相談概要 | [氏名] K.S [相談内容:] 注文住宅の瑕疵 [居住住所] 静岡県Y市 [相談建物所在地] 静岡県Y市 [職業] 会社員 [年齢] 30 [男性] on [構造] 鉄骨造(ブレース構造) [築何年ですか?] 築 1年以内 [何階建て] 2 [延べ面積m2] 191.15 [延べ面積坪] [工事請負金額] 3,500 [様態] 注文建築 [施工者] ハウスメーカー [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済書は有りますか?] 有る。 [お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下 [打ち合わせ何回] 10回以下 [床面積] 200m2以下 [施工者名] Y.K [販売会社名] A工業株式会社 [設計者名] N.T [監理者名] K.R |
相談内容 | [現象] 新幹線が通過すると、2階で震度1程度の横揺れが2秒〜5秒程起こる。 (新幹線の種類による) [業者の見解] 修繕は行うが、必ずしも直るとは限らない。 [相談内容] 2001年3月末に完成した新居に引っ越してきました。(二世帯住宅で、1F両親/2F自分達) 引っ越してすぐ、新幹線(のぞみとひかりの一部)が通過すると床が横揺れするのに気が付きました。 すぐメーカーに連絡したところ、4月中旬頃、振動調査の業者を連れてきて半日程のデータを採取していきました。 5月上旬、メーカーの管理職/技術部の人が説明にやってきました。その説明は以下の内容でした。 建物の固有振動数と、新幹線から受ける振動の周波数が同じため振動が増幅され、震度1程度(60dB)の揺れを感じる。その対応策は2つある。 1.新幹線から受ける振動の影響を受けないように建物の固有振動数を変える。 2.新幹線と建物との間に「振動壁」を設け、振動そのものを受けないようにする。 2の方法は、建物がある状態では難しいので、1の方法を採用したい。 その後、固有振動数を変えるための構造計算が行われ、柱と壁の補強作業をメーカー負担で行うことが決まりました。しかし、メーカーの人間から「これで揺れが収まるとは限りません。そのときは我慢してください」と、言われました。 横揺れに恐怖心を持っていた妻は、半ノイローゼ状態になってしまい、現在は1階で寝ています。(早朝の横揺れを避けるため) この場合、メーカーは善意で補修作業を行うのでしょうか?。 私たちからすれば、メーカーの責任として最後まで責任を持って修繕してほしいのですが、メーカーが「善意」として補修作業を行う場合、あまり強く言うとソッポを向かれかねません。 メーカーの人間からは「お金がものすごく掛かるけど、補修作業をやってやる」という態度がありありと見て取れます。 今回のようなケースの場合は、メーカーに対して、どのようなスタンスを取ればよいのか、ご教授いただけないでしょうか。 |
yorozuの感想 | 皆さんのお悩みに対する解説委員の皆様の熱心なサポートに感心させられました。 「アドバイスが頂ける」というのは何より心強いことです。 これからも頑張ってください。 |
アドバイザー | |
大内 彰 | 新幹線の橋脚から建物までの距離がどのくらいなのか不明なのですが、すぐ近くに建っている場合を想定してコメントします。 近隣に建てられる場合、新幹線による振動は容易に予測されることなのでそれに対する処置や説明がなかった場合、揺れに対する説明を要求しなかった場合はそれぞれ責任と過失があると思います。 この場合はメーカー側がその責任を果たすべくある程度までの振動対策をするべきだと思いますが、振動を皆無にすることは不可能です。(そういう意味で「揺れが収まるとは限らない」と言ったのではないかと思います。これは正しく表現すると「揺れを小さくすることはできますが、限界もあるし、その揺れが気になるかどうかは個人差もあるので”絶対”ではありませんよ」ということだろうと思います。) メーカーの対策をしても全く改善されない場合はその方法に問題があるので更に改善を要求できると思いますが、改善されている場合はそれ以上の対策に掛かる費用についてはこちらからも負担しなければならないと思います。どこまでがメーカーの責任かということは明確にはできないのでケースバイケースで交渉次第ということになるでしょう。 この「揺れに対する配慮」が欠けていたたために生じた補修についてはその多くはメーカーの責任ですが、100%負うべきではないところろをメーカー負担で補修しているのでそれに対しては感謝すべきだと思います。 建物の周囲がどうなのか分からないのですが新幹線側に道路があり、敷地内にいくらか余裕があれば山留壁を地中に構築する方法も振動対策としては有効です。しかし、これも揺れがなくなるわけではありません。 |
堀住 勝雄 | どのような経緯でKS様がこの土地を決められたかが不明ですが、どの土地にもそれぞれ固有振動数というものがあり、鉄道だけでなく大型トラックや移動重量の大きい機械等に共振して揺れる可能性は持っています。新幹線の振動の状況を近隣の数軒の住宅に問い合わせてみて下さい、(出来れば2階で体験させてもらえればいいのですが。)振動が一番少ない家位までは改善の可能性はあると思います。 補修作業中はいろいろな作業員が出入りしたり、家具類を移動したりと煩わしいかも知れませんが、作業を行っている人たちには経緯は関係ありません、あくまで協力的な態度で接していただきたいと思います。 |
藤井 修 | 鉄道や幹線道路付近では列車、車の通行量の影響で建物に振動が生ずる事がありますが、住宅などで事前に調査をする事はまずありません。 たまたま不幸にして影響を受けた場合は、それを改善する責任は業者にあると思いますが、完全に建物のゆれが無くなる事は難しいと思われます。 今回の施工業者の対応は評価できると思います。 |
遠藤 知世吉 | 福島の遠藤と申します。 私も東北新幹線から約30m位の場所に住んでいるため、参考になればと思い回答します。 我自邸は福島駅より1kmほどの所にあり、福島駅に止まる新幹線はあまり問題ないのですが、福島駅に止まらないものは振動を感じます。特に最近は車両が2階建てや連結で走るものの増設等により、揺れが大きくなったと感じます。 近所では100m以上離れている場所の人からも苦情を聞きますので、かなり広範囲に振動があると考えられます。これは周辺の地盤にも影響されますが・・・。また、ノンストップの物は駅構内でも揺れます。しかし、外部においては揺れを感じれません。 各解説委員が話されているように、この揺れを完全に止めることは出来ないと思います。 鉄骨造は揺れによって地震等に耐えるという側面もあります。 相談内容から推測すれば、メーカーの善意といっても良いかもしれません。メーカーの対応は評価出来ると思いますし,もし補強工事を行っても揺れ具合が変わらなかったとしてもメーカーの責任追及は難しく思います。 |
コメンテーター | |
今井 優子 | 各解説員の解説で言い尽くされているようです。 共振の可能性を事前に予測することは困難ですし、揺れを完全に無くすことも不可能です。 揺れに対する事前の説明責任はあったかもしれませんが、揺れ自体の責任は、誰にも問えるものではないようです。(相談内容から推測するに、非常識な揺れ方をしているわけではなさそうですから・・・) メーカーの対応も評価できるものですし、あまり強硬な姿勢をとらず、(かといって低姿勢になる必要もありませんが)メーカーの方と一緒に問題に対処するという気持ちを持つことが大切だと思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 揺れに対するものは船酔い現象を伴うので、精神的にも心配な点、お察し致します。 構造的に問題があって揺れを助長している場合と構造的な問題がなく揺れを起こしている場合とで考え方が違うと思えます。この辺の判断は第三者の建築士に確認してもらう必要があろうかと思います。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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