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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0569 高基礎の部分がとても不安です

 相談概要 [相談内容] 建売住宅の瑕疵
[居住住所] 神奈川県横浜市
[相談建物所在地] 神奈川県横浜市
[職業] 会社員
[年齢] 31
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[築何年ですか?] 築 1年以内
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 94.67
[延べ面積坪] 28
[工事請負金額] 3300
[様態] 建売り住宅
[施工者] 建設会社
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済書は有りますか?] どういうものか知らない。
[お手持ちの図面は何枚?] 2枚
[打ち合わせ何回] 打合していない。
[施工者名] 株式会社O建設(初めの売主は有限会社S住宅だったので、確認申請書などはS住宅で取ってます。S住宅が倒産により、その現場の下請け工事をしていたO建設が売主になったそうです)
[販売会社名] 有限会社S(O建設が不動産業者の免許を持っていないため代理。なお、仲介にD住販株式会社に入ってもらっている)
[設計者名] S.Y 
[監理者名] S.Y
 相談内容 [現象]
土地の形は整形地で、6m幅の公道に8.83m、奥行き14.12m、 高さ2mぐらいのところに建物があります。完成日は昨年の10月です。初めて見たときは、車庫の部分は高基礎で作ってあり、またべた基礎ということなのでしっかり作ってあるんだな思いました。また、環境も良く、建物もしっかりしていたので契約をしました。

翌日、現地に行くと車庫の高基礎の部分をブロック塀で囲い土を中に入れていました。契約の時にはそんなことは何も聞いていないので職人さんに訪ねると「あ〜これね、これしないとね検査に通らないんだよ!検査通ったらはずすはずだよ」と言っていたので、施工業者に確認したところ「はじめは、車庫がなかったんです。後から車庫を作ったので面積の関係でそれをしないと検査に通らないんです、大丈夫ですよ!よくやることですから!ブロックは必ずはずしますから」との答え。不安になった私は友人に相談したところ一応、矩計図を請求した方がよいとのこと、請求すると「申請図面しか今手元にない」とのこと、申請図面でもないよりましと思い。送ってもらうと、車庫の部分の土台はありませんでした。

契約をしてしまった後ではどうしょうもないですが、過去の住宅情報誌を引っ張り出したところ、写真がありました。間知石4段ぐらいの上に建物がありました。ということは、高基礎の部分は初めはなく、後から足したのかと思い確認すると施工者に「大丈夫ですよ!安心してください!ちゃんとやってますから」の答えしか返ってきません。不安なので近所の人に聞きこみをすると「あの現場は目の前だから毎日見てたよ。車庫の部分はちゃんと下から作ってたような気がする!ただ、玄関のところに廃材を入れてその上にコンクリートしてたよ」とのこと余計不安になりました。高基礎の部分がとても不安です!大丈夫でしょうか!

[業者の見解]
「大丈夫ですよ!ちゃんとやってます。」一点張り

[相談内容]

@高基礎の部分は大丈夫でしょうか?
A高基礎の部分施行について、すでに出来上がっていて中が見えないためどのように施工業者に質問したらよいのか?(来週中にも高基礎の部分のくわしく説明をしてもらおうと思います。)
B高基礎をしっかり作っていたとして、強度の方は大丈夫なのか(検査が通らないぐらいの強度しかないのか)
C高基礎部分の検査はどのようにするのか(検査方法及び 検査の費用はどちら(業者or買主)が負担するべきなのか、まぁ〜業者はやりそうもありません。)
D高基礎の部分が欠陥だった場合どのような症状がでるのか?
Eべた基礎を後から高くすることは今の技術では可能なのか?

追加: こんにちは、昨日、メールさせていただいたものですが、今日最初の売主であるS住宅に電話したところ、基礎の現場写真を見せてあげるとのことで見に行きました。高基礎(写真では深基礎工事となってました)は、はじめから車庫を作るということで、ちゃんと下から作られていました。

また、検査のために車庫の部分の基礎に囲いをしたのは、平均地盤の関係でしなければ検査が通らないとのこと。そのようなことはよくあることなのでしょうか?

