相談概要 | [氏名] H.Y [相談内容:] その他 [居住住所] 長崎県佐世保市 [相談建物所在地] 福岡県東区 [職業] 外科医 [年齢] 38 [男性] on [構造] 木造(2X4工法) [築何年ですか?] 工事中 [何階建て] 2 [延べ面積m2] 145 [延べ面積坪] [工事請負金額] 3800 [様態] 注文建築 [施工者] ハウスメーカー [設計者を選んだのは] 自分で選んだ。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。 [確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [お手持ちの図面は何枚?] 25枚以下 [打ち合わせ何回] 15回以下 [床面積] 150m2以下 [施工者名] Mホーム [販売会社名] Mホーム [設計者名] I [監理者名] I |
相談内容 | [現象] 長い文章ですみません。また明らかに目に見えない部分のことなのでこのコーナーに投稿しました。 H13年の7月に中古住宅(某有名不動産会社)を買い、それを取り壊し10月から某大手ツーバイフォーメーカーで建築中で、現在上棟が終わりました。福岡県東区の海岸近くの傾斜地です。 非常に高い擁壁(最高で4.7mぐらい)が土地の北西側と北東側にあり、この土地を買うにあったってこの擁壁の安全性が気になり、不動産会社を通じ売り主に、このように高さのあるものは当然法での書類等が必要なわけで、そのような書類や設計図の提出を求めました。しかし売り主は無くしたとの返事でしたので実際の擁壁の施行会社へ不動産会社が聞きにいき、契約書へもその擁壁をどのように造ったかとの説明がなされています。 建築メーカーも昨年10月の着工時確認記録で現況の擁壁は構造上安全と記載していました。(この時点で私としては不動産会社もメーカーもこの擁壁の安全性や法的な裏付けをとっているものと思ってました。) しかし1/21に現場で外構の点で確認しているときに、メーカーの方が現況の擁壁について気になることがあるといわれました。 それは現況の擁壁の作り方が既存のブロック塀に鉄筋を入れコンクリートを流し込んだものだろうとのことです(つまり既存ブロック塀は残したまま現況の擁壁のようにやや角度を垂直近く立て、流し込んだコンクリートの厚みが擁壁の下に行くほど薄くなっていくような作り方)が、確かにこの土地を購入するに当たりその点は不動産会社から聞いてました。 その時同席していた私の叔父(一級建築士で上棟後より現場監理を依頼していた)がこの擁壁の構造に疑問を持ち、つまり通常のL字の作り方ではなくtop heavyとなったいい加減な作り方だと叔父は言うので、1/22に実際に売り主がH9年に地盤改良と擁壁工事を発注した業者に確認にいきましたら、なんと2m以上の擁壁にもかかわらず法に基づく申請等は行っていないことが解りました。これは役所にも確認し裏付けが取れてます。つまりこの擁壁は法の基準には則らずに造られた違法ものなのです。 加えて叔父いわく、この擁壁の構造では一般に安全性の確認はできないとのことです。 メーカーは地盤調査はして軟弱とし杭基礎にしていますが擁壁まで目がいかなかったようです。 しかも杭を打っているものだから現況のままでの擁壁の補強は難しいのではとも叔父がいいます。 さらに通常L字の擁壁を造るには今のできあがっている構造体を撤去して一からやり直す必要があるともいいます。建物と擁壁間は1mたらずしかありません。擁壁に水抜き穴はたくさんありますが幾つかしか機能してないようです。また北西側の擁壁には下の方でわずかなクラックが横方向に延びてますがコンクリートの収縮によるものかどうかはわかりません。この北西側の擁壁の下は空き地です。北東側の擁壁の下は道路です。 [業者の見解] 先日不動産会社にきいたところ、この擁壁の法的な裏付けは確認してないとのことでしたが、何となく違法な感じはしていたといわれました。契約時はこの擁壁の設計図面がないということで違法じゃないかなと言う意図があったとも言います。でも売り主にははっきりそのことを尋ねなかったそうですし役所へも確認にはいってないとのことですし買い主への説明もありませんでした。 今住宅メーカーには現況の擁壁が安全であると言ったその根拠を求めてますがなかなか返事が来ません。 [相談内容] 安全が確認されない場合には現況のまま合法的に補強する方法はあるのでしょうか。 それとも叔父が言うように一からやり直さなければならないのでしょうか。 住宅メーカーは設計審査の時にこの擁壁の安全性を確認せずにできたのでしょうか。 また売り主と不動産会社には瑕疵担保の責任を問えるのでしょうか。 不勉強が招いたこととはいえ釈然としないものがあります。 一から擁壁をするなんて費用も時間も今更どうしようもできません。しかしこのまま家が建ってもいつ擁壁が壊れるかとおびえて暮らすこともできません。どうか良きアドバイスをお願いします。 |
