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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0671 第三者監理は今から・・・。

 相談概要 [氏名] H,H
[居住住所] 愛知県名古屋市
[相談建物予定地] 愛知県名古屋市北区
[職業] 公務員
[年齢] 37
[女性] on
[構造] 木造(その他)
[設計者はどなたに依頼しますか?] ハウスメーカーの建築士
[何階建て] 2
[延べ面積坪] 46
[工事請負金額] 3060
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] ハウスメーカー
 相談内容 [相談内容]
1.和風の家を建てたくて、要望にそって設計してもらいました。おおむね希望通りなのですが、1つだけ何とかならないかなあと思っていることがあります。それは、玄関ポーチと、玄関正面の坪庭の柱です。準防火地域なので、隣家から3m以内のところは、構造にかかわるところは木の柱が使えないとのこと。でも、アルミの柱では、全くイメージが違ってきてしまいます。玄関扉のサッシなどは、アルミでも、木目調のものがあるのですが(うちで使用する物もそうです。T社の「K」というシリーズで、これは気に入っています。)ポーチ柱では、木目調にする方法はないのでしょうか。あれば、教えてください。

2.同じハウスメーカーでも、その時に下請けをする工務店で住宅の良し悪しが違ってくると、某ハウスメーカーの方とか、大工さん経験者に聞きました。今回依頼するハウスメーカーには、その話をして、いい工務店を選んでね、とお願いしたのですが、工事中に、どういうところをチェックしたらよいのでしょうか。(中日新聞の「1から学ぶ家づくり」を読んだり、欠陥住宅の例を読んだりしていますが、自分でわかるのかどうか不安です。)特に、塗料などの目に見えない物が安全かどうかは、どう調べればいいのでしょうか。

3.性能評価を依頼すると、そのための書類を余分に作成しなければならないと聞きましたが、性能評価ではなくて、第三者監理を頼む場合でもそうでしょうか。ハウスメーカーには、「性能評価も第三者監理もやめます。」と伝えてしまったのですが、「やっぱり第三者監理を……」ということが、建築確認申請後でもできるのでしょうか。 
  お忙しいところ初歩的な質問で申し訳ありませんが、どうぞ、よろしくお願いします。
 yorozuの感想 何百という相談に誠実に答えていらして、本当に頭が下がります。また、相談内容を見ていると、建築主の方々もすごくよく勉強されているなあということがわかりました。自分が気がつかなかったこともわかるので、参考になります。
アドバイザー 
善養寺 幸子 京の善養寺です。

準防火地域だからといって、玄関庇のみを支えるポーチの柱を不燃材料で作らなければならない規定はありません。木の柱で大丈夫です。
三浦 惠翁 千葉の三浦です。

1.については図面を見てないのでポーチ柱から坪庭に続く構造が判りませんが、家屋に付属する門塀で高さが2mを超えるものは不燃材料で造るか,覆わなくては為りません。気に入っていると言われている玄関扉と同じT社のエクステリア製品の中にも和風の製品はあります。設計者と相談してみてください。

2.3.については請負契約書に添付する図書がどれだけ詳しく描かれているかによります。細かいところまで書かれていると、現場監督はもちろん大工も後で問題が起きたとき責任は負いたくないので確りした仕事をしなくては為りません。また第三者監理を就けるにも設計図(A3)10枚や20枚では満足いく監理は出来ず、責任も負いかねます。見積明細が無ければ工事費の精算もメーカー側の言いなりになってしまいます。

防蟻防腐材、接着材、塗料など室内環境汚染物の使用リストは特記事項に書き込み、使用する、しないをはっきりさせ、少なくても厚生省ガイドライン値以下で施工してもらい、完成時に検査データー報告書の提出を約しておいて下さい。ぜひ請負契約前に建築士に添付図書のチェックだけでもしてもらい、足りないと指摘された図書は作成して貰いましょう、建築確認申請後でもメーカー側が認めなくとも法的な監理を除き実質監理は可能です。
 根本 一郎 根本と申します。

