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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0580 強い雨風があり、雨漏りをしました

 相談概要 [氏名]O.Y.
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 千葉県長生郡
[相談建物所在地] 千葉県長生郡
[職業] 会社員
[年齢] 28
[女性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[築何年ですか?] 築 1年以内
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 約20
[工事請負金額] 約1300
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済書は有りますか?] どういうものか知らない。
[お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下
[打ち合わせ何回] 10回以下
[施工者名] I
[販売会社名] S産業
[設計者名] I.T
[監理者名] I.T
 相談内容 [現象]
8/22に(台風11号)強い雨風があり、雨漏りをしました。場所は2階の南側にある窓の上部からです。じわじわしみてきて、ポタッポタッと垂れてきました。それまでは雨漏りはしていません(見える範囲では)。現在は見えるところは乾いています。写真をメールで送ります。

作りはツーバイフォーです。屋根はコロニアルで片流れです。南側が高く北側が低くなっています。屋根と外壁の間は板金です。

[業者の見解]
台風などの強い雨風が南側から吹いた場合は漏っても仕方がない。このくらいの雨風の時はどこの2×4も雨漏りはする。原因は、板金と外壁の継ぎ目辺りに隙間があり、そこから雨が風に吹かれてつたっていって中へ入っていった雨水が窓からしみてきたんだろう。このくらいは仕方がない。コーキングする事は可能だが、家のためにはしない方が持ちが良い。木はずっと濡れていると腐ってしまうが、たまに濡れるくらいならすぐ乾くので問題ない。逆に、コーキングをして通気が悪くなり、熱気などがこもってしまう方が家に良くない。台風は年に何度かのことなので住んでいる人間が我慢してどうか。でも、どうしても雨漏りが我慢できなければコーキングする。

一応、板金と外壁の辺りの隙間にコーキングをしてもらいました。

[相談内容]
業者の見解がよく分かりません。雨漏りしても欠陥ではない、むしろその方がいいという考え方はよく分かりません。
コーキングをしたが、これから漏らないとは言い切れない、といわれました。でも、通気が悪くなるとか熱がこもって良くないなどと言われると、コーキングをせずに雨漏りを我慢していた方が良かったのか、と思ってしまいます。 こちらは家造りに関しては素人ですので、何が正しいのか分かりません。

おかしいとは思いながらも業者がそうだと言えば「そうなのかな」と思ってしまいます。 ただ、今回のことに関しては、やはり「雨漏り」は「良くないこと」だと思うのですが。

2000年12月に建てたばかりの家です。強い雨風の場合は雨漏りは仕方がないことでしょうか?また、建物診断を別の業者に依頼してみたいのですが、その際の費用などは家を建てた業者に請求できますか?
 yorozuの感想 雨漏りをしてからいろいろなサイトを探しましたが、やっと安心して相談出来るところが見つかった思いです。
アドバイザー 
山口 雅克 屋根と外壁の納まり(板金の部分)がどのようになっているのかわかりませんのでアドバイス差し上げにくいのですが、風雨の強い時にサッシから水が侵入することはあっても、サッシ廻りから侵入することはないと思ってください。屋根と壁の取り合いやサッシ廻りに不十分な詳細か施工があったのだと思います。

 板金の水切長さが短かったり(20〜30mm)軒裏の水切が不十分だったりです。サッシと通気防水シートの取合い部分に防水テープの施工をしていない場合も起こりやすい現象です。通気に関しては、外壁に通気工法が採用されていて、その空気の流れ方向にあるのであれば業者の言う通りですが、外壁が窯業系サイディングであれば濡れによる反りなども考えられます。

 最大風速が30mを超えるような場合はどこかに漏水があるかもしれませんが・・・   建物診断して欠陥が明確であれば費用負担を申し入れることはできるでしょうが、事前に調査することと費用負担をどうするかはハッキリさせておいた方がいいでしょう。 十分な調査となると外壁を一旦除去することがよいのですが費用負担も大きくなります。

それに、外壁内の断熱材がグラスウールなどの繊維系であれば水を含んでしまっていることが予想されますので留意してください。その水は簡単には抜けません。
畔上 廣司 雨漏りの原因について、内部写真だけでは、雨の差し込み部分の推定判断はできません。屋根と外壁の取り合い形状(ここで言う板金部分でしょうか)をはじめ、外壁仕上げ材や軒の出(上げ裏)の有無などの状況がはっきりした外観写真が必要です。先ずは、お手持ちの設計図面10枚をご覧になり、雨仕舞い・防水関係の記述を確認、次に、住宅金融公庫等の公的機関利用の場合は、公庫仕様書の規準事項を確認して下さい。さらに、工事請負契約約款や瑕疵担保に関する内容が盛り込まれた保証条項などの契約書類の内容確認が必要です。一般的に当たり前なことですが、トラブル発生時には、最低限これらのチェックが肝要です。

