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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0608 風呂の水

 相談概要 [氏名] Y.K
[相談内容:] 賃貸マンション・アパートの瑕疵
[居住住所] 岡山県岡山市
[相談建物所在地] 岡山県岡山市
[職業] 会社員
[年齢] 30
[男性] on
[構造] 鉄骨造(ラーメン構造)
[築何年ですか?] 築 5年以内
[何階建て] 3
[延べ面積m2]
[延べ面積坪]
[工事請負金額]
[様態] 賃貸マンション
[施工者] 建設会社
 相談内容 [現象]
浴室(ユニットバス)で排水口に異物を詰まらせ、水を流したまま眠ってしまいました。その結果、浴室から水が溢れ、私が住んでいるのが3階なのですが、1階まで被害を出ました。被害件数は7室です。賃貸マンションの管理業者とお話をしましたが、全てが私の責任であると言われました。数週間後に直下階の部屋の補修工事を行う際に、立ち合わせて頂いたのですが、その際、天井面に配管が貫通してある所に穴が開いてあり、何も埋められていない状況でした。その階の人の部屋も同じように穴は埋まられていませんでした。

[業者の見解]
業者の方にその場で、その状況を説明し確認したところ、埋めなくても問題ない。建築指導課の検査・消防署の検査も合格した建物なので、一切問題はないと言われ、全てが私の責任で有り、業者の方もこのような事故を起こされ被害者だと言われました。また、建物の構造上で問題があるのなら、検査をした役所の方に訴えろと言われました。
そして、被害に遭われた方に、全てが私の方が悪く、業者の責任ではないと説明しているようです。

[相談内容]
この場合、全ての責任が私にあるのでしょうか。建物自体にも何らかの原因はあるのではないでしょうか。
この事について、専門家のご意見をお聞かせください。
 yorozuの感想 このホームページを見つけた時に、ホッとしました。身近にこのような相談をするところがないので、どうしたらよいか分からなかったので、本当に助かりました。今後も忙しいとは思いますが、私みたいな素人の為にがんばって下さい。
アドバイザー 
氏原 毅士 氏原です。

 配管貫通部分が仮に充填されていたとしても漏水は起こったと思われます。耐火処理と防水処理は異なるからです。
 でも貫通部が耐火材での充填が為されていないと言うのは明らかに瑕疵ですから、過失の割合を話し合いで相殺すればいいのですが、相手業者がこの言い分を飲むかどうかでしょう。
 ここからは法律判断となります。
山口 雅克 解説員の山口です

 3階建ての賃貸住宅であれば耐火建築物なので、通常は上下階の間の床はコンクリートで造られています(鉄骨造でも)そこに配管を貫通させる時には一定の決まりがあり、さらに配管廻りは耐火材料で埋めなければなりません。そこのところが不十分であったと思います。

 ただ、それとこれとは話が別で、仮に埋めてあったとしても、水やガスなどは漏れてしまいます。役所の検査ではそこまで剥ぐって検査をするわけではありませんので、業者の説明の仕方には無理があります。埋めていない責任は建設業者(マンションのオーナーにも)にありますので。

 ガスでなくてよかったですね。ガス漏れや、不完全燃焼の一酸化炭素などが漏れていたら死者がでていたところです。早急に手直しをしてもらいましょう。多分、マンションのオーナーも其の事までは気付いていないでしょう。水漏れどころではありません。

 ずっと前ですが、前述のような事故で韓国の人が死んでしまい、国際問題まで発展しそうになった事例を本で読んだ事があります。賠償はオーナーがしますが、オーナーは建設会社に損害賠償請求をします。
 善養寺 幸子 善養寺です。

 配管貫通部に被覆がしてあったとしても漏水は免れなかったでしょう。
これは起こした人が責任を取るのはやむをえないでしょう。かなりの額になるかと思われます。保険には入っていなかったのでしょうか?

 賃貸物件だと、火災保険が賃貸契約の時にかわされます。その内容によっては、保険が適用される場合があります。私は友人から、上の住人から洗濯水を漏水されて保険で支払ってもらったという話を聞きました。呉服の仕立屋さんだったので数十万円と言う被害額だったので、上の方は保険に入っていて良かったなあと思いました。
 私も近所の子供に車のライトを壊され、家財保険で直してもらったことがあります。

 最近の火災保険や家財保険は、近隣に対する迷惑被害の賠償など(犬が咬んだ、子供が物を壊した、植木鉢が落ちて怪我をさせた、集合住宅で漏水させたなど)も付いていますので見直してみてはいかがでしょうか。賃貸用の不動産会社が勧める火災保険はシンプルなものが多いので期待しない方が良いかと思いますが聞いてみるにこしたことはないでしょう。

 何かあったときの事を考えて、家財保険には入っておいた方が良いですよ。
 大して高額じゃありませんから。(保険外交員ではありません。)
もし、保険条件に合わず、あまりの高額請求された場合は、弁護士さんに相談された方が良いかと思います。交渉してもらってください。 
 コメンテーター 
野呂田 洋 コメンテーターの野呂田です。

解説員の方々のコメントにあるように、配管の貫通部は埋めなければなりませんが、これは下階の火災が延焼しない為ですので、残念ながら水漏れを防ぐ性能は要求されていません。(もちろんこれはこれで直す必要があります)
それと、行政の検査が済んでいる建物だから一切問題ないというのは全く不適切な説明です。検査当時その穴を確認したにも関わらず問題なしと判断していたのなら別ですが。。。

今後の対応ですが、いわゆる水損による部分の補修費は負担せざるを得ないと思われますが(賃貸契約書、及び保険の件はよく確認してください)、問題は負担しなくてもよい工事が含まれていないか、或いは単価等が適正かということになると思います。
ご自身でそのあたりの判断及び交渉が出来ればよいですが、そうでなければ建築の専門家に見積書をチェックしてもらう方が結果的に減額になる可能性もあると思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄 行政の検査はあくまで、そこで工事する工事管理者(監督さん)と工事監理者(通常設計者)の仕事が善良なる行為でなしていることを前提としての検査です。
ですので、善良なる工事であることを保証するものではありませんので、業者の見解は根拠がありません。

オーナーが保険に入っていると思いますので、その会社名を聞き保険内容を確認してください。

保険で支払われる可能性は大きいです。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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