相談概要 | [氏名] K.F [居住住所] 東京都八王子市 [相談建物予定地] 東京都八王子市 [職業] 会社員 [年齢] 27 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [設計者はどなたに依頼しますか?] 専業の建築設計事務所 [何階建て] 2 [延べ面積m2] 86 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1400 [様態] 注文建築 [施工業者はどちらに依頼しますか?] 建設会社 [お名前] J建設 |
相談内容 | [相談内容] はじめまして。 住宅性能表示制度について教えてください。 現在、上記建設会社で建築の話を進めていますが、住宅性能表示制度を利用したいと考えております。 見積もりを依頼したところ、前例では 1.地盤調査費用 約6万 2.住宅性能表示制度申請料 約14万 3.書類製作依頼 約30万 の、計50万円かかったとの事でした。 書類を製作にこんなに金額がかかるものなのでしょうか。 (ただしこの費用は約1年前の例だということです) また、この費用を削減する方法はないのでしょうか。 |
yorozuの感想 | 最近、家を建てることを考えてから、わからないことがあったらインターネットで調べるようにしているのですが、その中で実際の相談と回答という形でよくまとまっているページなので、よく利用させて頂いて、参考にさせてもらっています。 これからも宜しくお願いします。 |
アドバイザー | |
木津田秀雄 | 木津田です。 住宅性能表示制度に関するご質問ですね。私はこの制度に基づく評価員の資格を持っています。住宅には戸建てからマンションまでいろいろありますが、住宅と名前がつく全ての建物を客観的に評価しようという優れた制度だと思っています。 この制度では、住宅のいろいろな性能をレベル1から3ないしは4にランクをつけて表示しようとするものです。もちろん建築基準法という「建物の最低の基準を定めた法律」がありますから、住宅性能表示の最も下のランクであるレベル1の場合も、建築基準法は守っている建物になります。世の中で言う欠陥住宅とは、この建築基準法も守っていない建物だと解釈してもらって構いません。 ですから建築基準法を守っているだけの建物では、その性能評価はオール1になります。オール1の評価をすることが、有意義かどうかについては別の議論になると思います。年々建物の品質の向上が計られてきて、建築基準法を守っているのに加えていろいろな観点で建物を評価する物差しが必要になってきたというわけです。(ちなみに断熱材のレベルについての規定は建築基準法にはありません) さてオールレベル1ですと、性能評価の書類作成の手間だけですから、それほど高い費用はいらないと思います。ただ構造や温熱環境についてレベル2以上の評価を得ようとすると、やはりそれなりの計算を行う必要があります。これらの計算は、殆どの工務店や設計事務所は行ったことのない計算になりますから、やはり手間がかかるということになります。 ご質問の費用ですが、構造と温熱環境についてレベル2以上の性能を評価するのであれば、概ね妥当な金額かと思います。ただ構造も温熱環境もレベル1でよいとなれば、もう少し安くなると思います。ただ先にも述べたようにレベル1の評価を敢えて性能表示制度で行う必要があるかという点は残ります。 あと、性能表示制度の建設評価を受けると(設計評価だけでは意味がありません)4回ほど検査員が現場に来て設計図書どおりの施工ができているかのチェックを行います。これらのチェックは本来「監理者」が行う検査とまったく同じです。もちろん「監理者」は4回より遥かに多い回数現場に足を運びます。(きちんと設計監理と施工を分離した場合ですが)ですから、検査をしてもらうことを目的に性能表示制度を選択するのであれば、きちんと建築基準法が示すように、設計監理者を施工者と分けて依頼されるほうが良いと思います。 |
コメンテーター | |
古賀 保彦 | コメンテーターの古賀です。 規格化された住宅であり、評価書に共通部分が多ければ費用を下げられる事も可能だと思いますが、1から評価書を作成する場合には相応の費用かと思います。 地盤調査、申請料についても会社の経費を含めばそれ位になると思います。 性能表示を行う場合は、実際に建てる建物の性能ランクの設定によっては現在の設計仕様を変更しなければならない場合もあります。それに伴って工事費用も変わりますので、申請費用だけでなくトータルで考慮する必要があります。 解説員の説明にありますように、性能評価を行う目的を明確にして方向付けをされたらいかがでしょうか。資金を有効に活用するためにも、目的とそれに伴う費用、取るべき方向性について第三者性のある建築士に相談されることをお勧めします。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 概ね妥当な見積もり提示だと理解します。 表示制度は建物の品質を確保し、表示する制度ですが、現実はなかなか採用されません。 ご存知のとおり家は税金等の諸経費もかかり、負担の大きいものです。 法的な優遇制度を設けない限り、依頼者の負担が大きくなるばかりですね。 政治家も行政もこの制度が浸透するように何らかの対応を期待したいものです。 何故、普及しないのか? 1)費用が余分にかかる。 2)業者の対応もこれを受けるには現行の体制では無理があり、管理体制や監理体制を充実する必要があり、業者の費用負担が増大する。 3)不景気でそこまでの負担は対応できない。 等でしょう。 よく、ご確認ください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 木津田様、古賀様、荻原様、丁寧なご回答、ありがとうございました。 正直なところ、建設会社が、受けさせたくないためにそのような金額を提示してきたのかと思っていました。 しかしとり越し苦労だったようです。 J建設は、設計から現場監督まで自社で請け負っているので、第三機関の調査を入れることにより、住宅の欠陥があれば事前に防げるのではと思い、住宅性能表示制度を受けたいと考えておりました。 しかし、資金の余裕もないため、あきらめて他の方法を考えたいと思います。 もし、このような心配を解消するための良い方法をご存知であれば、またご教授いただければと思います。 どうも、ありがとうございました。 |
その後 |
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