相談概要 | [氏名] N.K [相談内容:] 注文住宅の瑕疵 [居住住所] 青森県弘前市 [相談建物所在地] 青森県弘前市 [職業] 自営業 [年齢] 40 [女性] on [構造] 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造) [築何年ですか?] 築 4年以内 [何階建て] 3 [延べ面積m2] 607・93 [工事請負金額] 9500 [施工者] 建設会社 [設計者を選んだのは] 自分で選んだ。 [監理者を選んだのは] 自分で選んだ。 [確認申請の為の委任しましたか?] した。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [お手持ちの図面は何枚?] 50枚以上 [打ち合わせ何回] 15回以下 [床面積] 400m2以上 [施工者名] O建設工業株式会社 [設計者名] K.M建築工房 [監理者名] K.M |
相談内容 | 平成9年10月着工 平成10年3月完成(1階テナント・当方で自営商売・2階・3階アパート8室)。 完成まもなく、一階壁面から雨漏りが始まり、設計図には、当方・テナント・2〜3階の水道メーターで3ケ所が1ケ所しかない。また設計図と流し台の配列が違う。当方の了解もなく電話の配電盤・避難はしご・1階から3階までの床/壁の断熱・アパートの流し台の変更・2〜3階のドレインの保温工事着手まもなく、シャッター・屋上フェンス取り消したにも関わらず、工事代金返金されてない。 そのため、工事紛争委員会に調停を求めたが、あいまいな返辞で裁判所に瑕疵で訴えております。 工事まもない時にキャンセルした屋上フェンス1階のシッター代金返金など、 [業者の見解] 水道3ヶ所は当方が、水道加入金を小額におさえるため。 流し台、電話の配電盤位置に変更は当方が了解。 その他も当方が了解。 1階シャッターと3階屋上フェンス代金は、違う場所に振り当てた。 [相談内容] 裁判で瑕疵の訴えを当方が立てた設計士に見て頂き、損害額を出して頂きましたが、相手側の設計士と建設業者との損害額が合わず、裁判所に中立な立場で鑑定できる設計士と言う事をお願いしていました。 雪国を考慮でき、当県以外で一級設計士をお互いが希望してました。 裁判所が設計士を見つけることが困難と言う説明から、工業大学の教授で一級建築士の方(68歳)が受けても良いと言う返事を頂きましたが、設計事務所の方を希望してるにもかかわらず、当方の弁護士は大学教授なら良いのではと一方的な言い方に当方は納得できません。こちら側の鑑定して頂いてる設計士さんの損害額に近い額が希望なところなのに、大学の教授となれば、鑑定で損害額をどのように見積もるのか心配です。 そんな気持ちもあり、今日弁護士にその胸を伝えてるにも関わらず、裁判官が大学の教授なのでと一方的に言われ、裁判と言う形で争ってるのですから、当方の立場で弁護するのが弁護士ではないでしょうか? 当方の設計士に近い損害額を得るためと、今後この弁護士と瑕疵で相手方と争って行く事が不安です。 弁護士を変えたいとまで思っておりますが、できますでしょうか? また、仕方なくこの弁護士と言うと通りに大学の教授で鑑定を行なった場合、適切な見積もり額が出るのか不安です。 |
yorozuの感想 | もっと早くに相談できたら良かったんですが・・残念です。 |
アドバイザー | |
氏原 毅士 | 氏原です。 私は大阪地裁で鑑定人と調停委員をしている経験から一言コメントします。 (相談の具体的な瑕疵や、変更内容の判定とは別に) まず、鑑定からですが、原告被告の双方が任意鑑定し、これを裁判に用いるのは、自分の主張を明らかにし争うためにほかなりません。 ところが、裁判所が選任する鑑定人は、事件を客観的に専門家としての意見を公平な立場から述べることになります。 このため、自分の意見に近い鑑定を求める事は出来ないと考えたほうがいいと思います。 結果的に、主張を認めてくれれば別ですが。 鑑定人の人選ですが、1級建築士でどこの業者とも組せず専業事務所として業務を行っている人の割合はかなり低いものと認識があります。 すなわち建設業の下請け体質の問題があります。 ところが大学教授はいわゆる専門専攻研究的な一面があり、相談のような内容を実務を通して経験しているかどうかが疑問です。 私の経験でも同様な事例がありました。 言葉は悪いですが、裁判官も弁護士もあまりに建築を知らないと言うのが感想です。 調停は簡裁ではなく地裁に申請すれば専門的判断ができる調停委員がいます。簡裁の民事は大半がローンもんだいですから。 |
コメンテーター | |
関口 啓介 | 鑑定人については、氏原解説委員の解説を参考になさって下さい。 弁護士については、私どもが、アドバイスする立場ではありませんので、控えさせて頂きます。 設計者及び監理者をご自身で選ばれたと、記入がありますが、監理者から、監理の報告に伴ない、変更の承認や、確認等は有りませんでしたか? 建築士法18条3項 「建築士は、工事監理を行う場合において、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に注意を与え、工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない」となっております。 設計者・監理者は、施工者とは独立した、住まい手の立場で進められる方を、選任されるべきであったと、思われます。そうであったのに、業務が誠実に行われなかったのであれば、これは、嘆かわしい事です。 裁判となってしまった現在では、より適正に進められる事を、願っております。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 建築では一般的に建築の現場に出ている建築家もいますし、また、実務には乏しい方もいます。 ですので、一概に駄目ということはないかもしれません。設計事務所にこだわっていますが、氏原解説委員が申しているように、専業の建築設計事務所はほんの少数とご理解ください。どちらも一概にはいえませんね。 確かに鑑定人の能力と公平さが裁判には大きな流れをつくりますが、現在の裁判では鑑定人の選定は各種団体に紹介を仰ぎ、その団体の紹介で選任されているようです。鑑定人選任の基準を公に明確にすべきではあると思いますが、鑑定人は恣意的なことは許されないのですから、客観的な判断をする鑑定人だと信じて弁護士と強調して進むことが大切だと思います。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | お忙しいところ、お返事ありがとうございました。 文中にありました、関口様の言う設計の変更などは、いっさい設計士の口からは、報告等はありませんでした。 設計関係の方なら、見ればすぐわかるような瑕疵だと思っております。 でも、青森と言う土地柄か、設計士・建築会社との横の繋がりが深く、裁判で戦う事のむずかしさを痛感しております。 しかし、今後は荻原様、氏原様、関口様のアドバイスを参考に頑張っていきたいと思います。 どうもありがとうございます。 |
その後 |
〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号
TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107