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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0594 地盤保証の対象となる工事

 相談概要 [氏名] K.A
[居住住所] 岐阜県中津川市
[職業] 会社員
[年齢] 30
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[設計者はどなたに依頼しますか?] 建設会社の建築士
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 137
[延べ面積坪] 41.44
[工事請負金額] 2300
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] 建設会社
[お名前] Rハウス
 相談内容 はじめまして!
来年、夢のマイホームを建てようとしておる者ですが、地盤についてお伺いしたくて、メールを送りました。

Q1.地盤調査会社が敷地の調査を行い、特に敷地に対して地盤改良等の指示がない場合でも、私の勝手な判断で鋼管杭を地中に貫入して補強した場合でも、地盤保証の対象となることができるでしょうか?出来る限りこの地盤保証システムのお世話になりたくないと考えて、そうなる前に出来るだけのことはしたいと考えておるのですが過剰過ぎますでしょうか?

Q2.敷地は現在田んぼであり、そこを造成するわけですが、敷地は18m×18mの広さで、1.3mの盛土を予定しております。このように盛土をする場合はどのような土が理想なのでしょうか?やはり「サバ土」なのでしょうか?「サバ土」とはどのような土のことをいうのでしょうか?

Q3.上記のように地盤をこれから整備する上で注意する点はどのようなことがあるのでしょうか?

以上、地盤についての質問3件ですが、ご教示ください。
お忙しいところ大変恐縮に存じますがご高配賜りますようお願い申し上げます。
 yorozuの感想 いつも貴ホームページを拝見させていただきありがとうございます。
建築関係の書籍を見ていても漠然としており、欲しい回答がなかなかありませんでしたが、貴ホームページを拝見しましたら、欲しい回答がごろごろしており大変役に立ちました。あまりに読みごたえがあるあまり「今までの相談」「新着の相談」をすべて印字してファイルしております。ものすごい勢いで黒のインクを消耗しました!

びっくりしました。貴ホームページを見れば見るほど欠陥住宅に対する意識が過敏になってしまい、業者と打ち合わせをしていても心のそこで常に業者を疑いの目で見てしまいますが、色々な知識を吸収できて大変うれしいです。これからも貴ホームページの益々の発展することを願い、私の感想とさせていただきます。
アドバイザー 
関口 啓介 K.Aさん、こんにちは。愛知の関口と申します。

私達は、住まい手と、施工者との緊張関係を煽るものではありません。
建築とは、多くの業種と、多くの人々の作業や、知恵、努力で進められます。
そこには、信頼関係の存在が必要だと考えております。
自分の意見や、考えではなく、データや人の意見だけで、誰かを追求する行為を私は最近、「顔なし」(千と千尋の・・・)と呼んでおります。
そのような事にはならないよう、素敵な住まい造りをおすすめ下さいね。

解説です。
Q1、K.Aさんの言われる地盤保証システムは、調査会社・施工会社・保証会社によって、保証されるものですね。最近では、地盤保証の事故率(沈下等)が多かったものですから、かなり安全側で設計施工されていると、感じております。しかし、この設計や、施工をされる方々が、土木のプロであって、建築についての知識が乏しい事もあります。また、構造の専門家が関わっていない事もあります。
本来であれば、施工者にこれらを任せるのではなく、信頼のおける設計者(構造家)に、地盤データをもとに、上物(建築物)を考慮の上、設計してもらうのが望ましいと思われます。それについて、保証が得られるかどうかは、保証会社の承認が必要になりますので、お話し合いが、必要となります。

Q2、サバ土とは、まさ土と同様と考えます。花崗岩の風化したものが「サバ土」と呼ばれます。山砂の部類にあたります。礫分から細粒分まで含むので、液状化を起こしにくいと言われておりましたが、サバ土埋立地であるポートアイランドでは、阪神大震災で液状化現象が発生しております。
サバ土だから良いわけではなく、腐食土等を含まない、幅広い粒度をもつ土が好ましいと思われます。

Q3、30cm層ごとに、重機で充分に転圧をかけ、盛土をしてください。詳細は調査結果をもとにした設計によります。

過剰に、過敏になられるようでしたら、信頼のおける設計者(構造家)に、依頼される事が必要です。地盤を見て、家を見ず。部分にとらわれて、家全体を見失わないように、お気をつけ下さい。
山口 雅克 九州の山口です、中津川には7〜8年ほど前でしたか、まちづくりで視察に行ったことがあります。

 Q1: 地盤調査会社の調査はあくまでも調査であり、そのアドバイスを参考にはしますが、基礎の設計に関してはあくまでも設計者の判断によります。適正な杭の選択をおこなえば保証の対象になります。杭の施工者も生産物賠償責任保険に加入しているところを使うとよいでしょう。場合によってはそこが別に調査をする場合もあります。

 Q2:サバ土に関しては初めて聞く言葉なので私はわかりません。一般には「真砂土」とし、砂分の多い山から取り出した土を使います。ただ、どのようによい土を使ったとしても1.3mも盛土したら家を建てられる程しっかりとは締まりませんので注意をしてください。
 
 Q3:プランがおよそ決まっていれば、土を搬入する時にセメント系の地盤改良材を混入して、盛土分を固める方法があります。調査結果で地耐力のN値が5以上、又は50kN以上あればこの方法がよいでしょう。

 建設会社の設計担当がどの程度基礎構造の設計に詳しいかはわかりませんが、資料をもとに、適格な判断をしてもらうようにしましょう。あわせて、擁壁のチェックもお願いしておきましょう。
 コメンテーター 
宮坂 英司 コメンテーターの宮坂です。

建物は基礎が一番重要です。基礎の検討をなおざりにすると、その後大きな後悔をもたらす恐れがあります。
さて、各解説委員のコメントにもありますが、基礎形式の決定についてはその地盤状況に基づいて構造設計者に依頼するべきだと思います。御自身で決定すべき事ではありません。Rハウスさんに構造にお詳しい方がおればよいですが、もしそうでないならば、そのRハウスさんに構造設計者に検討して頂くように依頼してみるのも良い方法です。そうすれば、第三者的な意見として十分信頼できるデーターとなるでしょう。

がんばってください。
 事務局から 
  荻原 幸雄 当HPをご覧なって「欠陥住宅に対する意識が過敏になる」とのことですが、よくみていただきたいのですが、相談の中で、「これは欠陥です。」と記述しているところはないと思います。「家づくりは職人一人一人の手造りです。」それゆえにこの作り手に「造るという心」がないと、問題が発生する。

自由な空間を掴める施主は自由な発想のある設計者を見つけるでしょうし、フレキシビリティーに対応できる職人を探せるでしょう。このように三者が自由なこころを持たないことが、家造りを単なるビジネスととらえるシステムに巻き込まれているのです。
これを現実の相談の中からお知らせしているので、決して「欠陥の存在を煽っているのではない」ことをご理解して冷静に「楽しい自由な家造り」を目指してくださいね。

建物を支持する地盤の補強方法はいろいろな工法があります。しかし、建物の設計が始まらなければ意味がありません。
どのような建物形状、仕上げ荷重、等により力学的に考察して決定されるものです。
建物と一体として考える必要がありますので、建物の設計者とお打合せください。
「勝手な判断」で実施すると後で邪魔になったりしてよろしくない場合もありますので、設計者にご確認ください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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