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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0621 マンションの浸水

 相談概要 [氏名] Y.H
[相談内容]  分譲マンションの瑕疵
[居住住所]  東京都渋谷区
[相談建物所在地]  東京都渋谷区
[職業] 会社員
[年齢] 37
[女性] on
[構造] わからない
[築何年ですか?] 築 4年以内
[何階建て] 地下1階地上8
[お住まいの階] 2
[延べ面積m2] 26
[工事請負金額] 2,800
[様態] 分譲マンション
[施工者] 建設会社
[お手持ちの図面は何枚?] 2枚
[打ち合わせ何回] 2回
[マンションの総戸数] 20戸以下
[施工者名] T工業
[販売会社名] N.I
[設計者名] Sデザイン(?)
 相談内容 [現象]
傾斜地に建設の地下1階エントランス(前面では1階)の下に給水ポンプ室(縦横高さ共に2m程度)があり、昨年10月10日の降雨によりポンプ室が浸水。給水ポンプ分電盤が使用不可となり、現在ポンプ会社からのリース(月10万円)により仮稼動。給水ポンプ自体も浸水により不具合あり。現状のままでは、水が上階に行かなくなってしまう可能性あり。排水ポンプも同室内に2基設置されているものの、交互運転設計により、正常に稼動していたかどうかは不明。調べたところ、2年前にも同様の事故があり、当時サービス期間中の為、管理組合に報告もなく、施工会社は、きちんとした改善策をとるでもなく、湧水槽から排水ポンプ側に穴を開け、給水分電盤の乾燥による修理(?)のみで対応していたらしい。

[業者の見解]
施工会社は、施工会社の調査では、雨水の浸水ではなく、湧水による浸水で自然災害、サービス期間終了後の事故の為、責任はなし。排水ポンプを同時運転に切替えた方が良いとの回答。(その設定にしたのは、設計・もしくは施工会社のはずなのに)販売会社は、施工会社と同意見との回答。(不動産部門がなくなった為、臨時責任者)

[相談内容]
傾斜地に建設という設計の段階で、湧水対策は必要であり、給水ポンプの設置場所・湧水層並びに排水ポンプの設置場所・設定に問題があったためこのような事故が発生したのではないのか、それについての責任はないのか?居住者(購入者)には、マンションの構造についての説明はほとんどされず、自室の図面のみ(間取り図程度のもの)しか渡さず、事故がおきてはじめて、給水ポンプの設置場所を知ることとなり、まさに寝耳に水の出来事。設計者も実はよく知りません。

アフターサービス期間中に同事故が発生し、それにきちんとした改善策をうち、きちんとした修理をしていないという観点で、サービス期間継続中として、修理・改善を施工会社に請求できないものでしょうか?施工会社も売主もなかなか話をしてくれません。誠意ある対応が全く見られません。購入者(管理組合)としては、どうすればよいのでしょうか。調査等をしてくれる第三者機関というのは、あるのでしょうか?どこに頼めばいいのでしょうか?
 yorozuの感想 困っている人たちが大勢いると思います。色々教えて下さい。
アドバイザー 
氏原 毅士 相談員の氏原です

この相談は100%業者の瑕疵でしょう。
リース料も払う必要はないと思います。言い逃れをする業者の顔が見たいと思います。
津村 泰夫 相談員の津村です

 地下にポンプや受水槽を設置して、メンテナンスの行き届いていないマンションが多いようです。事故があって初めて地下にあることを知る居住者が多いのもみんな共通ですね。

 マンションの診断調査を施工会社に依頼しても満足な調査結果が返ってくるはずがありません。第三者の機関または建築設計事務所に調査診断を依頼してください。そうすれば施工会社の責任が明らかになりますので、適切な改善設計を行い、そのとおり工事をさせることができるはずです。
 分譲会社や施工会社と交渉するときは居住者(管理組合員)が全員で対応することが大事だと思います。

 排水ポンプは能力を高くして交互運転の方が良いと思いますが、それよりなんとか地上に出せないか、直圧式ポンプに切り替えるなどの検討があります。(すでに直圧式かもしれませんが)

 第三者機関としては「よろず」に調査依頼をおすすめします!! 
 堀住 勝雄 相談員の堀住です。

湧水量に対応する能力の不足した排水ポンプ、というよりポンプの能力を超える湧水漏水がある施工を糾弾すべきです。入念な施工により湧水を抑え、それでも僅かに出る水をポンプで排水するのが本来ではないでしょうか。

