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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0648 マンションの音の問題

 相談概要 [氏名] Y.M
[相談内容] 分譲マンションの瑕疵
[居住住所] 千葉県船橋市
[相談建物所在地] 千葉県船橋市
[職業] 会社員
[年齢] 36
[男性] on
[構造] 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)
[築何年ですか?] 竣工後半年以内
[何階建て] 6
[お住まいの階] 3
[延べ面積m2] 85
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 3290
[様態] 分譲マンション
[施工者] 建設会社
[マンションの総戸数] 50戸以下
[施工者名] M組
[販売会社名] R.C
[設計者名] J.P
[監理者名] J.P
 相談内容 当該マンションは6F建ですが、よくある階段構造(近隣の日照の関係で)になっており、角部屋は、最上階が4Fで、我が家は、その3Fに居住。上階の騒音。具体的には、

@ペット騒音(床・建具等に対する衝撃音・鳴き声)
A家具・建具の振動・衝撃音
Bスリッパによる歩行音
C床に対する衝撃音(カンカン・コンコン・ガサガサ等の音)
D共有部外部廊下の歩行音
E洗濯機の振動音
FTV音
G人の話声
特に上記@ABCDについては、耳元で直接響く位の衝撃音です。

パンフレットには、フローリング床材LL40、LH50、床スラブ20cm で高い遮音性を実現しています旨の表記ですが、実態は、LL60、LH60、程度の状態です。
近隣に聴いたところ、音については、我が家ほどではないようですが、信じられないほど粗雑な(内装)施行により不備多発、不安を訴えているという状況。※新築(H13/12)間もない為、管理組合は未だ組成されていない。

[業者の見解]
販売会社に申立てしたところ、直接、訪問して、状況を聴きたいとのこと。
自宅にて、販売会社(建築管理課)1名、施行会社2名、マンション管理会社(販売会社子会社)1名と状況説明及び話し合いを持ちました。
彼らが、言うには、LL、LH はそのような規格の建材を使って、施行しているだけで、できあがった物に対して、その遮音性を保証しているものではない。
構造体には、全く問題無い。

仮に、遮音工事をするにしても、下階からでは、ほとんど効果が期待できない。
その時、実際に、TVの音、人の話声、外部廊下の歩行音を聴きましたが、それに対し、「聞こえますねー。しょうがないですねー。」とのコメント。
あとは、住民のモラルとして解決して下さい旨の発言。
何ら解決策が見出せない為、後日、当該物件の販売責任者と話し合い実施。
結果、社内で協議し回答するので、その間、上階住民にも状況を説明して下さいとのこと。

[相談内容]
上記のような騒音で、よく眠れない毎日で、夫婦共々、肉体的にも、精神的にもかなり衰弱してきています。
内の家内などは、静かな時でさえ、またいつあの音が響いてくると思うと恐怖で、震えることもあります。
このような状況ですから、早期に改善したいというのが我々の思いです。
とりあえず、暫定措置ですが、上階住民に状況を説明し、下階に配慮するようお願いしました。

その場では、心当たりが無いとの発言でしたが、実態を聴いて驚き、夜間は、以前よりは、少し良くなりました。
しかしながら、根幹は、やはり構造体(設計・施行)に問題あると確信してやみません。
今後、販売会社と交渉していく上で、下記の点、認められるべき要求なのか、アドバイス願います。

我々の要求
・構造体の瑕疵担保責任により、LL40、LH50相当の遮音性を確保する為の対策を講じること。
・上記の実現ができない場合、売買契約の解除に応じること。

遮音工事をする場合
・下階からの工事で、充分な遮音性を確保できない場合、販売会社及び施行会社は、構造体の瑕疵を前提に上階床にも 対策を講じること。
 yorozuの感想 大変、すばらしいHPだと思います。
私も、辛い毎日を送って送っておりましたので、こちらのHPを見つけたときには、嬉しくて涙が出てきたほどです。
建築業界も新しい法・制度により少しずつ光が見えつつありますが、業界の悪しき慣行は、依然払拭されておらず、泣き寝入りしている人、最初から諦めてしまう人がほとんど。私もその一人になってしまうのかなと不安です。
家は、我々にとって特別な商品です。
これからも、消費者・弱者の見方としてサポートして下さい。
アドバイザー 
関口 啓介 解説委員の関口と申します。

軽量衝撃音LH40、重量衝撃音LL50ともに、性能を満たしていないとの事ですね。
測定されたわけでもなく、実際に体感したわけではありませんので、わかりませんが、そうだと仮定してお話させて頂きます。

スラブ200ミリでありますと、梁の区画面積や、貫通部、開口部に問題があるのかもしれません。施工が規定の性能を満たす設計に基づいて、しっかりと行われているか、ご確認頂く必要があります。
また、床を伝わる衝撃音だけでなく、空気を伝わる伝播音が聞こえているのも気になります。やはり、貫通部や、開口部の設計・施工に性能を妨げる問題がないか、確認が必要です。

「性能を有する建材を使っているだけ」の説明は、技術者としては恥ずかしい話であります。「宣伝うたい文句だけ」ですと言うのと、大して変わらないように、聞こえます。
管理組合を立ち上げ、住民相互の暮らしをみんなで守る運動が進められれば、解決も早いのかもしれません。
古賀 保彦 埼玉の古賀です。

コンクリート構造では床の厚みだけでなく、梁や小梁に囲まれた部分の床面積で振動が差配されますし、造作工事上の配慮が不足している事も原因ではないかと思います。床のフローリングは直張りですか?直張りの場合は浮床よりも問題が発生しやすいです。また、天井がコンクリートにビニールクロスの直仕上げとなっていたり、戸境壁に石膏ボードをGL工法で張っている場合は音が伝わりやすくなります。また、建具枠の固定方法によっても開閉音が響く場合がありますし、サッシの遮音性能によって音が伝わってくる事もあります。

いずれも設計、施工段階での配慮が必要になりますが、一般のお客様が販売時点でそれを知るのは難しい事です。
LL、LHの性能を保証した販売でなければ契約解除は困難だと思いますが、それを錯誤させる売り方であったなら要望としてブツけていく他ないでしょう。
日本建築学会などの遮音性能基準や設計指針に床・室間性能等級がでています。ただし、供給者に守る義務があるわけではないので参考に扱うしかありませんが、現地測定と合わせて現状のレベル判定には使える資料だと思います。
 コメンテーター 
三浦 惠翁 騒音の問題は個人差が大きく一概に欠陥だと決め付けられませんが、構造体に欠陥ありと確信しているのでしたら管理組合を通して住民全体の意思として販売業者と交渉されることです。また住民集会の中で生活モラルについても話し合い隣人との摩擦は避けたいものです。
 事務局から 
  荻原 幸雄 人の話声とは廊下からですか?他の住戸から聞こえますか?
廊下からだとどこにいて聞こえますか?

もし、他の住戸から聞こえるとすると貫通部がモルタルでふさがれていない可能性も考えられますね。一度、音が気になり業者の対応が不誠実だと、精神的にも全ての音が気になりだします。
音とはそのように人に影響を与えますので、共有部分で問題の可能性がある場合は管理組合が対応すべきことですが、一度管理組合が結成するまで待ち、そこで、調べてみるように依頼することが肝要です。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 関口様、古賀様、三浦様、そして荻原様
この度は、ご丁寧に、回答いただき、誠に有難うございます。
あらためまして御礼申し上げます。
 その後  
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