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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0547 社会的な信用や信頼を裏切る建築士

 相談概要 [氏名] I.M
[相談内容:] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 愛知県西尾市
[職業] 会社員
[年齢] 37
[女性] on
[構造] 鉄骨造(ラーメン構造)
[築何年ですか?] 築 10年以内
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 139.94
[工事請負金額] 2700
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済書は有りますか?] 有る。
[お手持ちの図面は何枚?] 3枚
[打ち合わせ何回] 5回
[床面積] 140m2以下
[施工者名] D建設(株)
[設計者名] (有)K建築計画工房
[監理者名] S.T
 相談内容 [現象]
鉄骨総2階建ての家です。雨が降ると1階の天井からの雨漏りが起こり天井材が水を含み落下しました。
天井落下後もバケツ2杯ほどの水が切れることなく落ちてきました。外壁等に外傷は全く無いので何処から水が進入
しているのかわかりません。

[業者の見解]
設計者には無視され応じません。詳細及び写真は郵送しましたが一切返事もありません。
建設業者に相談したところ設計に従い施工しました。と回答がありました。
建設業者は放水テストを行いベランダやサッシ周りにコーキング材を大量に塗りました。しかし、放水するとまた雨漏りし結局3回にわたり放水とコーキングを繰返し行いました。

現在は雨漏りしなくなりましたが、結局進入経路は解らず、コーキングが劣化するとまた雨漏りするかもしれないと言われました。天井材、天井下地、断熱材が水濡れのため使用不可となったので工事を行いました。

工事費は建設業者が工賃負担とこちらが材料費で費用負担しました。(瑕疵担保は2年なので無料ではできないとの説明)これからのことを考えると根本的な問題を解決しないと不安が残ります。

[相談内容]
1級設計士に依頼し建築したにも関わらず何もしてもらえず、直接建築業者と交渉しています。
設計、監督という名目で設計士に180万円支払いましたが、建築会社と交渉は一切してもらえないし、施工中も意見を言うと素人の癖に文句をいうな!わがまますぎると怒鳴られるし、設計に対する理解が無いと知識が無いことを侮辱されました。(設計士にです)

家相をよく、と依頼しましたが仏間の上にトイレを作り、最後までそんなことは絶対無いとウソをついて建築させ、引渡しの直前に造ってしまったから仕方ない。文句があるなら日本中の家相の悪い人に謝れと言われました。(設計士にです)
人間的に出会いが悪かったといってしまえばそれまでですが、本当に納得が行きません。

知識が無いからこそ助けて欲しくて建築士にお願いしました。でも,自己実現どころか全く意に沿わない物を作られてしまいました。更に、自分の設計した建築物に問題が起きてもアフターサービスはしなくて当然だと言っています。
造りっぱなしでいいのですか?素人の私には何処に責任があるのか全く解りませんが、設計者に責任はないのでしょうか?

このホームページには建築士に依頼すれば施主の手助けになるということが多く書かれてあります。
ここに紹介されている志のある設計士さんには失礼ですが、あえて私は書かせていただきたい。
「建築士なんかをを頼むんじゃなかった。」というのが実感です。

建築士に仕事を依頼する際、建築士との契約の仕方や仕事の具体的な内容を理解できるもの(説明書)など具体的に第三者からも解るようなものがなければトラブルが起きやすくなります。施主はほとんど素人です。他の設計士さんはどうされているのでしょうか?
もしかしたら自分が知らないだけかもしれませんが・・・具体的なものがあれば教えてください。

もしも、もう一度家を建てることができるならば・・・今度こそ自己実現したいのです。よろしくお願いします。
 yorozuの感想 このホームページを見て自分が体験したこととは余りにも違うことが記載されていて驚きました。
できれば建築する前にこのホームページに出会いたかったです。悲しくも素人である私は本当に知識がありませんでした。自分は失敗してしまいましたが、これから家を建てられる素人の皆さんのためにももっともっと充実させていってください。
アドバイザー 
山口 雅克 お手持ちの図面は3枚ですか。建物の維持監理のためにも設計図(竣工図)はすべてを保管しておくことが大切ですよ。今からでも手に入りませんか。

建主、設計監理者、施工者はそれぞれが持っているものを出しあって建物を造って行きます。三者の気持ちが一体となって始めて良いものが出来上がります。今回の設計監理者、施工者を如何にして決定されたのか不明ですが、お気の毒に思います。建築設計を仕事にしている人には色々な建築士がいることを御理解ください。(私のHPに記載がありますので参考にしては)

