積m2] 115
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 2,690
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んだ。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] 無い。
[お手持ちの図面は何枚?] 1枚
[打ち合わせ何回] 10回以下
[施工者名] S建設
[販売会社名]
[設計者名] M.M
[監理者名] M.M
 相談内容 [現象]
状況を下記にまとめます。

4月17日:2階に通じる階段の柱に数箇所穴ができ、シロアリらしきものを発見。
翌日M.Mに連絡し対応を求める。

4月20日:有)H.K(M.M紹介)の担当が来て見た結果、外からアリが侵入した形跡がないので、床下を調査するために、床板を解体したところ、水が17cm溜まっていた。水漏れの調査をM.Mの担当者がS建設に依頼したところ、「対応できない」と返事があったため、他社にお願いし、できるだけ早く、水を抜き、調査を開始するよう薦められたので、承諾した。(現在はM.MとS建設の取引はないそうです)

4月27日:有)SE(M.M紹介)が排水漏れ調査工事に来る(4月24日付け見積書は脱衣所床解体、水抜き、調査一式で6万円)。当日、17cm溜まっていた水を2cmまで排水。風呂場からの水漏れ、雨水の浸入の可能性を調べたが原因特定できず。
1週間の水位の変化を測定するように頼まれた。

5月5日:測定の結果、3cm上昇、今日現在、水深5cm。

床にあけた30cm角の穴から、水が溜まっている状態の写真はとりました。上記説明で不十分でしたら郵送します。


[業者の見解]
有)H.K:新築時にシロアリ対策(クレオソート)をしているのに、築5年以内でシロアリが出るのは稀なケースであり、床下の水漏れにより、湿度を好むシロアリが発生したと考えられる。まずは水漏れを補修し?調査をしてから状況にあった(水が溜まっている状態では床下調査が出来ない)シロアリ駆除処理をするべきである。

有)SE:水漏れ原因特定できず。水位の変化をみて、再調査。

[相談内容]
1、賠償請求を施工会社にできるのか。
2、M.Mの監督責任はあるのか。
3、現在までの対応の仕方は賠償請求する際、問題があるか。(M.Mを通じてS建設に連絡したが、対応できないといわれ、他社に調査をお願いした件)
4、下記の賠償は可能か。
 ・水漏れの修繕
 ・シロアリ駆除(床下の湿気がアリを招いた可能性大)
 ・シロアリが発生した壁の修繕
 ・基礎土台の修繕(床下排水もれによるダメージによるもの)
 ・家全体のチェック(現状、過去の修繕の経緯より必要)
 ・床下換気・定期的にチェックする窓口(このような状況が2度と
  起こらないように)
 ・原因追求の調査費用
5、何らかの賠償請求が可能であれば、弁護士をご紹介ください。

補足:今回の問題とは直接関係ないかもしれませんが、2階バルコニーからの水漏れ修繕は3回(最近の修繕は昨年6月)、新築直後にロフトの天井部分のカビ問題で簡単な修繕を2回行い、大規模な解体修繕(換気扇取り付け含む)を無料でS建設にしていただきました。
 yorozuの感想 シロアリが出て、ショックを受け、床下に水が17cmも溜まっていた事実にショックと怒りを感じていた時に相談できるところがあると知り、冷静に対処しようとする気持ちになりました。ありがとうございます。
緊急に対処したいと、地域別に分かれていた相談者に直接、メールを出し、このページから相談するように連絡いただきました。「すべての相談はここを通して・・・」と案内があるほうがよいかもしれません。
アドバイザー 
根本 一郎 根本と申します。

これまでは、昨年もバルコニーの補修を行うなど、入居直後から雨漏りの不具合があったが、施工会社が対応していたのに、今回は拒否されたとのこと。引渡し時に建物の保証書の交付は受けていないのでしょうか。
それとも、今回のシロアリや漏水などは、保証期間を超えていたり、対象に含まれていない項目として免責となっていますか。
契約を元にした補修請求が出来ない状態を前提に回答いたします。

施工業者は、シロアリの被害にあわないよう必要な処置をする法的義務がありますが、発生時の責任は曖昧であるため、逃げているのでしょう。
通常、シロアリの予防工事は、木材の防腐工事とセットで専門業者により行われ、5年程度の保証を受けることが出来ます。今回は、クレオソート(一般的な防虫防腐剤であって専門業者が使う防蟻剤ではありません)を使っているのであれば、実施されていないようです。

現時点では、業者がバラバラに見ているだけで、原因ばかりでなく、詳細な被害状況も不明です。
漏水の原因の特定、シロアリの進入経路や床下漏水との因果関係、シロアリの被害は階段付近だけなのか等、確認すべきことがたくさんあります。
事実関係が解明出来なければ、賠償請求など、責任を追求することは出来ません。先ず、専門家による調査を待つことになります。

床下の漏水は、新築時の給排水工事に重大な施工不良箇所があれば、入居直後に発生し、発覚する場合がほとんどです。今回の漏水が入居直後から発生していたものと断定できない限り、監理者M.Mの監督責任を問うことは困難でしょう。
むしろ、S建設とM.Mとは、現在取引がないのであれば、MMがS建設を庇うような判断をすることはないでしょうから、MMに対して、今回の調査の取りまとめ(調査報告書の作成など有償になるでしょうが)を依頼されたほうがよろしいでしょう。有)H.Kや有)SEへとの打合せもMMを通して行えば、STさんも判断に迷うこともなくなるはずです。またMMは、設計者でもあるわけですから、今後の復旧計画も立てやすいでしょう。

S建設へは、STさんから直接、現在の状況を伝えたうえで、S建設が調査・復旧に協力するよう依頼してみてはいかがですか。今後の調査結果次第では、賠償請求することになる旨、通知することで理解を得られる可能性もあります。
 コメンテーター 
長谷川 明弘 まずは、引渡し時にいただいているはずの建物の保証書を御確認ください。根本解説員の言う通り、まずは建物の設計監理者であるMMに調査報告書等の作成をお願いし、調査してもらった有)H.Kや有)SEとの擦り合わせもMMに依頼した方が賢明だとは思います。
報告書等が完成した後、S建設へはMMの方からも連絡してもらうのはもちろんの事なんですが、STさんから直接交渉することをお薦めします。報告書があるのと無いのとでは先方の対応は全然変わって来るはずです。
 事務局から 
  荻原 幸雄 原因究明が先決です。
現在、現象がわかっているが、原因が究明できていないようですので、先ずは原因を究明してください。
その後、その対策を考えていく形になります。
裁判等の問題はその後の話ですので、第三者機関にご依頼してください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 ご返答ありがとうございました。
皆様のご見解は今後の対処に役立てます。
 その後  
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