教えてください。また、そのことで、今後なにか障害がでてくるか?もよろしく御願いします。

 yorozuの感想 いろいろと、勉強になります。頑張ってください。
アドバイザー 
小松原 敬   建物の高さ(軒高、最高高さ)は敷地に高低差があった場合その平均の高さを出して、そこからの高さになります。
建物の高さ制限はその敷地の用途地域等によって決められます。そのうちのどれが引っかかっているのかは文面からはわかりませんが、平均地盤からの高さをとるとそれに微妙にひっかかるという事はよくあります。
それで、計算上の平均地盤面を上げる為にわざわざこのような作業をするというのはままある話です。(不毛な作業ですが)

2階建てだとさほど引っかかる事は少ないと思いますが何がひっかっかたのか聞いてみてください。
大内 彰 こんにちは。

検査時にコンクリートブロックを造って土を建物との間に入れておく、というのは建物が接する地盤の平均高さを調整して建物の平均地盤からの高さをごまかそうということだと思います。役所から指摘があった場合、再度コンクリートブロックを積んで・・・ということもあり得ます。

建物高さに関してどの法令に違反するのか不明ですが、安全性に関わる構造的な問題ではないでしょう。基礎が駐車スペースのレベルより下まで埋められ、図面通りに施工されていればそれほど心配することはないのかもしれません。問題はそのコンクリートブロックを撤去した時点で違反建築になる可能性が高いということです。そしてそれを買い手に説明していない(と文面から判断しました)ことからその業者の姿勢に問題があると思います。販売と施工が別業者ですから安全性も含めて全て疑わしいということではありませんが・・
中川 雅実  こんにちは、M.K 様。 神奈川解説委員の中川です。

ご質問に沿ってお答えします。

>  @高基礎の部分は大丈夫でしょうか?

一言で言えば、調査が必要でしょう。今回の施工状況は判りませんが、一般的な施工は、深基礎(H=1,400?)を作るときには、車庫の反対側(建物の床下部分)を、施工のため余分な根切りをします。(地盤の下で300以上、地盤面で720以上)この部分は、深基礎が出来上がると埋め戻しますが、埋戻しをするときに、300ごとの地盤厚みで良く転圧しなければなりませんが、べた基礎は、十分に建物の荷重をうけることが出来ません。

>  A高基礎の部分施行について、すでに出来上がっていて中が見えないためどのように施工業者に質問したらよいのか?(来週中にも高基礎の部分のくわしく説明をしてもらおうと思います。)

写真により判断しては如何。

>  B高基礎をしっかり作っていたとして、強度の方は大丈夫なのか(検査が通らないぐらいの強度しかないのか)

地質は、べた基礎部分と深基礎部分で違っていませんか?違っていると、同じ基礎の面積で受け持つ重さが違ってきて、不同沈下を起こし基礎にクラックが出てきます。検査の問題と基礎の強度は別問題です。

>  C高基礎部分の検査はどのようにするのか(検査方法及び 検査の費用はどちら(業者or買主)が負担するべきなのか、まぁ〜業者はやりそうもありません。)

不安な部分は、業者に話し払拭する事をお勧めします。

>  D高基礎の部分が欠陥だった場合どのような症状がでるのか?

症状は、欠陥の種別にも依ります。(沈下・クラック・滑り等)

>  Eべた基礎を後から高くすることは今の技術では可能なのか?

