相談概要 | [氏名] N.M [相談内容:] その他 [居住住所] 奈良県香芝市 [相談建物所在地] 奈良県香芝市 [職業] 会社員 [年齢] 37 [男性] on [構造] 木造(その他) [何階建て] 2 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 34 [工事請負金額] 36500000 [様態] 建売り住宅 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] してない。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [お手持ちの図面は何枚?] 1枚 [打ち合わせ何回] 2回 [床面積] 140m2以下 [施工者名] J コーポレーション [販売会社名] J コーポレーション |
相談内容 | 10月20日にどうしても住みたいと思っている地域でA社で土地40坪に建坪31坪を契約。手付金は100万円。 その後二世帯仕様の間取りを設計士と打ち合わせ中。これが終われば建築確認申請を出すとのこと。 一週間後、以前からとても気に入っていたB社(自然無垢の木を使った個性的な家)から、契約した土地のすぐ近くに50坪で坪単価も安い土地を買い付けできたのでどうですか?との話がきました。 もう別のところで契約しました』と言うと、『契約を解除してぜひ当社で・・』と言われています。 [業者の見解] まだ相談もしていません。 [相談内容] B社はA社の契約書を見て、本来は土地と建物の契約を別々にしないといけないのに一緒になっているのは違法だから、手付金100万円は戻ってくると言われました。私達がB社をとても気に入っているということで、かなり勉強してくれるとのことです。A社とB社では諸経費も入れて100万円くらいしか違いません。それだったらB社にしたいところですが、本当にA社の契約を解除して手付金が戻るのか?どう持っていけばいいのか? また買い換えなのですがA社は組織がしっかりしていて一貫して売り買いしてくれます。B社は家作りはいいのですが営業面にイマイチ信頼して任せられません。 一体どちらを選べばいいのか悩んでいます。 A社の契約書は105.16平米の間取りで契約しましたが、実際は二世帯にしたいので、契約書に付いている図面とはまったく違う図面になる予定です。それも違法ですか? 長くなって申し訳ありません。 何をいいたいのかご理解していただけますでしょうか? |
yorozuの感想 | もっと早くこのHPにめぐり合えていたら。。。 こんなに建主の身になってくれるところがあるなんて。 本来の建築の姿が何かよくわかりました。 |
アドバイザー | |
氏原 毅士 | 契約解除は、原則手付の倍返しとなるのではないでしょうか(書面内容を見ていませんが)また、香芝は最低宅地面積の規定があるはずです。40坪が可能かどうかの確認が必要です。 また、2世帯だからといって確認内容と違う工事は明らかに違法行為です。 当地は非常に良好な環境で売っている地域ですので、違反はまず無理でしょう。 建築確認申請とまったく違う図面になると解釈した場合の解説です。 |
津村 泰夫 | 契約の解除についてはA社に申し出て、反応を見られてはどうですか。 A社、B社のどちらにするかにせよ、第三者の建築士に設計監理を依頼される ことをお勧めします。業者選びについても相談されるのがよいと思います。 |
善養寺 幸子 | 本当に気に入っていて、契約を解除してまでそちらにと思うなら手付け金が戻ってこなくても仕方ないのではないでしょうか。100万円安いからと言うなら100万円手付けを取られても同じ出費じゃないでしょうか。数千万円の買い物ですから100万円を惜しんで気に入らない物を買っても仕方ないのではないでしょうか。 契約という対等な関係で売買したのですから、一方的な都合で解約するのですから解約金を支払うのは当然のことではないでしょうか? それでも、いくらかでも返金していただきたいと願うなら、相手の荒探しをするより誠実に気が変わったことを説明し、進行中の設計を速やかに中止して話し合ったらいかがでしょうか。今後の長いローンと自分の欲しい家は何なのか考え、多少の損失は覚悟して目先に捕らわれず検討してください。 二世帯住宅の件ですが、条件付きの参考プランとして提示されたもので契約しても変更することは多々あります。その際は、変更分がオプション扱いされ追加金が出ることを覚悟していてください。当然、キッチンセットが一台だったものが二台になったり面積が増えていたりするわけですから、工事金額はあがります。 その辺のことをきちんと話をしてから、進めていかないと出来上がってからオプション費用の請求がきたりして「そんなつもりではなかった。」なんて言ってももうどうにもなりません。 そして、一番気を付けて頂きたいことは『気に入って頂いているから勉強します。』 そんな言葉に乗せられないでください。どこでも言うセールストークです。 『親戚のように思っていますから、身内価格で。』なんてセールストークも聞きます。 相手も商売です。慈善事業じゃないのですから、本当の親戚だってそんなに安く出来ませんよ。 欲しい物が何なのか、安ければ良いのですか?何かサービスが付いていなければならないのでしょうか?自分たちの住宅を作るのです。希望の質と環境が価格と見合えば良いのではないのでしょうか?これからの家族の人生委ねる建物です。 もう少し冷静に考えてください。 |