建主自身が自分にあった設計者を選択するのが重要です。建築士との契約の仕方や仕事の具体的な内容を理解できるもの(説明書)など具体的・・・・とありますが、それを丁寧に説明しない建築士には依頼しないことが一番です。自分で調べるには、国土交通省のHPや住宅金融公庫の解説書などを参考にされるとよいでしょう。

雨漏りに関して:御考えのように、第三者に調査をしていただき、根本的な処置を今のうちにされることをお勧めします。その時点で、原因と責任の所在がわかるのではないかと思います。築10年以内とのことですが、雨漏りはいつぐらいから始まったのでしょうか?原因究明の手がかりになります。地震や台風の後に始まったのなら構造的にも問題があるのかもしれません。

第三者に建築士を選ばれるのでしたら、そのかたを選び間違えないようにしましょう。設計者や監理者に対しての対応を教えてもらうこともできます。

施工者もほとんどの場合は設計通りに仕事をしたと言いますが、細かくチェックをしていくと、そうでない場合はけっこうあります。本人はしたつもりなのでしょうが。
ただ、それを全て監理者が工事中にチェックすることはできません(盗人の番をしに現場に行っている訳ではありません)ので、やはり、人を見る目を養うのしかないのでしょう。建主は素人といえども発注者であり三者の中では立場的に最も強い人ですし責任もありますので、信頼のおける人を選ぶしかありません。信頼関係がなくなれば契約解除でしょう。
関口 啓介 名古屋の関口と申します。

独立した?建築士に設計・監理を依頼しながら、このような結果になられた事は非常に残念ですね。住まい手に依拠せずに、傲慢で不親切な設計者であるならば、途中でも、契約を解除すべきだったかもしれません。
このような建築士が社会的な信用や信頼を裏切り続けているのでしょう。

契約の前には、業務内容を双方で確認すべきでしたね。それにより、設計・監理料も決まるはずです。設計者の責任については、設計上の瑕疵が確認されれば責任追及できるかもしれませんが、そうでなければ施工者の責任において進められると思われます。ただし設計者が知らぬ存ぜぬと言う態度は人道的には許しがたいですね。率先して、対策を練ってしかるべきでしょう。

山口解説委員も書いておりますが、手持ち図面は3枚ですか。それしか、受け取らなかったのでしょうか。それとも、それしか存在していないのでしょうか。
委託した業務がきちんと遂行されていない可能性がありますね。契約書は交わしたでしょうか。契約書の中身と照らし合わせて確認してみて下さい。その上で、納得できないのであれば、設計図書や契約書を持って、弁護士に相談されては如何でしょうか。
 コメンテーター 
遠藤 知世吉 建築家(設計事務所)に依頼する場合、書面にて契約を結ぶべきです。
そして契約を結ぶ時のポイントは内容の把握です。
設計業務委託契約においても、どのような仕事(どんな図面を書くか等)をしての設計料なのかを明確にすべきです。

それにも増して大事なことは人を選ぶということです。
良い物を作ることはやさしいことではありません。
まして一生の間に何回もできることではないので、そのような大事なことを任せられるパートナーと成り得るかを見極めることが大事なのです。

今後の対策としては両解説員の言われることを参考にしてください。
 事務局から 
  荻原 幸雄 一級建築士だからと肩書きを当てにしてはいけません。
この業界は一級でもどうしようも無い人はたくさんおります。また、2級でも木造建築士でもすごい能力を持つ方もおります。

仏間の上にトイレですが、平面図ではご自身はご確認しなかったのですか?
図面が3枚とはおかしな話です。この建築士はあなたが選んだ建築士ですか?

設計監理者とは相性が大切です。相性が悪いとお互いにいいことはありません。
しかし、図面3枚しか施主に渡さないとかはそれ以前の建築士だと思われます。

3枚で何をどう監理するのか?この程度の仕事で160万円は尋常ではないと理解します。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お忙しい中、本当に丁寧な説明をありがとうございました。
迅速な対応に驚いています。こんなにたくさんの解説をいただき感謝しています。

皆さんのような設計士さんがいることを知り嬉しく思います。また、出会いのタイミングが遅かったこと、とても残念に思います。
設計士との契約がいかに大切であるかが解りました。
実際の契約はB5のレポート用紙に手書きで設計料、監査料と金額があり、名前と印鑑があるだけです。

冷静に今見れば、内容は無くただお金を払う念書のようなもののように思えます。
 その後  
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