後施工については、高度な技術が必要ですが可能です。

>  また、検査のために車庫の部分の基礎に囲いをしたのは、平均地盤の関係でしなければ検査が通らないとのこと。そのようなことはよくあることなのでしょうか? 教えてください。また、そのことで、今後なにか障害がでてくるか?もよろしく御願いします。

敷地面積が少ない建売の場合、法律をクリアーする為の方策として行うことはありますが、一時的に積み後に壊すことは違法行為です。成人に対するお答えとすれば、「各人の良識にゆだねます」とお答えします。今後の障害は、違反建築に対する障害となるでしょう。

上記をよく考えられ、最善の対処をされることを願っています。 
 コメンテーター 
久米 能子 はっきりしていると思われることは、
@今の建物は行政の検査には合格しない(ブロックなしでは)、つまり違反建築であるということ。
AそのことをM.Kさんには説明をしていないまま、契約をしたことは、販売会社の重要事項の説明の義務に抵触する可能性があるということ。
@、Aが事実ならば、それを理由に、契約を解除することは可能かと思います。
ただし、違反といっても、大内解説委員のいわれるように、建物高さの問題で、構造上の問題ではないでしょうが、数字が変わると確認申請の取り直しを行政から要求されることが考えられるので、業者としてはこれで済ませたいということで、ブロックを積むという「ごまかし」をしているのだと思います。

構造については、ご覧になった基礎工事の写真が本当ならば、基本的には大きな問題はないように思います。M.Kさんの購入される予定物件の建設地は写真で拝見すると、後の家が高くなっているところから、傾斜地のように見えますが、もしも山を切り崩した造成地ならば、切り土と盛土が敷地の中に混在する可能性があるので、その場合は中川解説委員のいわれる、地質の違いという問題は出てくるでしょう。(しかし、その問題は今から対処するのはかなり難しいので、この点を考えると、購入そのものの判断にかかわってしまいます。)

よく、販売会社と話し合ってください。
 事務局から 
  荻原 幸雄 中川解説委員が言っているように深基礎の内側の建物の下は埋め戻し土になっているので、このところが経年すると沈下します。これは基礎ではなく束が沈下しますので、床に傾きが起こる原因にもなります。このところをどのように対処したのか確認する必要があります。

また、ブロックを撤去することは(車を入れるために)違法建築となりますので、ご認識ください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 解説委員の皆様方ありがとうございました。
基本的には立地条件、設備(都市ガス他)、価格などの条件がいいため前向きに考えてみたいなと思います。
でも、違法建築か・・・考えてしまいますね・・・
 
コメンテーターの久米様の
>予定物件の建設地は写真で拝見すると、後の家が高くなっているところから、
>傾斜地のように見えますが、もしも山を切り崩した造成地ならば、
>切り土と盛土が敷地の中に混在する可能性があるので、
>その場合は中川解説委員のいわれる、地質の違いという問題は出てくるで
>しょう。

 この件ですが、書き忘れましたがS住宅が基礎の写真を見ながら「ここの土地の地盤は結構頑丈なんだよ!
元々市(行政)が買い占めていた土地で、道路拡張とかで立ち退かされた人たちに提供してた土地なんだ、ほら見て基礎の周りや基礎の下の部分全部赤土でしょ!赤土は結構強いんだよ」と、今は関係のないS住宅様がいろいろと親切に説明してくれたので信じようと思います(傾斜地だから切土はしても盛土はしていないということかな?と素人は簡単に納得してしまいます・・・これがいけないのかな?)。

解説委員中川様の
>深基礎の内側の建物の下は埋め戻し土になっているのでこのところが経年す
>ると沈下します。
>これは基礎ではなく束が沈下しますので、床に傾きが起こる原因にもなりま
>す。

 施工業者にしっかり確認してみます。
 つくづく素人が家を買うことがどれだけ大変なことかがわかりました。でも、貴HPに出会えて感謝しております。
 本当に貴HPは住宅素人にとても解りやすく解説していただけるので、すばらしいHPだと思います。

解説委員やHP運営の皆様、ボランティアとのことですが、私のような住宅素人のため、また欠陥住宅撲滅のためご活躍ご期待しております。
本当に、ありがとうございました。
 その後  
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