中川 雅実 | この事例は、確認申請前の契約?ならば、宅建業法違反の様な気がします。 契約は、確認通知書受理後でないと。。。 ◆宅建業法◆」 (広告の開始時期の制限) 第三十三条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項 又は第二項 の許可、建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第六条第一項 の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。 |
山口 雅克 | 私が今から設計に取り掛かる建築条件付きの住宅に関してお話します。参考になればよいのですが。(設計監理契約は建主と私が直接します) 土地と建物一括の普通の建売りです(公庫の建売りを使いますので設計が終わらないと確認申請もできません)。建主が私の設計監理でよければ契約をすると売り主に交渉し、話がまとまった物件です。すでに手付金は支払ってありますが、建築請負契約が不成立の場合は白紙に戻り、手付け金も戻るのです。契約から3か月以内に請負契約を...に関しても2月までに設計が終わればOKにしてくれました。 建売住宅ですから、売り主の標準仕様に準じて私が設計をしますが、建築や設備の資材の仕様が売り主の基準(グレード)と差がでた場合は精算することになっています。監理も当然します。 契約の内容を確かめてみて下さい。手付けが戻る場合もあるのではないでしょうか。 |
三浦 惠翁 | N.Mさん Jコーポレーション(A社とは同一として)間の契約内容によりますが、ご相談の様な理由で買主からの解約申し出で手付金の返還は無理と思われます。 相談冒頭に >その後二世帯仕様の間取りを設計士と打ち合わせ中。これが >終われば建築確認申請を出すとのこと。 とありますが、契約した物件は確認が下りていて確認の変更申請をすると言うことなのでしょうか?確認変更が認められず、確認申請し直しに成ったり2所帯住宅計画変更で建設費(契約時の105.16平米より)が膨らみ売買金額が大幅にアップした、ローンが組めなかった等、の場合どうするのか、もう一度解約条項を良く見てください。 確認申請が下りて居なかったり土地がA社のものでない場合B社の話された通り違法な契約になり解約できます。確認申請が下りていてA社が地主の場合は違法では有りません。 また図面が変わっても確認変更申請が認められれば違法ではありません。 A社もB者も建設業者と見受けますが、B社に不信の念を抱いているのでしたらお断りすべきです。家造は長いお付き合いになります、地元業者であればなおさら気持ちよくお付き合いしたいものです。 ご予算通り建築したいとお考えでしたら第三者の建築士に設計監理を依頼することお勧めします。 |
コメンテーター | |
関口 啓介 | 解釈の相違により、解説が分かれましたが、実際の様態に置き換えてご判断下さい。 建売住宅であれば、中川解説委員の指摘通り、宅建業法に抵触すると思われます。 その場合、契約は破棄できると思われます。 また、建築条件付であれば、山口解説委員の通り、工事請負契約が成立しなければ、停止条件となります。 建売や売建てで、ご家族が望む営みの住まいができるかどうかは、難しいですね。 しかし、そこに土地をからめる不動産の姑息な手法に不公正な部分があるため、限られた制約条件の中で認められた売買です。 本来の住まいの造り方、在り方からすれば、特殊な方法となります。 それらを、十分ご理解の上、住まい造りをお進め頂けると良いですね。 がんばって下さい。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | このような販売方法を青田売りといいます。 建売住宅は本来建物を建てたものを見て購入するシステムです。 確認申請はとりあえず申請して確認済み証をとり、お客には「自由設計です。」というように売り込み、実は軽微な変更しか許されないので、大きく変更した場合に再申請となると違反になるので、再申請しないで申請図とは違うものを立ててしまう ことが多くなっているようです。 公庫を使っていればH13年10月から検査済み証が必要なので違反は減るでしょう。しかし、このようなものに銀行が融資する、業者と銀行の癒着の体質は未だに存在しているのがモラルハザードの極みです。 どちらがいいのかはご返事はできませんが、どちらにしてもお住まいになったあと「こっちのがよかった!」なんて思うものです。それを思わないようにするには ご自分で設計者を選び「ご自分で思う自由な家」を造るのがベストなのですが・・・。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 的確なアドバイス、本当にありがとうございました。 たくさんの方々の意見を参考に冷静に判断して後悔のない良い家作りをしていきます。 またHPにもお邪魔させていただきます。 |
その後 |
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