yorozuの感想 | 以前断熱気密のことで調査員の山口さんに相談し,そちらのほうはほぼ解決したばかりだったのですが・・・ 自分の夢をかなえるためには人任せにしてはいけないと言うことが身にしみて判りましたが代償が大きすぎます。始めにこのページ等を知ってればと後悔していますが、諦めずに前向きに頑張っていくつもりです。 |
アドバイザー | |
山口 雅克 | Yさん、解説員の山口です。 補強: まず、杭の材種と工法や長さ、擁壁の高さとの関係がわからないとアドバイスしにくいのですが。擁壁の構造もです。 1、現況の擁壁の露出部を補強してバックアンカー工法 (擁壁を反対側の地中から引っ張る)を行う。 これは実際的ではありません。とても金額がかかりますし、 アンカーすべき地盤が敷地内にないといけませんが、杭を打たなければ ならないようなところでは無理でしょう。 2、擁壁側の地中にセメントミルクを注入(擁壁の高さ+1m位で、 巾も同じ位の範囲・深さ5.7m巾5.7m)して 建物下の地面が崩壊しないようにする。できれば、杭の先端位から上を。 建物の杭の先端は擁壁の基礎よりも下なのでしょうか? 設計審査: この時は担当者が擁壁に関して尋ねることがあります。新設の場合は安全性の確認をしているかどうかで、それが高さ2mをこえる場合は別に確認申請をするように指導をします。既存の擁壁の場合は安全性が確認されているという前提で建築だけの審査をします。たまに、親切に、安全性の確認ができているのか?高さ2mをこえる場合は確認申請がされていて適正な工事がなされているか?を言ってくれる場合があります。 建築メーカーもまさかと思いながら着工時確認記録に安全と漠然に記載していたのでしょう。それほどの高さの擁壁から建物まで1mであれば、設計段階で、少し気がきく設計者でしたら、擁壁の基礎に建物の杭が当るのではないかと言う疑問を持ったかもしれません。現地を見ないで、机上で敷地図のみで建主とプランを計画していったものと思います。営業と設計担当者の打合せの流れの中でよくありがちな事かなと思いますが。 瑕疵の担保: 土地を誰の判断でどのように売買されたのか解りませんので、どなたに責任があるのかわかりません。経緯によりますので専門家の判断に委ねたいと思います。 相談と言うよりも、擁壁や建物の杭の構造に詳しい専門家に調査を依頼し、対策をたてる時期だと考えます。 |
コメンテーター | |
大内 彰 | コメンテーターの大内です。 山口さんが解説されているように、構造専門の設計事務所に相談して安全かどうか、対策はどのようにできるのかを教えて貰って下さい。(最寄の建築士会に問い合わせれば相談に乗ってくれると思います) |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 売主がどの程度擁壁の安全性を認識していたかどうか? 不動産会社がそれをどのように説明したかどうか? ハウスメーカーが申請に安全とした根拠は何か? と微妙な話ですので、責任の所存は差し控えます。 それにしてもメーカーの安全たる認識が欠如していることは間違いありません。 着工前に慎重に擁壁を調べるべきです。擁壁から1m程度のところにたてるのならSS等でL字擁壁ではないとわかると思います。(擁壁ぎりぎりにSSをしていますか? これをすればLでないなら直ぐわかります。擁壁が重力式で安全を確認できているのなら別ですが、ご相談の内容からすると違うように感じます。) 擁壁の補強はいろいろ考えられますが、隣地の空地や施工状況、及び建築建物の影響など、考慮しながら選択していく必要があります。 最悪は叔父様の建築士が考えている状況も考えられます。 結局は数々の関係者が「まあ、大丈夫だろう。」という根拠のない判断が大きな問題を孕んでしまったようです。再度、叔父様の建築士を間に交渉してみてください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 早速の回答ありがとうございます。 住宅メーカーからの当擁壁の安全性についての回答は 確認申請にあたり既存擁壁の検査済証、構造図等が現存せず安全性の立証が出来ないゆえ、既存の擁壁に荷重を加えない鋼管杭にて建物を支持する工法にて認可を受けた。 また、この件は説明済み、また、工事着手前、および1/29日現在、既存擁壁に、はらみ、構造上直ちに危険に陥る亀裂はない、というものでした。 いわゆる言った言わないの問題になりますが、全くそのような説明は受けてません。地盤調査の結果やや軟弱だから杭基礎が安全でしょうでした。メーカーは契約前から会社の方針でうち合わせ記録を詳細に取り、言った言わないの問題が出ないようにその写しを施主に全部あげてます。 見直してもそのような記載はどこにもありません。 また、書き漏れが多少あるにしてもこのような重要なことの説明を書き漏らすことはないはずですし、当然記録に残すべきです。 さらにメーカーとは土地の契約の前から営業の人に土地について相談していますし擁壁の書類等をもらいなさいとアドバイスしたのもメーカーです。 私たちからだけでなくメーカーも不動産会社に直接尋ねていたと不動産の人が行ってます。 さらに8初旬に不動産の契約書と重要事項説明の写しをメーカーにあげてますがその記録が打ち合わせ記録に残ってます。 