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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0531 バリアフリーにすると、全て引き戸?

 相談概要 [氏名] T.M
[居住住所] 長野県埴科郡
[職業] 会社員
[年齢] 21
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[設計者はどなたに依頼しますか?] 専業の建築設計事務所
[何階建て] 2
[延べ面積坪] 53
[工事請負金額] 3000
[様態] 注文建築
[施工業者はどちらに依頼しますか?] 大工(工務店)
 相談内容 [家づくりの相談内容]
この度両親がバリアフリーの家を建てる事になり,親戚の建築士に設計を依頼する事になったのですがその方に、”バリアフリーにすると,床に傷が付くので、全て引き戸にしなければならない。”と言われてしまいました。
通常のドア(すみません,言い方がわからないのですが,ドアノブがついている洋風タイプの扉です。)でバリアフリーにすると,、そんなに床に傷がつくものなのでしょうか??
他のハウスメーカーにも見積もりを依頼していたのですが,他ではその様な事を言われた事がなかったので困惑しています。

”ドアにしても傷防止の為に隙間を作らねばならない”とも言われました。すきまが出来る様では寒くて困ってしまいます。
バリアフリーのお宅はかなりの数があると思うのですが,やはり隙間を作っておられるのでしょうか・・・?
間取り上引き戸に出来ない部分もやはりありますので、ぜひともドアにしたいのですが・・。
どうぞよろしくお願い致します。
 yorozuの感想 今までも何度か参考にさせていただいています。
あと、充実したリンクも家をこれから作る私どもにはとても勉強になるHPばかりでとても参考になりました。
アドバイザー 
山口 雅克 そちらの地域はかなり寒い気候なのですね。
引き戸にしても、ドアにしても下部には隙間ができてしまいます。

 ドアの場合は開く部分の床に多少の不陸があるので5〜6mmは隙間を空けることが多いのです。引き戸でも戸車の納めの関係で3〜5mm以下の隙間ができますし、枠の廻りはドアよりも隙間は多くなります。九州にいる私はどっちもどっちと考えています。

 ドアの部品に、閉めるとドア下から気密用の部材が出てきて隙間を塞ぐものがあります。コストはかかりますが全体の予算からみるとたいした話ではありません。

 引戸でもドアでも工夫をすれば解決がつきますよ。

 ドアにも、片開きだけでなく、折戸みたいにスイングして開き車椅子でも使いやすい造りの物もあります。
鎌田 明彦 バリアフリーとのことですが、どこまでの仕様をお考えでしょうか?

 1.通常の生活において、危険な部分をなくす。
 2.介護が必要な際に使いやすくする。
 3.車椅子での移動を考慮する。

 上記3つのケースを上げてみました。

 1.の場合の対策
 床の段差をなくす。どうしても段差の出来る所(階段、玄関、浴槽)は、極力小さくして手摺を付ける。 

 2.の場合の対策
 1.に加えて、通路(廊下)と開口部(扉)の幅を広くする。 生活に必要な水回り(便所、浴室)の配置を考慮する。

 3.の場合の対策
 1.2.に加え、玄関は段差を無くしスロープとする。
 上階を使用する場合は、階段に昇降器具を備える。
 扉の開閉方法を考える。

 思い付くままに挙げてみましたが、まだまだ色々なケースがあり、対策も有ることと思います。

 お訊ねの扉に関してですが、開き戸(ドアノブ付)の場合、床との隙間は通常5mm〜10mmだと思います。5mm以下では扉自体の重さと開け閉めの際に加わる力で、曳きずるおそれがあります。建設地において5mmの隙間はどうでしょうか?扉の下に付ける隙間風を防ぐ部材(刷毛の様な物)も有りますので、ご検討下さい。

 バリアフリーの住宅を考えた場合、引き戸の方が利点が多い様に思えます。 開口幅が広く取れる。両側からの開け閉めが容易。開いた状態の扉にぶつからない。
 親戚の建築士さんはそこ迄考えたのではないでしょうか?

 バリアフリー住宅の設計の打ち合わせの場合、ご本人を前に「介護」とか「車椅子」は発言しにくいものです。その辺を回りからサポートしてあげて、良い家をお建て下さい。
 コメンテーター 
笠原 歩 隙間についての注意は各解説の通りです。バリアフリー対応を謳った建具はいろいろ開発、販売されています。ご自宅での使い勝手をよく考慮され、適切なものを選択してください。
 事務局から 
  荻原 幸雄 親戚の建築士の方の床とは扉の靴摺りを一般の方にわかりやすくするために床と言ったのかもしれませんね。
既成の扉はセットで靴摺りはついていますが、バリアフリーにするときはこれを使わないで施工します。
そのことをご存知ないのかもしれません。靴摺りはセットなので使うものと考えているのかもしれませんね。

靴摺りをつければ当然、バリヤーになるのでこれは傷つきます。車椅子のご利用される方がその家で生活する場合の行動をよくイメージして扉が本当にいいのか、考えてください。

片開き扉の場合、車椅子は大変使いづらいものです。その使いづらさと寒さを天秤にかけ、後悔しない扉を目指してください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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