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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0657 隣地境界の擁壁について

 相談概要 [氏名] M.K
[相談内容:] 近隣のトラブル
[居住住所] 熊本県玉名市
[相談建物所在地] 熊本県玉名市
[職業] 会社員
[年齢] 41
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[築何年ですか?] 築 1年以内
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 150
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 2850
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。
[お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下
[打ち合わせ何回] 10回以下
[床面積] 150m2以下
[施工者名] YJ(有)
[販売会社名] YJ(有)
[設計者名] C.Y
[監理者名] 0.Y
 相談内容 北側隣地との境界の土留め壁および現境界ブロックに関して、トラブル発生し困っております。隣地が連絡なしに60cm盛り土して土留めのやりかたでもめております。説明が長くなり恐縮です。

敷地を説明いたします。簡単に地図上の位置関係を説明すると、漢字の田の字型の畑の上2つの四角が北側隣地、右下四角は私の敷地、左下四角が西隣の私とほぼ同じ時期に土地購入・新築された方の敷地になります。私の敷地は南道路に面する東西約18m、南北約16mのほぼ長方形です。この敷地に新築したのですが、以前は北側と西側の隣地と共に、同じ高さの畑でした。
西側の隣地の北側の隣地との境界線は私の敷地の北側境界線と同じラインです。
北側の隣地は、私の敷地と西隣の敷地に接しており、東西約36m、南北約22mの長方形です。田の字の下2つの四角は新築時に宅地に地目変更済ですが、北側隣地は耕作されてませんが、登記上畑のままです。
また、私の敷地と北側隣地の東側は土手になっており、約1m低い畑と接しておりました。私はこの東側境界には約1年半前の土地購入時にL字のコンクリート擁壁を土留めとして埋設しました。北側隣地の東側は土手のままです。

さて、北側隣地との境界に関する経緯を説明します。
まず、約1年前の新築時に合意の上で北側隣地との境界ブロック(10cm厚)を境界を中心線として2段設置しました。東北の角は北側隣地が土手のため、土砂が下の畑に流れ込むのを防ぐ土留めをする必要があったため、東端から2mぐらいは、北側境界ブロックと同じラインで土留めのブロックを地中のL字擁壁の基礎より立ち上げました。

この境界ブロック設置の時、北側隣地地主は、境界より内側にブロックを積むことを主張していたが、私はお互いのことなので中央にすることを提案してました。
境界ブロックおよびフェンスの費用を全額私が支払うつもりであることを伝えると、境界中心線にブロックを設置することに合意しました。ブロックは地表より10cm程露出しております。フェンスは未だ施工していない状態です。

約4ヶ月前に敷地南側道路(市道)の舗装工事の際に掘った土砂を何の連絡もなしに北側隣地地主は、土盛りを指示し、北側隣地全体に約60cmの盛り土をしてしまった。盛り土は、私の敷地ぎりぎりまできており、雨が強くふると土砂や水が境界ブロックを超えて流れ込みそうな状態です。

西隣の方とこの北側地主に土留めをお願いしたところ、最初は断ってましたが、約2週間後、土留めをする用意があるとの申し出がありました。
西隣の方は境界ブロック・フェンスはこれからだったので、お互い境界の内側にそれぞれL字の土留め(北側)、および、ブロック・フェンス(南側)をすることで合意されました。
私のほうは中央に境界ブロックがあるため、土留めのやりかたで合意できておりません。

[業者の見解]
北側隣地地主の土留めの工法として下記の提案を受けております。
(1)既存のブロックに半分かけてブロックにより土留めをし、数mおきに引っ張りの補強をする。(ブロックの幅不明)
(2)私のほうで既存の境界ブロックをはずしたら境界内側にL字の土留めを入れてもよい。

[相談内容]
上記(1)の土留めの工法に関して、外構メーカー2社の専門家に強度・安全性を確認したところ、いづれも加重が既存の境界ブロックにかかるため、強度上問題であり、
(A)土留め用ブロック(15cm厚)を境界ブロック外側面に垂直に立ち上げるか、
(B) 既存境界ブロックをはずしてしっかりとしたL字土留めを基礎から埋設必要がある
との見解でした。

そこで(1)の工法は強度不足のため、既存ブロックにかけずに土留めをしっかりして欲しい旨、伝えると、「素人考えだが(1)の方法で問題ないはず、崩れてきたら、責任を持って対応する。」といって聞く耳ありません。以前に合意した内容にもかかわらず、西隣のの北側の境界ラインと私の敷地との境界ラインが一直線にならないのは、私のせいだ。
土地を売るときに変な形になって困ると言い出します。そもそも盛り土をしなければ、境界に私の負担でブロック・フェンスをしていたので、北側地主にもメリットがあったはずなのにです。

