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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0540 家を建てたいのですが何から始めたら・・・

 相談概要 [氏名] W.M
[居住住所] 埼玉県朝霞市
[職業] 会社員
[年齢] 43
[男性] on
[構造] わからない
[設計者はどなたに依頼しますか?] ハウスメーカーの建築士
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 122.37
[延べ面積坪] 37.01
[工事請負金額] 2500
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] ハウスメーカー
[お名前] Hハウス
 相談内容 [家づくりの相談内容]
初めてお便りします。Wと申します。

1.状況
私は43歳独身の会社員で70を超えた両親と両親の家に住んでいます。
父の具合が悪く入院中です。そこでバリアーフリーの家を年内中ぐらいに同じ所に建てたいと思っています。

2.相談
東武東上線志木駅に近いので志木の住宅展示場で「Hハウス」「Pホーム」と2ヶ月程度話し合っていますが、今年中に立てるならもう契約しましょうと迫られています。
自分なりに調べるとまだまだ調べたり、色々な証言をハウスメーカーから取りたいと思うのですが、素人の悲しさ「何をしたら良いのか?」「どこがポイントなのか?」が分かりません。

取りあえず「土台のコンクリート量」「契約書を見せて下さい」とは頼みました。
しかし、なんか不安です。こういった相談が多いのか少ないのか分かりませんが、連絡頂けると助かります。
(※Hは急いでいて、3月31日(今日のメールで4月2日午前中に延長)までに契約したいといっています。
100万円位手付に欲しいようです。お金は用意してなかったのですが何とか成ります。
しかし、このままHに決めてしまうのに不安があります。よろしくお願いします)
 yorozuの感想 すいません、感想が書けるほど見ていません。今後見せていただきたいと思っています。
アドバイザー 
山口 雅克   先に契約の時期についてですが、Hハウスは自分の事情(会社の決算期?営業マンの成績〆切り?)で貴方に契約を迫っていませんか。年内といっても後9か月もありますよ。11月末に入居としてもハウスメーカーであれば7月着工でも間に合うと思います。間取りや子細を決定するのにはまだ2か月もあります。急ぐ必要はないで しょ う。

 ポイントと何をしたらいいのかに関して: どのような住まい方をしたいのかをハッキリしましょう。望むことを箇条書きにして 読み返し、重要なものから並べてみましょう。それを設計担当者にみせるといいです よ。それと、よろずのメンバーのHPを見てみませんか。ポイントは書いてありま す。  

間取りができたら第三者の設計事務所に間取りと仕様をチェックしてもらうのも良いかもしれません。(費用はかかりますが)場合によっては監理までコンサルタント をお願いしてもよいでしょう。バリアフリーも家族の状況で設計内容が違ってきます。それを本当に理解している 設計者と巡り合えなければいい結果はえられません。お父様の状況をどの程度考慮すべきなのかよく解りませんが、段差がなくて手摺が付いている程度では不足があるのではないでしょうか。

 土地が用意されていますので専業の設計事務所に依頼されてもいいと思います。
善養寺 幸子 先ず、契約をする前に。家を造る方法論を検討しましょう。
 家づくり、大きく分けて3種類の方法があるかと思います。

 Mさんが今検討しているハウスメーカーの方法。これ1の方法としましょう。
 これは設計と施工が一体で、建材も限定された中での家づくりです。住宅展示場に行って、施工例のサンプルも見れ、気に入れば現実感があって良いでしょう。ただ、各メーカーによって施工方法や建材が限定されていますので、メーカーによっては耐火建築物が出来ない。間取りや空間が限定される。素材も合板や新建材が多く、自然素材やセット品以外の設備や建材を選べない等、制約があることが多 いです。どのメーカーにするかは、そこの製品の特性を充分知る必要があります。
 比較検討している本も出ていますので参考にしてみては?

 そして、2の方法として、従来から多いのですが、地域の工務店又は大工さんに設計と施工を一体で頼む。と言う方法があります。  大きな建設会社ですと、自社内に設計部と言うのがあるところもありますが、大概の工務店、大工さんは下請けの設計事務所に確認申請と言う役所に出す書類づくりを 頼み、確認設計だけを代行して貰う形で施工者が主体で家づくりをする方法です。
 この場合ですと、建材が限定されることも構造が制限される事もないと思います。  

  地域の施工業者ですので、アフターケアの面ですぐ来てくれると言うメリットはあ るかと思います。ただ、センスの面や技量面などは、素人目には判断しにくく、何が出来るか不安という面もあるでしょう。

 1,2の方法いずれにせよ、設計と施工が一体ですので、工事中の監理と言うのも 施工者側の建築士が行いますから、施主の立場に立った第三者的な監理とは言い難 く、 この方法を取る場合は、施工時の監理については、自ら第三者の建築士を選定し監理者にするのが安心を作る良い方法かと思います。(法律で、監理者は建築主が選定する事になっていますから、注文住宅の場合、施 工者と別に監理者を選定するのは建築主の責任です。)

