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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0644 マンションの雨漏り等

 相談概要 [氏名] H.S
[相談内容] 建売住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 神奈川県相模原市
[職業] 会社員
[年齢] 49
[男性] on
[構造] 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)
[築何年ですか?] 竣工後半年以内
[何階建て] 6
[延べ面積m2] 2239
[工事請負金額] 2830
[様態] 分譲マンション
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。
[お手持ちの図面は何枚?] 2枚
[打ち合わせ何回] 打合していない。
[施工者名] S建設
[販売会社名] Sハウジング
[設計者名] 株式会社U設計工房
 相談内容 [現象]
  雨漏り、他で困っています。

  新築マンションを昨年8月購入、入居後半年になります。マンションはガーデンバルコニー付を含む30戸以下の小規模な物です。入居当初から、ガーデンバルコニーから数カ所(下のお宅、共用部分)の雨漏りが発生しております。 明確な原因が見つからないまま、補修工事を行い、いくつかは止まりましたが、今だ雨漏りは発生しております。

 また、強風を伴う雨のあと、数階の廊下部分及び各戸のポーチ部分に雨水がたまり、モップ等で掃出す始末です。また、外壁にもエフロが流れた跡がかなりあります。雨漏り以外でも、地下駐車場壁に鉄骨が露出していたり、木枠の破片が壁内部に残っていたり等々発見されております。内部が確認できない柱、梁の強度が非常に心配です。(写真は別途メールに添付で送ります)

 [業者の見解]
  売主、設計、施工、管理会社を同席して、不具合部分のチェック及び対策会議を実施しましたが、売主、設計、施工、管理会社が同族で、対応が非常に遅い状態です。

 [相談内容]
  やっとですが、管理組合も第三者機関による検査の必要性を感じています。個人的には「瑕疵」だと思っています。

  今後、管理組合が中心になり、第三者機関による検査を実施するに当たり、経費を売主に負担させることは可能でしょうか。また、検査結果、その対応によっては、不測の事態にもなりかねないと思います。本件、どの様な機関にご相談し、検査を実施し進めて行けば良いのか、アドバイスをよろしくお願いいたします。



 yorozuの感想 相談、回答の内容が非常に役に立った。
アドバイザー 
古賀 保彦  埼玉の古賀です。

  欠陥住宅の被害からの救済を支援する会や事務所は各地にあります。インターネットでの検索もできますし、書籍も発行されていますので業務内容を良く理解された上で依頼されると良いでしょう。
 また、「よろず相談」でも調査を行っています。

  雨漏りは原因を特定するのが厄介です。防水と壁との取り合いや笠木周り、各部位のシーリング、シート防水であれば重なり部分などを目視で検査し、怪しい所を潰していく方法が一般的だと思いますが、それでも原因が分からない場合は漏水箇所から煙を使った検査方法があります。

  廊下やポーチの雨水溜りは床の不陸・勾配が不良なためでしょうから比較的手直ししやすい部分です。

  エフロはタイル裏や躯体のクラックなどから水が浸透しているのが原因かと思われます。タイル浮きやクラック調査を行った上で注入・撥水処理が必要でしょう。上階のサッシ廻りからの雨水浸入など離れた場所が原因となる事があります。

  躯体の鉄筋?露出は防錆処置とコンクリートかぶりの確保が必要なのは言うまでもありません。木破片などの混入状況がどの程度なのか分かりませんが、まずは、機械室や管理室など生活に支障が少ない箇所で内装を撤去し、躯体状況を確認してみるのも方法かと思います。

  検査費用負担については、検査結果によっては施工者に負担いただく事も可能だとは思いますが、施工者との話し合いはもちろん訴訟が必要な場合も出てくるでしょう。また、「不測の事態」になった場合どうするのか、資産価値の問題や売却時の重要事項への瑕疵記載など所有者に跳ね返る問題がありますので、組合の総意としての方向付けが大切です。
 コメンテーター 
畔上 廣司 コメンテーターの畔上です。

  先ず、2枚の写真だけでは全体の断定はできません。
 第一に、雨漏りは立派な瑕疵と言えます。
 第二に、エフロレッセンスはコンクリート中、又はモルタルなど下地のアルカリにより析出した白色の固形物ですが、膨れやひび割れ、浮き等、どの様な影響によって発現しているか、ある程度の原因究明、又、修補は可能です。
 第三に、鉄筋の露出は、明らかにコンクリートかぶり不足のようです。
 
  なお、販売者〜設計・監理者〜施工〜管理会社が同族というミニデベから購入した条件、そして、入居後6ヶ月で雨漏り、鉄筋の露出、エフロ発現等、の不具合に遭遇したことは、居住者にとって極めて難しい問題に遭遇しているようですね。たらい回しで折衝の長引くことを危惧いたします。 

 「管理組合が中心になり、第三者機関による検査を実施するに当たり、経費を売主に負担させることは可能でしょうか」
 このことは可能と申し上げておきましょうか。管理組合も第三者機関による調査の必要性を感じているわけであり、早急な対策対応の必要性も併せて考えていることでしょう。全員で対処して行けるよう頑張って下さい。

 調査経験上のアドバイスを一つ。

折衝にあたって一番重要なことは、先方に補修、修繕の気持ちを起こさせることです。気持ちよく修繕して頂く方向に協議を進めて行くことが肝要です。そうして、是をなし得る調査機関、又は、中立的立場で事実を直視究明したうえ、消費者と業者の間に入って、早期修補の方向付けができる機関が最良且つ、適任であるような気がいたします。

 先方と対立することは簡単ですが、費用負担が大きくなり、あげく、解決に要する時間が長期化し、まとまる可能性が少なくなります。却って、相当な費用負担をある程度予測し、対処した場合の方が、割合と解決への糸口が早く見つかるものと考え下さい。訴訟問題に発展する以前の心構えが大事です。
 事務局から 
  荻原 幸雄 小規模マンションの場合、一般的には大規模マンションより販売業者は対応が悪いケースが多いようです。また、マンションは瑕疵がある場合、管理会社も販売会社の系列の関係が多く、また、設計事務所も下請けか同属なので第三者的に思考するすべは持ちえません。

ご相談の小規模マンションの場合は購入時が特に大切です。
年月が経つと賃貸化し、購入者が離れて暮らすことも多くなり、問題解決の妨げにもなる場合があります。早急に第三者の建築士にご依頼してみてください。

「建築よろず相談」でも第三者機関としてマンションの調査を受けております。この場合、2〜3名の建築士で対応しています。ここで大切なことは、調査する建築士はただの建築士業務だけの範囲では無理で、誠実に管理組合と話し合い、売主、設計、施工、管理会社と管理組合と共に交渉する能力が求められます。

管理組合でよく話し合い。第三者機関を入れることをお勧めいたします。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 古賀様、畔上様、おぎはら様、アドバイス、有難うございました。

皆様の助言にあります様に、管理組合が中心になり先方が気持ちよく修繕してくれる様に協議を進めて行きます。
その中で、第三者機関による検査を実施したいと思います。
また、調査実施の際、お世話になることもあるかと思いますが、その際はまた、よろしくお願いいたします。
先ずはお礼まで。
 その後  
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