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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0658 地目が山林の土地は?

 相談概要 [氏名] Y.Y
[居住住所] 愛知県豊田市
[相談建物予定地] 愛知県豊田市
[職業] 会社員
[年齢] 38
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[設計者はどなたに依頼しますか?] ハウスメーカーの建築士
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 43
[工事請負金額] 3500
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] 大工(工務店)
 相談内容 [相談内容]
今,土地と家の購入を検討しています.
その土地について相談があります.
詳細について下記にまとめますので,アドバイスよろしくお願いします.

現在マンション暮らし(持ち家)ですが,3人の子供が大きくなってきて手狭になってきたので一軒屋の購入を検討しています.
子供の要望もあり学区が変わることのないよう地元で探しているのですが,この学区は元々農村地域でしたので全て市街化調整区域で市街化区域はありません.
そういう中次のような物件を見つけました.
・地目 山林
・坪単価 格安(通常の宅地の半額以下)
もちろん市街化調整区域です.

該当する土地は住宅街の一角に位置しています.
(50戸以上の集落です)
地目は山林ですが,そこに家がたっても全然不自然ではない風景です.
不動産屋からは次のような手順を踏んで,建築許可を取り家を建てる事を勧められています.

・道路収用の権利を使って建築許可を取る
・許可がおりた後,地目を住宅地に変える
とのことです.

この辺りでは,道路建築ラッシュで立ち退く人が多く,そういう人は本来家を建てられない所にも建てる事ができる権利をもっていて,その権利を行使しない人から権利を買って,その権利で申請して許可を取るそうです.
話を聞くと,地元の不動産では結構当たり前の方法らしく,権利の値段の相場も決まっているようです.
また,役所の方も申請に関しては,厳格に見ればおかしい事でも結構甘く許可が出ると聞きました.

契約そのものは,建築許可がおりた後はじめて成立する契約にします  といっていますので,土地を買ったはいいが家を建てる事ができない,という事はなさそうです.

ご相談したいことは,この土地での建替えについてです.
不動産屋曰く,本人が建替えることは可能だが,他人が建替えることは不可との事.もしその場合建築許可を取るためには今回と同様何らかの特別な手が必要とのことです.
本当でしょうか?
法律を厳密に解釈すれば,本人か他人かという事ではなく,過去に遡ってその土地が合法かそうじゃないかで決められるような気がします.

不動産屋のコメントは
・長く住んで既成事実を作る
・そういう状況において,どこにも行くところがなく家がボロボロになって住めなくなったような状態になって,お役所の担当に仕方が無いと言わせる,という事をいっていると解釈しています.

もしそういう意味なら,建替えができないリスクを背負うことになります.
建替えできないのは困ります.
年をとって家が老朽化した時に建替え不可では行くところがありません.
又,老朽化じゃなくても,火事や地震などで家が倒れてしまった後,建てることができなければ路頭に迷ってしまいます.
現実にはどうなのでしょうか?

尚,その土地の周りにはたくさん家があります.
全て市街化調整区域です.
かなり古い(いわゆる昭和45年前)家もあれば最近分譲販売した家もあります.
多分そこは既存宅地だったのだと思います.
今回購入する土地はそういう隣の土地とは何か違いがあるのでしょうか?

又,子供の代になったときに,その建替えができるかどうかというのはどうなるのでしょうか?
法律的な解釈と,現実の運用状態として建替えに関するアドバイスをいただけると大変ありがたいです.
又愛知県・豊田市の条例の情報をアドバイス頂けると大変ありがたいです.

以上,お手数をおかけしますがよろしくお願い致します.
さらに詳しい情報が必要であれば何なりとご連絡ください.
即座に対応します.

P.S.
近所には農家が多く,農家の新屋としてたんぼの真ん中に家が多く建っています.
この人たちは建替えの規制は無いのでしょうか?
又,こういう土地&家屋を農家以外の人が買った場合どうなるのでしょうか?
(そもそも買うことができない?)
 yorozuの感想 不動産を購入したり家を建てる事は多くの人が一生に一度か二度程度のことで殆どの人が素人でわからない状態で不安を抱えながら対応している事と思います.そういう中,このようなHPがある事は大変頼りになります.
アドバイザー 
氏原 毅士 氏原です。

 結論を先に言うと、建替えは不可能です。
また、この根拠はいわゆる既存宅地(都市計画法施行以前から宅地であった)とは異なり、建ててはならないところに建てられる唯一の権利を利用しようとしているからです。

 これは農家の分家(1軒だけ建てられる)の持つ権利・・農業政策推進・・を悪用しようと言うものです。
 当然、何年経とうが既存宅地にはなりませんし、改築や増築でも元の権利者の名義が必要となるはずです。
 住宅資金借り入れがある場合に融資条件に抵触するのではないかと思います。
近い将来、市街化調整区域から市街化区域に編入されるまで上記条件がついて回るはずです。
 線引きの見直し(区域編入)が予定されていないなら購入はやめたほうが良いと思います。

こういった権利売買で建てた家は当然第三者に転売もできないはずです。
津村 泰夫 大阪の津村です

県の開発指導課にご相談されてはいかがでしょう。

 市街化調整区域での建築許可は様々な場合があり、そのつど協議しないとわかりません。
 農地を持っている方が今の住まいで手狭になったため、その理由書を書き、居住予定者の家系図や、出産予定の場合は医師の診断書を添えて申請すれば一定基準を満たしておれば認められるようです。
 老朽化による建て替えは建築基準法に合致しておれば可能のはずです。周辺の集落の状況により認めているところもあるようです。

 開発許可の権利の継承も認められている内容もありますので、不動産屋と話しをするのではなく信頼のできる建築事務所に相談依頼されるか、ご自分で開発指導課に行かれて相談してみてください。
 「お役所の担当に仕方がないと言わせる」のではなく、こちらの事情や条件を整理し、協議の上、役所内の会議で決定されます。
 合法的な解決方法を探ってみてください。
 コメンテーター 
古賀 保彦 コメンテーターの古賀です。

法を逆手にとった運用方法は色々あるようですが、将来の事を考慮されるのであれば正面突破の方法を採用されるのが賢明だと思います。
今すぐ入手の必要がなければ、将来も憂い無く合法的に建替えが可能な物件が売り出されるのを待った方が良いでしょう。高い買い物ですから慎重にお考え下さい。
 事務局から 
  荻原 幸雄 本来、これらは長年その土地に住み、その方達の生活居住権は最低限確保してあげようというものです。
不動産屋さんの行政の隙間をついたやり方は時代遅れのもので、そのような抜け道を塞ごうと法改正も視野に入れています。

後々使い物にならない可能性があるのですから、そのリスクを承知して自己責任のもとお考えください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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