 雨水の浸入は、基本的な雨仕舞い(雨水が建物の中に浸入するのを防ぐこと、及びその方法)が、しっかりしていれば雨漏り事故は防げます。また、対策も可能です

 尚、2000年4月1日施行された品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)「瑕疵担保責任の特例」によって、「雨水の浸入を防止する部分」に付いて、修補の請求が十分可能です。と同時に、完成引渡から瑕疵担保期間の10年間義務化されていることもご承知下さい。(当物件の契約時期によって適用されます)

 従って、修繕に関する費用は、当然工務店さんが負担するべきでしょう。「台風などの強い雨風が南側から吹いた場合は漏っても仕方がない」と言う工務店さんの雨漏り是正の見解や論法は到底理解できないものですね。 以上を踏まえ、当の工務店さんと充分話し合い、納得した修繕をお願いする事です。

現実は、相手によって様々なケースや対応が考えられますが、良い回答が得られない場合は、O.Vさんお住まい地域の建築士会、建築士事務所協会などの公益機関等に、或いは、近所の信頼できる第三者の専業建築士さんにご相談したら如何でしょうか。 それぞれ気軽に相談に応じて頂けると思いますよ。
 コメンテーター 
木津田 秀雄 写真を拝見しましたが、外観からのものがないために判断が難しいです。雨漏りで多いのが壁と屋根の間の部分です。防水の立ち上がりの不足やシール忘れなどもあります。先日はサッシと外枠(2×6で大きな枠が外部についていた)の間のシールがなくて、じゃじゃ漏れ状態でした。

 各解説員のアドバイスを参考に対処してみてください。基本的に修理するのは原因を突き止めてからにしましょう。そうしなければ、とりあえずの修理ばかりになり、時間も手間もかかります。屋根の一部を剥がすなどの調査をしてから、きちんと補修をする方が業者にとっても手間がかからず良いと思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄 通常の雨では問題が発生しない場合でも暴風時には納まりの関係やシーリングの不備でこのようになることもあります。
その場合は納まり(通常の納まりならOK)を確認してください。シーリングが切れている例もよくありますので・・・。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お世話になっております。先日は雨漏りの相談にご回答いただきましてありがとうございました。
お返事の中に「外観の写真がないと判断がむずかしい」とありましたので、今回は外観の写真を3枚添付させていただきました。
南側の真正面からの一枚と、板金とサイディングの水が進入したであろう箇所のアップが一枚と、外観を横から撮った一枚です。

このときの相談は8/22の台風の雨漏りについて、でしたが、先日の台風15号の時にも(9/11)同じ箇所から雨漏りしてしまいました。
前回の雨漏りの後に、板金とサイディングの継ぎ目部分のみにコーキングをしてもらったのですが、今回の雨漏りは、また同じ箇所(窓枠)からしまいました。

前回の雨漏りの時の業者側は、「雨漏りは仕方がない」「通気のためにはコーキングしない方がいい」「2×4住宅はどこも雨漏りしてる」と全くミスを認めなかったのですが、一ヶ月も経たないうちの2度目の雨漏りなのでこちらが「建物調査を第三者の業者に依頼したい」と伝えたところ、今度は「南側全面にコーキングをして、散水試験をやる」「コーキングしても、通気は内壁やサイディングのわずかな継ぎ目からするものだから大丈夫だ」「こちらも雨漏りすると思って家を建てている訳ではない」と、前回を全く正反対ともとれる対応でした。そして、早速足場を組みに来て「明日にでもコーキングをする」といっていました。

不安はかなり残りますが、もし、また雨漏りするようであれば建物の調査を業者負担でして欲しいと頼んだところ、了解してもらったので、これ以上こちらからのアクションは思いつきません。今回はこれで納得するしかなさそうです。今回の雨漏りのことで、業者側がいかに有利か思い知らされました。

役所の建築指導課や、そこから紹介された土木事務所などに連絡を取っても、「ちゃんとした施工をしても、雨漏りをすることがあるかもしれないのでなんともいえない」など、奥歯にものの挟まったような対応しかしてくれませんでした。雨漏りのする「ちゃんとした施工」とはいったい何なのでしょうか。

建築士協会の方が言うには「地元の土木課などは地元の建設業者とのつながりがあるから業者に不利になるような意見は言わない」とのことでした。
消費者はだまされないように、常に気を張っていないと危ないのですね。

山口様、畔上様、木津田様、そしておぎはら様、こちらの足りない説明にもかかわらず丁寧にアドバイス頂きましたことを深く感謝しております。

お忙しい中、貴重なご意見ありがとうございました。
 その後  
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