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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0560 ローコスト住宅の筈が

 相談概要 [氏名] TS
[居住住所]     愛知県豊橋市
[相談建物予定地] 愛知県豊橋市(居住住所とは別のところ)
[職業] 会社員  
[年齢] 31   
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[設計者はどなたに依頼しますか?] 建設会社の建築士
[何階建て] 3  
[延べ面積m2] 160   
[延べ面積坪] 48.5
[工事請負金額] 2870
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] 建設会社
[お名前] Kハウジング
 相談内容 今年の5月に土地・建物の契約を交わしました。
私の勉強不足・知識不足もあったのですが、特に突き詰めることなく一通りの簡単な説明を聞き契約しました。

設計の段階で何度となく「出来るだけローコストで」と伝え続けていたので(それが私達の第一条件でした)ローコスト住宅が出来るものだと思っていました。
しかし値段の見積もりを見ると、かなり高額で驚いてしまいました。

坪単価では一概に判断できないとのことですが、坪単価にすると59万円です。
間取り・外壁・内装と全てこだわることなく、建具や窓などもなるべく低価格の物を選び、唯一お願いした部分は「キッチンの床はタイルで」ということぐらいです。
地盤もしっかりしている地域の為、基礎工事に特別費用がかかっているとは思えません。

そこで細かい見積書をお願いしたのですが、「細かい見積書を出すと1つ1つの単価がでるから、家の価格がとんでもなく高くなるよ。」と 言われ「細かくなくていいなら出すよ。」との事だったので、とりあえずは出してもらう事にしました。

ところが、その見積書は内訳が21項目しかない本当に簡単な物で、再度、細かい見積書をお願いしたのですが無理でした。
今の段階で特にモメているわけではないのですが、私としては不信感と不安でいっぱいです。

この価格は適正なのか? それを確かめるにはどういう方法があるか?
どういう請求の仕方をしたら細かい見積書を出してもらえるのか?
このまま、この業者を信用して家を建てもいいのか?

勉強不足・知識不足のまま契約に応じてしまった私も悪いのですが、どうかアドバイスをお願いします。
 yorozuの感想 不安でいっぱいだった私には、一筋の明かりにも感じました。
もっと早くこのHPに出会えていたら・・・と思います。
アドバイザー 
氏原 毅士 この種の相談でいつも感じることがあります。それはローコストの意味についてです。

契約時にたとえば総予算を2500万円でという話し合いを先にしていて結果的に2870万が提示されたなら、もう少しがんばって予算に合わせる努力を業者に求める事は可能かも知れません。

ところが、いったん出来た見積もりの単価や材質を次々にいじって370万分を減額したら、これはローコストではなく単なる安物に成り下がってしまいます。

 相談の件は2×4工法なので例にはならないかもしれませんがコンクリートの打ち放し仕上げは時としてコンクリートに仕上げをするより高くつきます。
 また、タイルは物にもよりますが既成サイズの本石より高価な場合もあります。
 問題は自分のイメージした空間がそれで出来上がるかという事のほうが大切でしょう。

  予算が不明なので、明確にはいえませんが更なるコストダウンをするなら、見積もりを細かくいじるより住宅に対する考え方を先に決定し予算とのバランスを考えた大幅設計変更がいいかもしれません。
 関口 啓介  土地・建物の契約を交わされたとの事ですが、図面も、見積もない状態でされたのでしょうか。それとも建築条件付きの契約であったのでしょうか。
前者では、契約のしようがないので、後者だと思われますが、わかりませんね。

 いずれにしましても、設計図書はありますでしょうか。ある程度の設計図書がなければ、細かな見積は不可能であります。いくら、細かな見積を請求したところで、出しようがないのが、実情でしょう。
 また、その設計図書がなければ、高いか安いか、適正価格であるのかの判断ができないのは、言うまでもありません。

 このような契約で、住まい造りが成功するのは、稀と言っても良いでしょう。
何故なら、白紙委任で、自分達の大切な住まいを、任せてしまう事になるからであります。設計図書の作成と、詳細見積を再度依頼し、応えて頂けないようでしたら、契約解除をされたほうが、良いかもしれませんね。

住まい造りの上で、大切な課程でもありますから、不信感がぬぐえるように、まずは、働きかけてみて下さい。その上で、ぬぐえないようでありましたら、後戻りする勇気も必要です。 
 久保田 英之   一概にローコストと言っても、相談者と施工会社の基準があやふやで進んでいった結果がでてしまったような気がします。
多少、製品が悪くても安ければいいやと思ったところ予想以上に金額がオーバーしてしまったという事でしょうか。

今現在、こんな状態ならば解約して一から出直した方がいいように思います。
相談者が言われるように、細かな見積もりをもらおうとしてもくれない、また相談にものってくれないようであれば話はまとまりません。

但し、見積もりをもらったからといって話がまとまるかといえば、そうではありません。
結果的には、本当に信頼できるパートナーがいなければ満足な家づくりは出来ないと思いますよ。
 藤井 修  自分が思い描く建築を作るには、作る側との信頼関係が第一だと思います。
そこで基本となるのが設計図と仕様書です。設計図は施主と作る側との共通の言葉です。

それに基づいて見積もりを作ります。ですから見積もり明細書を施主に提示するのが普通です。どのような契約内容かは解りませんが、幸いまだ工事着工の前ですから、なっとくが出きるまで話合ってください。最初にローコストと言う曖昧な表現ではなく、予算をはっきりと伝えることも大切だと思います。
 コメンテーター 
山口 雅克 細かい見積り(内訳明細書)が出せない、出すと高くなると言うのは予算に合わせて工事を進めて行こうとの業者の考え方かもしれません。

ローコストにも解説のように色々な意味が含まれます。
私達が言うローコスト住宅は間取りと空間の工夫を重ねて、住みやすい家を創ることと思ってください。
価値観の持ち方によりますので、じっくり考えてみましょう。

基礎・構造(2×4)は当たり前として、屋根・外装は特に耐久性に注意しないと完成後に早い時期にメンテナンスが必要になり、出費がかさみます。
 事務局から 
  荻原 幸雄 グロスでの見積は業者の利益を抜き、抜いた中で仕様を決めようとする方法です。
本来、業者の利益追求は工程管理、施工管理、品質管理、の中で段取りよく、無駄なく、手戻りなく進めてこそ、本来の利益がでるものです。それを、そのような努力無しに先ず、利益をとる方法は信頼関係に傷をつける行為です。傷口が小さいうちにやめることも選択肢の一つかもしれません。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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