相談概要 | [氏名] F・Y [居住住所] 東京都豊島区 [相談建物予定地] 東京都豊島区 [職業] 主婦 [年齢] 33 [女性] on [構造] 木造(在来工法) [設計者はどなたに依頼しますか?] 建設会社の建築士 [何階建て] 3 [延べ面積m2] 90 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1600 [様態] 建売り住宅 [施工業者はどちらに依頼しますか?] 大工(工務店) |
相談内容 | [家づくりの相談内容] はじめまして。お忙しいところ恐縮ですが、どうか相談に乗ってください。 建築前の建売住宅の購入を契約しました。20坪の狭い土地に建つ3階建てです。基礎について質問があります。構造はべた基礎です。北側斜線にかかるため、建物全体の高さがとれず、基礎の外周はGLから30センチのたちあがりですが、建物内部の基礎はGLから10センチしかありません。そのため、外周の基礎の高さより、1階居室の床のほうが低くなるそうです。 外周部にはとくに床下換気口を設けず、内部にのみ基礎パッキンを入れるとのことですが、それでは外気が入ってこないわけですから、床下が湿気だらけになってしまわないでしょうか。業者は、「べた基礎だし、外部から雨が侵入しないようにするから大丈夫」と言っています。でも、高断熱高気密の家ならまだしも、普通の内断熱工法なので心配です。こちらとしては契約もしてしまったのであまり強くも言えません。 対策として@床下換気用の機械を入れる A外周部の基礎コンクリートに通気口をあける B吸湿性のある炭などを床下に入れるなどがあるというように認識しています。 どの方法を採用したらよいのか、またほかによい対策があるのか、さらに、どの程度まで業者に負担を求められるのかを教えていただけないでしょうか。うまくまとまらず、わかりにくい文章になってしまいましたが、どうかよろしくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | とても丁寧に相談にのってくださっているように見受けられます。 |
アドバイザー | |
山口 雅克 | 解説員の山口です。 公庫の基準では基礎の立ち上りは地面から40cmとなっています。設計上、特別な配慮をすれば基礎の高さは問題にはなりませんが、雨の侵入についての業者の説明も何故大丈夫なのか分かりませんので詳しく聞いてみて下さい。 相談の内容から家の構造と断熱の関係に誤解をされているようにも感じますので、矩計図の段階で第三者の専門家に見てもらってはいかがでしょうか。北側斜線の事も含めて、建物の高さを抑える方法は幾つもありますので、それも含めてです。各階の天井高さと構造の高さ、家の配置、屋根の勾配など検討すべき項目は沢山あります。 1階床下の納めは無理をしない方がいいですよ。床と基礎の関係も再度検討した方がいいでしょう。解決策は必ずあります。 |
善養寺幸子 | 解説員の善養寺です。 このような形体の床もあります。雨が入らないように作るのはこの床形体でなくても当然のことですが、床下が低い場合何かあっても対処のしようがないとも言えます。 高気密高断熱なら問題が起きないと言うわけではありません。換気の必要性を感じるなら室内側に換気できるようにするのも方法です。炭を敷きこむというのを最近よく見ますが、密閉してしまう床下に入れるのはどうなのでしょうか。炭が何か魔法の様な機能を持っているような印象を与える風潮ですが、マイナス面も心得て利用しなくてはなりません。状況が悪ければ炭にもカビが生える事がありますので、放調湿出来ない環境での炭の利用は疑問を感じます。低い位置に無理して換気口を設けるのも、水の進入の原因になったりと問題も生じたりします。 気になるようであれば、1階の天井高をゆずって床を土台まであげ、換気を作るのも方法です。土台パッキン型の換気なら基礎を傷つける事もないでしょう。 私の友人の建築家の方がよくこの土台より1階の床が下がった形体の住宅を作るのですが、その場合、べた基礎上に硬質の断熱材を引きこみその上にコンクリートで床を作ります。このコンクリート床を深夜電力で暖め、蓄熱型床暖房にして全館24時間暖房にしています。室温は低温ですが実に心地よい暖かさの住宅です。 夏は床に日を当てないとひんやりと涼しい家になっています。 (この形体は建物の上物も工夫が必要です。) 当初からきちんと計画できればマイナス要素もプラスの利点に使えたかもしれませんね。 変な言い方ですが、この1階床には問題が生じても主要構造には直接は影響はありません。鉄骨構造やコンクリート構造の住宅にこのような形体はよくあります。基準法では1階の床高は地盤面より45センチ以上上げるようされていますが、床下の防湿処理をした場合はこの限りでないようになっています。ですからコンクリートのべた基礎で解決していると言っているのでしょう。より良い方法として、基礎下に防水シートを敷いたりして直接湿気が上がることを防いだりもします。 絶対的な大問題とは言えず、業者からの説明も冷静に聞いてみましょう。 (湿気の多い土地では問題かもしれません。)その上で、心配であれば第三者の建築士の方に設計図や現場を見てもらって、対処の方法を検討されては如何でしょうか。 |
コメンテーター | |
今井 優子 | コメンテーターの今井です。 この場合、換気が必要となる床下が無い構造ではないでしょうか。 それでも、防湿処理がされていれば、決して違法ではありません。敷地に余裕が無く、斜線制限がきつい場合などで、よく使われる手法です。 ただし、心配されているように雨水の浸入については相当の配慮が必要です。どのような対策が施されているか確認した方が良いでしょう。 敷地と道路との高さ関係、もともと水はけは良い土地か、敷地内の雨水が速やかに排水されるようになっているか・・・など、業者に確認してください。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 基礎の高さが30cmなので公庫は使われていない。ということを前提として考えてみます。 業者から大丈夫というのは説明になっていませんが、ご推察の方法の対応は大切です。 その中で、機械換気の方法しかないように思います。 この場合は室内側のどこかにダクトを引き込んで外壁に排出する方法になろうかと思いますが、その数やルートをしっかり確認して採用ください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | みなさま、早速のお返事ありがとうございました。 初めての家作りで不安と緊張の連続の毎日で、ささいな問題も深刻に受け止めてしまい、みなさまのお手を煩わせてしまったのではと反省しています。 ご親切な返答をいただいて、私の気持ちもずいぶん落ち着きました。 いただいたアドバイスをもとに、冷静に業者と話しあいをしたいと思っています。 みなさまの無償の奉仕には頭の下がる思いです。 本当にありがとうございました。 |
その後 |
〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号
TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107