近頃、テレビや新聞などで欠陥住宅の報道が目に付くようになりました。HHさんも新築にあたり不安を感じられているのでしょう。
私からは、ハウスメーカーとの付き合い方をアドバイスいたします。

ハウスメーカーは住宅展示場に実物の商品を展示し、工法を表示しています。ご存知のように、HHさんが依頼されたSは、木質系プレハブ工法に属します。
プレハブ工法のメリットは、メーカー毎の特殊な工法であるため、国が認可したものに限られており、設計上のルールが遵守され資材も限定され、構造上の欠陥が生まれにくいことです。逆にこのことがデメリットにもなり、フリープランといえども設計上の制約があり、何でも出来るわけではないのです。在来工法や2×4工法など一般的な工法と違って、使える部品が決まっておりデザインを指定できないことがあります。

よって、今回、HHさんが依頼された建物が、Sのプレハブ工法によるものであれば、主に構造に関わる工事はSの工法に精通している建築士でなければ、正確な判断ができません。むしろ、HHさんが、メーカーが行う工程ごとの自主検査に立会ってみてはいかがですか。そこで生まれた疑問点を専門家に相談すれば、不安は解消できるかと思います。
ただし、プレハブメーカーが不具合を起こしやすいのは、独自の工法以外の工法(例えば、在来など)または混構造(和室だけ在来で作る)など、不慣れな工法で受注したときです。和風の家とのこと、気になります。メーカーに工法を確認した上で、第3者の建築士に相談されればよろしいかと思います。 
 コメンテーター 
山口 雅克 コメンテーターの山口です。

 「一から学ぶ・・・」のご愛読ありがとうございます。中日新聞代表にかわってお礼申し上げます。(微笑)

 建築基準法などでは法の運用で可能な事とそうでない事があります。木の柱に関しては設計者に相談するか市の建築確認申請を担当している窓口に相談してみるのも方法です。監理者の変更が出来そうになければ建主の代理人として現場を見てもらう方法があります。(メーカーの監理者はあまり現場に関知せず、現場の監督さんが兼ねている場合が多いのです。)

 性能評価と監理は別物です。図面が少なかったとしても工事共通仕様書をもとに監理すれば雨漏りや構造強度、断熱性能などはよりしっかりした施工が期待できると思います。第三者監理や建主の代理人を依頼すればそれなりの費用(人件費+経費)は必要になります。
 事務局から 
  荻原 幸雄 建築よろず相談ネットワークが監修・協力しております中日新聞の「1から学ぶ家づくり」をご愛読いただきましてありがとうございます。

柱の件はその建物としての構造的な見地から判断されるもので、図面等がないので正確な判断はできませんが、図面を管轄の建築審査課等に出向いて具体的なお話をしてみてください。
状況によっては可能かと思いますので、ご確認ください。

ハウスメーカーは通常企業秘密を理由に第三者の監理者は受け入れません。
特許を取得していれば特段、企業秘密は理由にならないのですが、みられたくない理由がありそうです。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  たいへん、ていねいなお返事をありがとうございました。家造りに関しては、そちらのホームページで読んだとおり、金融公庫の建築仕様書(建築主用)というのも取り寄せたりして、勉強していたつもりでしたが、回答をいただいて、まだまだ勉強不足だとわかりました。
 工事に入る前に、細かいところまで、仕様や、使用する接着剤などもぜひ細かく書面にしてもらおうと思います。木質系プレハブは、構造上の欠陥がうまれにくいとのお答えにも安心できました。(外観が和風ではありますが、工法はすべて独自工法で、設計士さんが、きちんと壁の量を計算して、私たちの希望が通るか通らないかをはっきりと言ってくれたので、その点は大丈夫だと思います。)
 Sは第三者監理を受け入れるとのことでしたが、費用の面で断念したのですが、やっぱり設計図書だけでも見てもらおうかなと思います。

 600件以上にも上る相談に、ひとつひとつていねいに答えてくださっている姿にいつも感動しています。今回も、早々にご回答くださり、本当にありがとうございました。
 その後  
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