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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0667 屋上防水と外壁

 相談概要 [氏名] T・A
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 愛知県春日井市
[相談建物所在地] 愛知県春日井市
[職業] 会社員
[年齢] 37
[男性] on
[構造] 鉄骨造(ラーメン構造)
[築何年ですか?] 築 10年以内
[何階建て] 3
[延べ面積m2] 199.4
[工事請負金額] 3400
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[お手持ちの図面は何枚?] 20枚以下
[打ち合わせ何回] 30回以下
[施工者名] 芥工務店
[設計者名] E ・H
 相談内容 [現象]
1.ベランダや屋上のパラペットの雨じまいが悪く、外壁が築7年とは思えないほど汚れてしまっている。
2.屋上の防水シート(ゴム)とスラブの間数箇所に気泡が入っている。(大きい物で1畳ほど)

[業者の見解]
屋上防水については昨年10月に調査にきていましたが、未だ修理にこない状態です。

[相談内容]
はじめまして。下記瑕疵の内容についてご専門の方のご意見をご拝聴したく相談させていただきました。

(1) パラペットの雨じまいが悪く全体的に外壁が薄汚れ、数箇所ほど黒く流れた後が目立ってきました。
   この場合パラペットの改修と外壁の前面再塗装を要求したいのですが、無理でしょうか。またできる範囲を教授ください。

(2) 屋上の防水シート(ゴム製)とスラブの間に気泡が有り、以前に手直ししたにもかかわらず再び発生してきました、何か施工上の欠陥があるのでしょうか。(10年の保障が無くなった後が不安です)

(3)瑕疵とは別ですが工務店の対応が遅くていいかげんな印象を受けております、たとえば(2)について昨年の10月に調査にきて以来、音沙汰なしです。
   
他にもいろいろ有るのですが、工務店との信頼関係がないに等しい状態です。一度第三者の調査を依頼したほうがいいのではとも考えております。何かよいアドバイス下さるようお願いします。
 yorozuの感想 一生で一番高い買い物なので些細なことでも気になるものです。その場合に客観的に見てもらえるこのような機関がある事は大変すばらしいことだと思います。またインターネットで相手方の時間の制約もなく申し込めるので大変便利だと思いました。
アドバイザー 
中川 雅実 こんにちは T・Aさん、解説委員の中川です。

私は、鉄骨造で外壁ALC版の場合、漏水が特に気になります。
相談者の皆さんは、普段よく見えるところは気になりよく相談されるのですが、雨漏りにも、見える雨漏りと見えない雨漏りがあります。
写真から推察しますと、笠木は、板金加工品で上面に止めた後が見られますが、ジョイント部及び止め付け部の処置は、どの様になっていますでしょうか?
笠木のジョイントは、只の重ねでは上端の勾配が緩いためジョイント部より雨が入りますし、止め付け部に隙間があれば、そこから笠木内部に雨が入り外壁を汚します。

外壁の吹付は、築7年位経ちますと劣化により吹き直しの時期に達しておると推測されますので、防水・外壁の汚れを含め原因を調査され、対処方法を検討されては如何でしょうか?
建物は、今後何十年と住まわれるでしょうから、早期に調査されることをお勧めします。
山口 雅克 解説員の山口です。

契約の内容にもよりますが、築7年で外壁の汚れに関して瑕疵の要求をするのには無理があると思います。写真ではよく分からないのですが笠木の継ぎ手部分が他の場所に比べて色が違い、その下の壁がよごれているので、笠木の材質と接合や取付に原因があると思われます。推察の一つですが、ALC版の上に取付けた笠木から一部水が入り、笠木の汚れが水路(みずみち)からでてきたものではないでしょうか。(笠木が上からビス留めしてコーキングしたように見えます。コーキング部分からの漏水では)専門家に現地を見てもらうのが良いでしょう。写真から判断するには限界があります。

 屋上の防水シートの膨らみであれば、シートとスラブの間の水分が膨らんだものです。何処からか水が廻ったのか、コンクリートスラブであればそれからの水分かもしれません。写真からでは塗膜防水のような気がします。防水層の上に手摺の基礎が載っているのも原因かもしれません。

 これらの解決には、やはり現地を確認して適切な対応方法を必要とします。できれば問題箇所の使用材料のメーカーなどが分かると対処方法を探り易くなります。
 関口 啓介 解説委員の関口と申します。

笠木(板金加工)の上面止め付けコーキング止めや、ジョイントはあまり良い仕事とは思えません。
また、笠木勾配が緩い事や、笠木水切りと外壁との間に隙間が殆どない事は、水が切れずに外壁に伝わりやすく、汚れが付き易い納めでもあります。

程度は悪いのですが、即瑕疵との判断には至りません。しかし、契約された納め方と違うのであれば問題であります。
また、外壁を汚しているだけならまだしも、中川解説委員の通り、内部への雨水侵入があれば問題です。
防水層の端部が、何処でどのように止められているのかを確認する必要があります。図面には記載があるでしょうか。
シート防水下の水泡(気泡?)は、笠木下部から水がシート防水の下に入り込んでいる恐れもあります。山口解説委員の通り、手摺基礎や柱脚の影響も考えられます。

防水層を貫通しているのであれば水が伝う恐れもありますし、貫通していなくても基礎が載っている下部及び周囲で劣化や亀裂も考えられます。また、ドレイン(排水孔)周囲からの浸水もよくありますので、ご確認下さい。
まずはご自身で、天井裏に上がり、内部への浸水がないかどうか、ご確認頂くと良いかもしれませんね。
それと工務店には、穏やかに根気良く、働きかけてみて下さい。 
 コメンテーター 
今井 優子 コメンテーターの今井です。

各解説委員の言う通り、写真だけでは判断しにくい部分があります。
契約図面の内容や納めの仔細な調査が必要です。
まだ、現象として現れていない問題が内在しているかもしれません。
屋上の防水についても現地を確認しないと、原因はハッキリしません。
お考えのように、一度第三者の調査を依頼されるのが良いと思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄 マンション等の外壁の場合は10年に一度塗り替えることが基本です。
これは住宅にも当てはまるのですが、その説明がなされていないようです。
今回は7年目ということで部分的な汚れは大気の汚染状況から(酸性雨も含めて)シーリング部分が劣化速度が速くなっているように感じます。
大気汚染は国際的な取り組みが必要不可欠に思います。

外壁の汚れはこれらからも瑕疵とするのは妥当性を感じません。
車を洗う高圧ホースを使ってやわらかいブラシで洗えば取れると思いますので落としてみてください。

防水等は写真からでは推測の域を出ませんので、心配でしたら第三者の調査を依頼してみてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お世話になります。先日ご相談させて頂きましたT.Aと申します。
お忙しいなか、早速のお返事ありがとうございました。
運営事務局荻原様をはじめ、 解説委員の山口様・中川様・関口様・今井様
親身になってアドバイスを頂き大変感謝しております。
今後いただいたアドバイスを参考に良い形で解決できるよう、努力して行きたいと思います。
これからも、皆様方の活動の、ますますの発展とご繁栄をお祈り申上げます。敬具
 その後  
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