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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0541 鉄骨造で揺れが心配

 相談概要 [氏名] S.M
[居住住所] 大阪府城東区
[年齢] 33
[女性] on
[構造] 鉄骨造(ブレース構造)
[設計者はどなたに依頼しますか?] ハウスメーカーの建築士
[何階建て] 3
[延べ面積m2] 112
[工事請負金額] 3000
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] ハウスメーカー
[お名前] K住宅産業
 相談内容 [家づくりの相談内容]
重量鉄骨で3階建てを計画中ですが一階部分をオーバーハングにして ガレージにする予定です。
そのオーバーハング部分の強度についてなのです。
かなりの大きさになりますし構造部材が鉄骨ということでゆれに対してしなって強度を保つということなのですが揺れることによってその上の部分2階3階の壁などにひびなどが生じないものだろうかと気になっているのです。

計画している家は間口が5.6m奥行きが8.19mで駐車場に予定しているオーバーハング部分は間口の右側部分に幅2m奥行3.6mとなります。

近くに大きな道路が通っており、地盤自体ゆるい地域で、現在の家では、大きな車が通るたび家が揺れている状態です。そういうところに建てるのでどんなものなのだろうかと気になっています。
よろしくお願いします。
 yorozuの感想 どこに相談していいか全く分からず、メーカーの営業の方に聞いても大丈夫ですといわれるばかりでいちど第三者に相談したいと思っておりました。
大変ありがたく思います。過去の相談も大変参考になりました。
アドバイザー 
大内 彰 オーバーハング部分が2mx3.6mということですが、持ち出し長さが2m程度であれば断面に余裕を持たせて貰えばよいでしょう。この部分でコスト優先にすると心配されているような揺れなど気になる事が生じやすいです。

地盤が緩く近くに幹線道路などがある場合振動障害が出やすいので自重の大きい構造(鉄筋コンクリート造など)にする方法や建物の周囲(地盤面下)に緩衝材を入れることなど振動障害にたいする対策を講じておく方が良いと思います。神経質な方だとちょっとした揺れにも過敏になってしまいノイローゼになる場合もあります。

全然気にしないまたは順応してしまう方もいるので一緒に住まう方とよく相談してください。
山口 雅克 重量鉄骨でブレース構造ですし、ちゃんと設計すれば大丈夫です。地盤がよくなくてもそれに対応した基礎を設計するはずなので心配はいりません。設計能力に疑問があるのであれば第三者の専門家に有料で相談するしかないでしょう。予算的にも無理のある設計にはならないと思います。
 コメンテーター 
星 裕之 木造建築の筋かいのような斜材の入っている鉄骨造をブレース構造といいます。
逆に、そのような材が入らず、柱と梁の垂直な材のみで構成されている鉄骨造をラーメン構造といいます。

ブレース構造の場合は斜め材の耐力によって地震時の骨組の変形を防ぐ構造で、その耐力で力を受けとめる工法です。
逆にラーメン構造は柔かい構造で地震時に柳のようにしなり力を逃がす工法です。

前者は低層鉄骨造に向く工法で、後者は中高層にも対応できる工法です。一般的に後者のほうが柱や梁が太くなり値段は上がります。同じ鉄骨造でも地震時のゆれは多少ちがうでしょう。地震時のゆれに関しては、一時的なものですし、建物の変形量に応じた外装材がありますので適切な設計を行えば全く問題はないでしょう。
逆に、人間の移動や近隣を通る車によって起こるゆれは、地震時と全く考え方ちがいます。それによって外壁にヒビが入るほど変位をするものではありません。

積載・固定荷重によるたわみは簡単に計算できますので、ご自身の望む仕様であるのか構造設計者に確認してください。また、地盤がゆるいということなので、何か基礎を補強されると思います。補強方法によっては、現在のゆるい地盤と支持層を変えることができるので、ゆれを低減できるとおもいます。このあたりをしっかりした設計者と相談されてご希望の仕様によって建築されることをお勧めします。
 事務局から 
  荻原 幸雄 木の幹は重力の法則とおりまっすぐに伸びています。
しかし、光を求める枝たちは重力に逆らい、横に伸びます。

目的のために張り出すのは今回の相談と似ています。目的のためにはね出すのはごく自然です。そのために枝たちは風に『しなやかに』対応して揺れます。建物も同じです。しかし、現実的にはそれをいかに抑え違和感の感じない程度に収めるかは人間の知力でしょう。その知力を全力で出せてこそ違和感のないものができるのだと思います。設計と施工が噛み合えば心配は払拭されると思います。

問題は『全力で知力をだせるシステム』を考えることです。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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