(1)の場合、5cm幅しか残らないのでフェンスをつくれないので困ることも伝えましたが、知ったことではないとの態度です。150m程離れた近所なので必要以上の混乱はできるだけ避けたいとも思いますが、土留めによってフェンスする時に高くするブロック4段分で約8万円の追加費用が必要になりこちらも迷惑をこうむっており、変な吹聴をやめさせ、納得してもらい(A)の方法で土留めすることを要求できないものかと思ってます。法律上、また、実際上どのような解決策があるのかアドバイスいただけないでしょうか?(納得させるための譲歩案として、境界ブロック幅半分5cm幅の土地を購入することも考えておりますが、登記代十数万円が必要です。隣地が勝手にやった盛り土がなければ、必要でなかった費用20万強かかるのにどうも納得がいかないのも正直なところです。)

上記(2)の場合、土留めとしての強度上ベストと思いますが、北東側土留めブロックをはずした後、北側地主が東側畑に対しどう土留めするか不明である点、新規に内側にブロック・フェンスをする場合、残スペースは5cmで境界ブロック近くの排水配管に問題ないかの確認および境界ブロックに接するコンクリートを精度よく崩し、境界内側にブロックが施工可能かの確認が必要である点、および、再工事費等(20万〜25万?)がかかる点が私にとっての問題点です。

長文になり申し訳ありませんが、北側隣地地主の方がそれなりに納得され、私の負担も最小限で梅雨に時期の前までには安全な土留めをして頂くよい方法がないかと頭悩ましております。
アドバイスの程、よろしくお願いいたします。
 yorozuの感想 法律上および専門的な見地ではどうなのか、過去の事例がどうなのか全く素人ではわかりません。また、身近にこのような問題を相談できる専門家を探す事も難しいのも事実です。こんな状況の中では、このHPは暗闇の中で光明をみつけた気持ちです。大変ありがたく、心強いHPです。どうかアドバイスの程、よろしくお願いいたします。
アドバイザー 
山口 雅克 解説員の山口です。

 この様な子細部分のある相談は現地を見てからのアドバイスが適格だと思いますが推測の付く範囲で解説いたします。
 (1)に関してはやってはいけません。引っ張ったとしても、それが切れない保証もありませんし、土木的な土留めの知識のある人が行う方法ではありません。(A)(B)の方法を採用するのが順当です。

 宅地内の水はその敷地内で処理し、隣地へ流す事はできませんので高い方は排水溝などの設備をして隣地へ水が流れ込まないようにする義務があります。
 (2)の方法は問題が無いと考えますが、費用の一部は負担してくれるよう相談してもいいのではと思います。
 コメンテーター 
古賀 保彦 コメンテーターの古賀です。

北東側のブロックを撤去する際、建物が近くに迫っている場合は基礎への影響が心配されます。(杭基礎であれば良いのですが・・・。)素人判断で大事に至るといけませんので、外構メーカーなり専門家を交えてお話し合いされる事をお勧めします。
 事務局から 
  荻原 幸雄 既存のブロックに新設のブロックをずらして載せるのは構造的根拠がありませんが、それを感情で北側地主は納得しないようですので、理論でせめても難しいと考えます。
弁護士を入れてするような規模でもないので、ここはブロック撤去は自費で持ち、擁壁を構築してもらうことが最善だと思います。
現実はブロックの半分の敷地は使えないのですが、ブロックを自費で撤去して ブロック半分は敷地として有効利用できる費用と考えてみては如何でしょうか?

購入も考えているようですが、このような状況で北側地主は売りません。
冷静に対応してみてください。
簡単ですが、ご参考にしてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 荻原様並びに解説委員、コメンテイターの皆様には、長文の問い合わせにもかかわらず、アドバイス頂きたいへんありがとうございました。本日、北側地主と話し合いを行いましたが、ブロックを外さない限りブロック半分に掛ける工法を取ることを曲げませんし、境界中央にブロックを設置したのは間違いで私のせいだという主張は変わりません。境界ブロックについて勝手にやったわけでなく、先方にメリットがあるためこちらの提案を「考えていただけませんか?」との表現で申し入れ、合意したにもかかわらずです。恐らく、責任の一端があると譲歩を求められ損することを阻止したいためでしょう。ここまで行動に責任を取らない人に接するのは初めてでした。

北側地主の土木業者も工法に問題なしと主張しており意見が真っ向から対立し難航しましたが、アドバイスいただいたようにブロック半分に掛ける工法は安全性に問題があるため、何とか阻止しました。その代償として、また、フェンスをするスペースを確保するため、高額な登記費用がかかりますが、ブロック半分分を購入する旨申し入れ、先方が検討している段階です。(土地代約4.5万円+文筆・登記費用23万円)
先方は、合意した内容を先方は反故にし、びた一文損しない提案なので、合意の余地がありそうです。この地主は近辺の土地を所有し親戚もかなり住んでおり、まずは、最低限の安全性を確保することを優先しました。

工法についてのアドバイスありがとうございました。最後の砦として死守しました。
当方としては納得のいかない結末ですが、今年は厄年なので”厄払い”として割り切ろうと思います。
 その後  
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