相談概要 | [氏名] T.S [居住住所] 東京都世田谷区 [相談建物所在地] 同 上 [職業] 自由業 [年齢] 38 [女性] on [構造] 鉄筋コンクリート造(壁式構造) [築何年ですか?] 築 1年以内 [何階建て] 地下1階地上3階 [お住まいの階] 3 [延べ面積m2] 75 [延べ面積坪] [工事請負金額] 5798 [施工者] 建設会社 [お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下 [打ち合わせ何回] 1回 [マンションの総戸数] 30戸以下 [施工者名] Nコーポレーション [販売会社名] Tデザインシステム [設計者名] T.K [監理者名] 同上 |
相談内容 | コーポラティブ・ハウス方式の集合住宅を購入し、昨年末に竣工・入居しました。夫が建設組合の代表理事を務めました。入居後しばらくして、一部の住居から騒音に対する苦情が出ました。その原因は複合的なもので、一部はすでに解決されたのですが、未解決の問題も残っており、その責任を設計・施工会社(コーディネート会社でもある)に問えるものなのかどうかがしこりとなっています。 中でも、共用階段の昇降音が問題なのですが、この階段は片持ち方式で施工されており、音が響くのは当然で、そのことを設計段階でコーディネート会社は説明すべきだったと、問題住居の住民は主張しています。コーディネート会社の見解は、昇降音は一般的なレベルであって設計上の問題はないというもので、もし音をやわらげたいのであれば階段にカーペットを貼ることを提案してきました。しかしこれは施工費とメンテナンスに月々一戸につき5000円以上の負担がかかるもので、また、外階段でカーペットでは衛生上の懸念もあり、全戸の同意は得られませんでした。 問題の住居の住民は、知人の建築家の方にボランティアで、竣工図をざっと見てもらったり、彼らの住居内や共有部をみてもらったりしたそうです。本当にざっとみてもらった限りなのですが、図面にかなり抜けがあることや、設計・施工上に無理や安普請過ぎる部分があり、今後年数が経るにつれて問題が生じてきそうだ、ということを指摘されたということです。そして、建設組合として、第三者機関にきちんとした調査を依頼することを提案してきました。 そこで、8月の初頭に住民全員の総会を開いて、調査を依頼するかどうかを決議することにいたしました。今回ご相談したいのは、この調査に大体どのくらいの費用がかかりそうかということです。 当物件は敷地面積502m2、建築面積251m2、建築延べ床面積1154m2、容積対象建築延べ床面積688.79m2、地下1階、地上3階、全12戸です。地下1階と地上1階はクロスメゾネット方式の住居になっています。 問題のある住居とそうでない大部分の住居とで意識の差がかなりあり、調査費用の見通しが無いことには、調査をするかどうかの議論もままならないと思いますので、よろしくお願いいたします。 なお、守秘義務は厳守していただけると信頼しておりますが、問題住居の住民はかなりセンシティブになっているので、そのあたりよろしくご配慮くださいませ。 |
yorozuの感想 | |
アドバイザー | |
津村 泰夫 | 大阪で解説員をしている津村と申します 大阪でコーポラティブハウスの設計・コーディネイトの経験があります。 あなたのマンションと同じようなトラブルを幾度か経験しました。人間の作るものですから、設計ミスがあり、施工ミスがあり、監理ミスもあり、建設組合側から何度も責任追及され、深夜に及ぶ会議を何度も繰り返しました。その中でお互いが何度も何度も話し合うことで、お互いの状況を理解し合うことで相互理解につながり、信頼関係を保つことが出来ました。 あなたのマンションでも再度、コーディネーター・設計者側と話し合いをもたれ、解決を見い出されることを期待いたします。 昇降音ですが、防滑性床シートを張るという手があります。塩ビシートの一種ですが各社から様々なものが出されていて、比較的安価で、外部でも問題ありません。音は少しはましになるかと思います。 調査ですが、第3者の調査が必要な場合ですがまずは初回調査「下見調査」をおすすめします。ともかく専門家が概略を見て回れば大きな問題があるか否かが判別出来ますので、本格調査が必要かどうか、またその見積もりをすることが出来ます。私の経験では本格調査の必要のない例が約半数ありました。 |
コメンテーター | |
高尾 正範 | マンションの場合個人住宅と異なり、仕様等においても居住者個々の意見を反映することが難しく、後でいろんな事象が出てくると思います。津村解説員の言われるような方法等において検討されてはいかがでしょうか。調査金額についても概略を多少なりとも把握した上でないと適切な費用の提示が難しいだろうと思いますので私も津村解説員の意見に同じく同感です。今後良き解決に向けて努力されん事を・・・ |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 「よろず」のマンション調査の経験から管理組合に保管されるべき、書類関係が大変すくないことが問題であると感じております。 「下見調査」(予備調査・目視調査・初見調査ともいいます。)は先ず、図面等の内容を確認し、有るべき書類を管理組合から、設計者・及び施工者(コーディネート会社)から受領する内容説明と現地での目視検査(簡単な道具は使います。)、費用は共有部分に限るのか、専有部分も調査するのかで違います。調査員は2〜3人で伺うようにしています。 当然、調査は一切公表はせず、プライバシーは守ることは当然と考えています。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 『建築よろず相談』荻原様 早速のご返答、どうもありがとうございました。 ご親切なご意見、本当に参考になりました。 良い形で解決できるよう、努力してまいります。 調査をお願いすることになりましたら、またよろしくお願いいたします。 先生方にもよろしくお伝えください。 |
その後 |
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