また役所と相談した段階での擁壁をどのような断面図で行ったか、その断面図は聞き取り調査等現場の状況を反映したものかという質問に対しては、今回の建築確認申請においては、既存擁壁部分が崖条例に該当することが判明し、かつ検査済証がないということで、(財)福岡県K住宅センターとの間で建物の安全性を確保するための相談をしており、その結果として、杭工事の施行と擁壁に対するコメントを記載することで、認可となっております。したがって、確認申請上擁壁については審査の対象外であったため、擁壁の断面図は作成しておりません、との回答でした。 経過から確認申請以前にこの擁壁が問題だという認識はメーカーにあったと思いますし、おそらく法的に違法なものだという認識もあったと思います。 不動産の契約書を見れば擁壁の合法性を記載した部分はないわけで我々が擁壁のことに関し違法性を承知で土地購入しているのではないと言うことは判るはずです。(まあこれは想像の範囲なのですが・・・) 少なくとも確認申請の段階では法に引っ掛かる事は判ったわけで、メーカーの契約約款のなかにもメーカーが我々の家を建てるに当たり、非常に影響を与えそうな重要な事実が判明すればそれを我々に通達し協議する義務があると書いてます。全くこれを無視しなんとか建築確認申請許可を取り早く立てて代金をもらおうという意図があったとも取れる一連の行動、発言だと思います。もしこの時点でこの擁壁は違法で安全性が確認できないと言う知らせがあったならば我々は工事開始をstopし、まず不動産や売り主に瑕疵担保の責任を問い、不動産会社は明らかに重要事項の説明義務違反もあり、擁壁を合法的に変えその後に建築に取りかかったはずです。 このような機会すらメーカーによって奪われたとしか思えません。 既存擁壁の現場調査を出来る範囲でやり、少なくとも当擁壁が常識はずれの設計になっていることは簡単に判るはずですが、メーカーとしてはどのような現場調査を考えているのかという質問に対し、 現場調査の方法としては「X線」および金属探知器による調査があります。 X線は現実には不可能でしょう。 金属探知器は関知できないところもあり得ます。 状況確認の方法として、下部隣地に一部を借りて、擁壁の一部を掘り返したり、擁壁の一部をはつって調べる必要があります。 当社としては依頼があれば調査や断面図の作成可能であるが費用がかかります。 またあくまで推測の域を出ない部分であることご承知おきください。 費用は概算で、金属探知器方式で約15万円(14〜15m2)程度です、との返事です。 擁壁の調査もいきなりこのような難しい検査ではなく、擁壁の業者も判ってますから聞き取り調査や現場での十分な目視にてある程度この擁壁がでたらめなのかどうかは判ります。(少なくとも叔父はそれをし、また役所に確認し違法でかつ違反建築物だと断定できたそうです。) そのようなちょっとした努力さえしてないのです。しかもこの擁壁が変な作りだと言ったのはメーカーの設計課長からで、メーカーとしては事前に擁壁の危険性の意識があったようです。 とりあえず今メーカーには確認申請の時の書類一式を要求してます。 叔父が擁壁の施行業者(不動産会社が調べていました)に実際にどのような工事をしたかを尋ね、現況の隣の家のブロック塀の擁壁等を観察し擁壁の断面図を作成するそうです。それを持って確認申請した福岡県建築住宅センターへ再確認にいき、場合によっては市役所の建築課に相談することとしてます。 叔父自身はこのような擁壁の問題の専門家として仕事をしてましてかなり確実な意見だと思います。 私としては出来るだけ話し合いでお互いが歩み寄ることができればいいと思ってますが、問題は当擁壁が現実に違法な違反建築物であること、また擁壁の安全性を確認できないとすれば拙宅自身は杭基礎にて擁壁が壊れても傾くことはないのでしょうが(ただしこの点はメーカーに保証書を要求しなければならないのですが)、今後下の空き地に誰かが家を造るときに当擁壁が違法と判り役所などから擁壁の作り直しを言われないのか、またそのような要求がないにしても現実に擁壁が崩壊したときに下の方から賠償の問題が出てくるのではと言うことが心配です。もちろん下の方にご迷惑をかけてしまうことが一番心配です。 ある程度擁壁の構造がでたらめだと判っての相談ならばはたして認可が下りたのか、役所に相談すればどうだったのか、役所がNGとすれば民間で許可された確認申請にstopがでるのか、等々色々考えてしまいます。 おそらく今週中に叔父の一連の調査、調べが終わりますのでその結果を紹介していただいた弁護士さんや県の住宅紛争処理機関で有料の弁護士相談がありますのでそこに資料を全部そろえて今後の方針を決めたいと思います。 色々アドバイスありがとうございます。 今後も私のようにトラブルに巻き込まれている人々にとって良き指導をお願いします。 私も決して諦めずに納得するまでは妥協しません。 一生に一度あるかどうかのことですから努力は惜しまず自分の夢のために頑張ります。 |
その後 |
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