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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

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No.0638 トップライトについて

 相談概要 [氏名] N.H.
[居住住所] 川崎市幸区
[相談建物予定地] 横浜市金沢区
[職業] 公務員
[年齢] 45
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[設計者はどなたに依頼しますか?] ハウスメーカーの建築士
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 60
[工事請負金額] 3600
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] ハウスメーカー
[お名前] Sツーバイフォー
 相談内容 2世帯住宅の建築を考えているものですが,2階の中央の廊下の突き当たり付近北側に昼間でも暗いため建築士の薦めでトップライトの設置(密閉型)を検討していますが,以前競合させていた会社の設計担当に「夏あつい」「防水性に問題がある」など言われていたことが気になり,採用するか否かを悩んでおります。

トップライトがない場合は,廊下が昼間から真っ暗で,蛍光灯などの電灯の設置を余儀なくされることとなります。
居室上部からの採光の提案もあったのですが,夜の廊下の蛍光灯などの点灯により,睡眠が妨げられるなどの心配があり,自然光での採光の方法は現在のところトップライトでしか考えられません。
本当に大変困っています。

また,「2×4は結露しやすくカビが発生し易い」と考え高気密施工(24時間換気とも)をやめ通常の施工としましたが,現在も悩んでおり,契約前なので工法の選定から見直すことも必要かと考えている次第です。

そこで,問題点,設置にあたっての注意事項,など事実をご教示願いたい。
 yorozuの感想 素人の疑問はプロの方が考えもつかないところで悩んでいま す。そこで本当の事実がその相談の結果で分かるので大変に参考になします。これからも続けていただける様に切に希望いたします。
アドバイザー 
小松原 敬 相談員の小松原です。

 既成品のトップライトでしたら防水は大丈夫でしょう。結露が心配な場合はペアガラスの製品を選んでください。(施工が不十分な場合はそれ以前の問題です)

 トップライトは南向きにの屋根に設置すると確かに暑いです。
 北向きの屋根がベストです。南側でも、遮熱ガラス(熱線反射ガラス)にもできるので、そういうガラスを使ったりロールスクリーンなどの遮蔽を設ければある程度しのげます。

 2×4が結露しやすいという事はありません。どんな工法でもきっちり施工すれば大丈夫です。結露は、冬に暖かく湿った空気が冷たい面にあたると生じます。躯体内に室内の空気が侵入しないようにビニールでぴっちり覆います。

 もし、こういった設計を納得するまで考えたいならば設計事務所に依頼する事をお奨めします。
山口 雅克 解説員の山口です。

 何ごともですが、絶対を求め過ぎると何もできなくなってしまいますよね。事故があってはなりませんが丁寧にすれば通常の使い勝手では問題は起こりません。家づくりもそうです。私も敷地や近隣などの都合でトップライトを使う事がありますが、機能などを理解して使い分けをして、上手に設計すると費用対効果はグッと上がります。

設計者とよく打合せをされて採用されたらいいと思います。私が採用する時に特に気をつける点は、夏場の直射日光が天井より下に射さない、木製サッシでペアガラスを使う、場所によっては開閉機能を持たせるなどです。結果として屋根の北面に設置するのを前提にしています。

 高気密施工(24時間換気)は賛否両論ですが割と温暖な地域では不要だとの考えを持っています。が、適格な設計と施工(管理と監理)ができていれば問題はないでしょう。
 清水 煬二 解説員の清水です。

 ご質問のトップライトですが、
北側で、暗い突き当たりの廊下であれば、トップライトは通常は一番問題のなさそうな部分で、お勧めしても良い部分ではないでしょうか。
 暑さの対策はこの程度ならその気になれば可能です。逆に冬に暖かいというメリットもありますし。

 雨仕舞いの点は取り合いの屋根や位置関係が難しければ別ですが、工事が正しくなされれば、問題はありません。
 以前、トラブルがあってその設計担当の方が失敗した苦い経験があったのでしょう。

 24時間換気は問題がないとは言えませんが、2×4工法なら、私はお勧めします。
 北米には煙突付きが多く、換気が自然になされていますが、現在の日本の2×4工法は、高気密住宅の施工にしなくても、実際には高気密住宅なのです。
 シックハウスの問題、新築時の湿気の問題、結露を抑え家の耐久性を向上させるためにも、欠点より利点が上回ると私は思います。 
 コメンテーター 
善養寺 幸子 コメンテーターの善養寺です。

 トップライトの実績から、一言。数件やっていますが、工事中に取付ミスの雨漏り一件。(直して完了、その後問題なし)その他雨漏りなし。(既製品使用)
 屋根面ですと北側に設けても日射は入ります。(南よりましですが)傾斜屋根用でしたら外部スクリーン付きの物もあります。ペアガラス+もう一枚のトリプル構造の物もあります。
 多少の熱を受け入れても明るさをとるか、暗くても断熱する事をとるかは個々の価値観の問題です。一長一短です。
 個人的にはわが家では、明るさと換気(開閉する物)の方を選択しましたが。

 2×4工法の結露の問題ですが、特別これが結露しやすいのではなく、断熱材の「外部」側に合板などで覆い気密が高い部分(気密層)があると結露しやすくなってしまうのです。ですから、合板を張らずには作れない2×4なら尚のこと気密工事(断熱材の室内側に気密層をつくる)を行うべきではないでしょうか。
 外断熱にするという手もあります。
 2×4に限らず、高断熱したら気密層(高気密)をつくるのが必然と、私は思っています。

 24時間換気ですが、ハウスメーカーの住宅は低ホルム対応と言いながら、なかなか良い数字が出せないのが現状です。シックハウス対策としても効果があると思います。新築当初は換気回数を多めに設定するのが良いでしょう。
 最近の建物は、気密を意識しなくても気密が高い傾向にあります。(好ましくない位置に気密層が出来ている。)そのことを理解の上、色々検討してみて下さい。
 事務局から 
  荻原 幸雄 既製品のトップライトならそれほどの技術力無く設置できますので、特に心配はいりません。
オーダーとなるとそれなりの設計力と施工力が必要です。
既製品でのトップライトは製品的には問題ないのですが、施工者の能力、職人の能力にかかっています。既製品での雨漏りはほとんどが施工不良です。ご心配なら施工する監督や監理者に「トップライトの雨漏りが心配なので、特に入念に施工をお願いします」と注意を喚起しておけば意識がそこに行きますので、施工不良の可能性は低減できると思います。

高気密はまだ温暖地域の建築業界は10年も経験していないもので、大丈夫というレベルまでいっていないと考えています。また、職人の教育も遅れています。途上での見えないリスクが存在する可能性があるということを理解して採用をご検討ください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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