相談概要 | [氏名] HK [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [居住住所] 滋賀県O市 [相談建物所在地] 同上 [職業] 会社員 [年齢] 29 [男性] on [構造] 木造(その他) [築何年ですか?] 竣工後半年以内 [何階建て] 2 [延べ面積m2] 106.01 [延べ面積坪] 32.06 [工事請負金額] 1920 [様態] 注文建築 [施工者] 大工(工務店) [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] してない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済書は有りますか?] 有る。 [お手持ちの図面は何枚?] 4枚 [打ち合わせ何回] 10回以下 [施工者名] F工務店建設事業部 [販売会社名] F工務店 [設計者名] 設計工房D |
相談内容 | 洗面所温水用の配管からのお湯漏れ(温水器2次側)で、ベタ基礎内部が6から7cmの水浸しの状態でした。 当初洗面所の壁からの水もれが確認されたため、その上のトイレからの配管水漏れかと思っていましたが、温水が蒸気となリ1階の天井裏に溜まったものと思われます。 写真のように一面水滴だらけで、多数のカビが天井裏・床下コンパネ等に見られます。 壁の中も洗面所しか開けていませんが水滴でカビている状態です。 [業者の見解] 1週間有れば直せるとの事で、カビはどうするのか尋ねると、「拭きます。」との返事でした。 これだけのカビを拭くだけでは納得が行かないので、建築調査を行なう事をしぶしぶ了承させました。 [相談内容] カビた柱や金物はどの様に対処するべきでしょうか? 梁にも著しいカビが見受けられますが、梁の交換も絶対にするべきだと思っています。 どの様に交渉していけば良いか、今この場で何を相談したら良いかもさっぱり分かりません。 考えられる損害と対処法を詳しくお教えできないでしょうか? |
yorozuの感想 | なにも分からない素人の人間には、この様なページが何よりの救いです。 相談に回答を頂くだけでも大変な作業とは思いますが、どうぞ宜しくお願いいたします。 |
アドバイザー | |
木津田 秀雄 | 梁のカビは拭き取って消毒(消毒用アルコール)することで十分だと思います。 程度にもよりますが、木材自体は工業製品ではありませんから、少しくらいカビが生えても耐力が極端に落ちることはありません。写真の状況では、石こうボードはかなり湿っているように思われますので、取り替えた方が良いと思います。どこまでの範囲で補修を行なうのか、またそれを誰が判断するのかなどを施工業者と十分に打ち合わせてから作業に取りかかる必要があると思います。 |
清水 煬二 | ベタ基礎に6-7cm水が溜まったということは基礎に水抜き穴がなく、基礎の全般に水が廻ったということだと思います。これを乾かすには、かなり時間もかかると思います。 基礎パッキン工法という土台と基礎の間にパッキンを入れて基礎の全周で通気をとるタイプなら通気も良いのですが、床下換気口で通気をとるタイプは、部分的に淀みも多くさらに時間が掛かると思います。 特に洗面所は浴室などとつながり、基礎の立ち上がりも細かく入り風通しの比較的悪い場所に配置されることも多くなおさらです。 床下換気口なら、その換気口の部分に換気扇をつけてもらうなどの対策も必要だと思います。ただし、これから梅雨に入りますが、雨などの湿気の多いときに床下換気扇をつけていると、逆に湿気を呼び込むことになることもありますので、注意が必要です。 ベタ基礎の上の水を処理してもらったら(汲み上げとふき取り等)、風通しを確保したうえで白炭を床下に敷くことも併用されると良いでしょう。 この場合は、炭の入れ替えや日干しによる乾燥を前提として考慮し、袋入りのものがよいでしょう。 カビについては、乾燥させてカビが白くなっても、実際にカビが死滅するには数年かかるといわれています。その間に木材の含水率が20%を越え、温度も20度を越えてくるともう一度吹き返してきます。 カビの問題だけに留まらず、腐朽菌が木を腐らせていくことになりますし、カビの胞子は健康面にも問題を生じさせます。 温度を20度以下に保つのは難しいので、木材の含水率を押える必要があります。 現在の状態では、一週間程度の自然乾燥で含水率20%以下に落とすのはかなり難しいでしょう。梁にカビが見えますが、写真からは、他の部分にカビは見えません。 今後他の部分へ拡大しないためにも、完全に乾燥させることを確認し、カビや腐朽菌を発生させない必要があります。 A 一番早い対応策としては、人体への健康面での影響を考慮しなければなりませんのであまりお勧めいたしませんが、専門業者の消毒と防カビ処理の方法もあります。 B また、我慢できるなら天井を張らずに露出しておいて乾燥と常に状況を把握できるようにしておくことも考えられますが、見映えと、洗面所からの湿気が上にあがるデメリットもあります。 C 洗面所の天井と壁、床下に点検口をつけて定期的に検診してもらうことも方法のひとつです。ただし、誠実にその業者が点検と異常時の対応をしてくれることが前提です。 この場合でも、天井や壁にも炭などの乾燥材を併用してもらい、その乾燥材の入れ替えや日干しの乾燥も行うべきだと思います。石膏ボードや断熱材などは当然のこと金物や他の部材は可能な範囲で入れ替えてもらうことはもちろんです。 D しかし、新築時からの瑕疵であり、まだ入居して半年ですから、腐食している金物やカビの生えている部材(梁でしょうか?他にもあるのでしょうか?)とすぐには乾きそうにない部材は完全に入れ替えてもらうのが一番良いでしょう。かなりの工事になりそうですし、工事中は不便でしょうが、増改築と思えば総入れ替えも可能なわけです。 その主張を、まずすべきだと思います。 できればD,無理でもCの方法を私はお勧めします。 |
コメンテーター | |
山口 雅克 | カビの詳細は写真からは判断しにくいので簡単な方法で済むのか、徹底的に処理するのかは現地調査での判断になるでしょう。カビ処理は専門業者にやってもらう方が安心できます。湿気に関しては早い時期に対処して乾燥させて下さい。カビた仕上げ材は撤去して、木材のカビ処理を行ってから仕上げるのがよいでしょう。瑕疵の担保期間内ですし、明らかな施工ミスなので無償で対応してもらいましょう。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 梁の取り替えは構造的にもできない話しではありませんが、現実的ではない交渉かと思います。 天井仕上げ等を壊しても入念に消毒用アルコールで入念にカビをふき取ればよいかと考えます。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 解説委員の皆様、御忙しい所ご返答有り難うございます。 今回は施工業者との話し合いの末、床や内装を一部取替え、新たに床下換気を設ける事になりそうです。 土台等も本来取りかえるつもりでいましたが、その部分にのみ、防カビ剤での処理をするしかない様ですので、慰謝料等での合意となりそうです。 素人の私共には、分からないことだらけですが、この様なホームページが開設されていることで、とても心強く思えました。 本当に有り難うございました。 |
その後 |
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