 そして、3の方法として、設計を設計事務所に頼み、施工を地域の施工業者に依頼する。設計と施工を分離して発注する方法があります。この方法ですと、設計者は施工者の下請けの立場ではありませんので、施工者の立場で設計する事もありません し、 監理も含めて依頼した場合、第三者の立場で監理を行いますので、施主の立場で施工 を見ていくことになります。

 設計に関してはそれを専門の業としているので、Mさんの場合、バリアフリーに係わっているのでしたら、それを得意とする設計事務所に依頼し、お父様の体の動きに あわせた動きやすい、介護しやすい、対外的に言うバリアフリーではなく、オリジナルの自分たちの体にあった暮らしやすいマイホームを設計して貰ったらいかがでしょ うか。  
このような一品対応の住宅づくりは、ハウスメーカーの設計部や施工中心の工務店には難しいと思います。

 何を注意すべきか悩んでいるのであれば、設計施工一体の大きな工事額の契約では なく、自分たちの悩み、抱えている現実、これからの将来を理解してアドバイスを含めて設計をして、監理をしてくれる建築士をさがし、工事費から比べれば少額の設計監理契約をして、納得のゆく設計(間取り、仕様、設備、構造など)をしてから、そ の建築士のプロの目を通して、技量のある施工業者を選定して、第三者の立場で監理 をしてもらい、安心して工事を進めたらいかがでしょうか?

 設計費は高いというイメージがありますが、ハウスメーカーや確認代行の簡易設計とは違い、自分たちの住まい方を考慮してゼロから作る家づくりです。最初から、出来上がった後々まで付き合っていきます。施主にとって家づくりの強力な片腕です。

 私の感じるところ、施主の建物への要望は90%、設計によるところだと思いま す。 ●動きやすい導線●地震に強い構造●耐久性のある工法●省エネルギー住宅●化学物質の出ない素材●快適な環境●使いやすい設備などなど。

 その上で、それらが適正な価格で見積提示されているか、きちんと施工されているか等は監理への要望です。それを思えば設計費監理費は決して高くありません。

 Mさんの場合もう一度冷静に良く考えて、今の契約形態が自分たちに一番良い方法なのか検討してから契約した方が良いと思います。家づくりは一世一代と大出費と言えます。納得が行かないままに安直に流されて後々後悔するにはあまりに痛いです。  
 もう一度、時間かけて広く見て仕切直して見てはいかがでしょうか?  設計事務所もイメージ的には敷居が高いのですが、会ってみると皆さん気さくです。  数人訪ねて話をしてみるのも良いかと思います。ハウスメーカーの営業とは全く違うことを感じると思います。

 メーカーの営業は契約までが仕事ですから、その人が良い人でも最後まで責任は取ってくれません。建築士は設計監理が仕事ですから、建築の最後の最後までが責任ですので、直接、建築と関わる人が信用できるかが重要ポイントだと思います。
 それでも縁あれば、Hハウスも良いでしょう。  ご自分のためにもお父さんのためにも、暮らしやすいバリアフリー住宅を建ててく ださい。家づくりは大変です。ですから、これを楽しまないと損です。良い建築士と出会うと家づくり楽しいですよ。これからがんばってください。
 コメンテーター 
畔上 廣司 山口、善養寺解説委員お二方の仰るとおりです。契約を急ぐ必要は有りません。
もう一度、冷静に考え、契約形態を再度検討することをお勧めします。

 また、「家づくり」のポイントは、ご自身であれこれ研究する事も大切ですが、やはり、建築設計と監理に秀でた良き相談相手を得、共に建築について学び関わって行くことでしょう。

 どうしても、ご不安であるなら、納得行くまで専業の設計事務所にご相談下さい。
依頼主とのご縁もありますが、専業の設計事務所の建築士は、建築主(依頼主)の良い聞き手であり、良き助言者となり、良き唯一のパートナーになり得るのです。

 バリアフリー設計住宅をお望みとのこと、親孝行できると良いですね。
しかし、住まいを建て替えする場合、引っ越し等の移動がつきもので、お年寄りにとっては結構、気苦労や負担が多く重なります。仮住居での環境変化、生活面の維持等、健康に十分注意して上げて下さい。
 では、「不安のない確かな家づくり」を目指して下さい。
 事務局から 
  荻原 幸雄 わたくしどもでは「早く契約してください。」とはいいません。 「慎重にじっくり考えてください。」です。
早く!という言葉はクライアントの気持ちを理解していないということです。 もう一度、自分のペースで考えられる体勢を考えてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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