一般に2台の排水ポンプの交互運転の場合は通常は交互に運転し、さらに水位が上昇した場合は2台同時運転になっているのではないかと思いますが、そうなっていないのでしょうか。
 お説のとおり瑕疵担保期間中の修繕が適正に為されていないための事故と思います。

現在建設会社は非常に厳しい経済状況に追い込まれている所が多く、担当者は解っていても会社としては費用の出所が無くて対処が出来ないのでは と推測します。 
 野呂田 洋 設備設計事務所相談員の野呂田です。

これまでの対応にも問題がありそうですが、今回の事故について云えば、前回に対策した排水ポンプ側への水抜き穴が機能しなかったことが最大の原因だと思います。
前回の対策時にこの水抜き穴のことについて住民(管理会社)に説明が無かったとすれば、間違いなく施工者及びデベロッパーの責任です。なぜ水抜き穴が機能しなかったのかが最大の争点になるでしょう。

以下今回の事故と直接の関係は無いと思いますが、排水ポンプが機能したかどうかについては、排水ポンプが動かず満水になったのであれば周囲の状況で(壁の汚れなど)で分かると思います。また動いたのに能力が足りなかったのであれば警報などが出るようになっているはずですので、どのような作動フローなっているのか施工者に確認してみてください。(交互運転という説明だったそうですが、1台の能力で足りない場合はもう1台も追っかけ運転するようになっている場合もあります)また当然ですが、今現在きちんと動くのかどうかも確認してください。(させてください)

メールでは詳しい状況が分からないのですが、専門家が現地で確認すれば状況はそれほど難題ではないように思います。 分かっていながら正確に説明しない施工者及びデベロッパーの誠意の無さに問題がありそうです。

2年間の瑕疵担保として扱えないのか?ということですが、2年前の事故と今回の事故が同様であれば当然瑕疵担保の範囲内として扱うべきでしょう。 
中川 雅実  中川です。
 

   降雨によりポンプ室が浸水
   分電盤が使用不可
   排水ポンプも同室内に2基設置
   湧水槽から排水ポンプ側に穴を開け

詳しい内容を再度お尋ねする必要がありますが、上記キーワードを正とするならば、降雨によりポンプ室が浸水したとき、分電盤に水がかかり使用不可になった。
ポンプ室には、排水ポンプが2基設置してあったが、湧水槽にはポンプが設置していない??ので壁の分電盤付近から漏水があり、ブレーカーが働き排水ポンプが稼働しなかった。
改善として、湧水槽と排水ポンプ(ピット)を接続した。

この問題は、排水ポンプの能力不足か?排水ポンプの作動の問題か調査する必要があるでしょう。
問題は受水槽室(浄水)で起きた漏水。衛生上の問題が何処にも触れられていませんが如何だったのでしょうか?  
 コメンテーター 
小松原 敬 コメンテーターの小松原です。

この問題に関しては多数の回答が寄せられました。
総じて、責任は業者側にあるとの見解です。
ただ、現象の原因調査・対応については専門知識をもったものの現地調査が必要です。
調査会社は設備設計を専門とする設計事務所などが良いと思います。
よろずにご依頼いただいても結構です。

それにより、業者へ誠意のある対応を要求することもできると思います。
責任がはっきりして、なおかつそれに業者が応じない場合は法律の問題になるでしょう。
 事務局から 
  荻原 幸雄 マンション問題の典型的な問題を含んだ相談例だと思います。
販売会社、施工者、そして管理会社これらが馴れ合いとなり、全く、購入者、住民の立場に立っていないことが明らかです。
サービス期間中を場当たり的に凌ぎ、本質的な問題点を隠し、また、報告もせず、有償とするとは。

このような対応の三社には購入者や住民の側に立つ第三者が必要です。
第三者と管理組合が協力し、この三者一体型システムに立ち向かうことをご提示いたします。

尚、当、「建築よろず相談ネットワーク」でも設備家・建築家・構造家及び瑕疵に強い弁護士もおりますのでご依頼があれば対応いたします。管理組合で協議してみてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 荻原様、氏原様、津村様、堀住様、野呂田様、中川様、小松原様

皆様有り難うございます。
 その後  
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