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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

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No.0521 契約を解除した方がいい施工レベルか?

 相談概要 [氏名] T.H
[有償個別 相談内容] 建売住宅の瑕疵
[居住住所] 神奈川県鎌倉市
[職業] 会社員
[年齢] 37
[男性] on
[構造] 混構造
[築何年ですか?] 工事中
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 94.42
[様態] 建売り住宅
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[お手持ちの図面は何枚?] 10枚以下
[打ち合わせ何回] 2回
[施工者名] S
[販売会社名] S
[設計者名] F.F
[監理者名] F.F
 相談内容 [現象]
1.アンカーボルトの配置不具合及び長さ不足
2.土台と基礎天端との隙間について
3.土台欠損(刻み込み部分あり)について。
4.施工不良

[業者の見解]
1.補強としてプレートを利用してそのままアンカーボルトを使用し、かつケミカルアンカーを打ち込む。
2.モルタルを充填する。
3.通常土台の寸法は10.5*10.5角のもので、今般使用したものは10.5*27角であり、アンカーボルト部分の刻み込みは遺憾ながらも土台の性能には何ら問題ない。

[相談内容]
昨年11月に建て売り住宅を契約、1月末に建築診断をする業者に骨組みが終わった時点で建物の診断をしてもらう。その際に写真のような状態が発覚。

建築診断士は契約を解除した方が良いと勧めるが、非常に迷っている。売り主は補強することを提示してきたが、実家が阪神大震災にあっており強度がどの程度確保されるのかが非常に心配のところ。

売り主はこちらからの要求は出来る限り受けると言っているのだが、どの程度の要求を出したら、耐震効果があがるか今ひとつ把握出来ていない。写真を見ての状況をどの程度と見られるか、また、対応策としてどの程度の補強を必要とするのかをご相談したい。





 yorozuの感想 今回、このような事態が起きいろいろと調べていくと、日本の建築業界に私のような事例が山ほどあることを知りました。このような事例が多く集まり、今後丈夫な建築物ができるような、法律規定が出来ていくことを強く望みます。
アドバイザー 
鎌田 明彦 相談に対する回答と言うより、一設計士の意見として捉えてください。写真を見て、まだこの様な施工業者が居るのかと、憤りを感じました。専門の方に診断して貰って良かったですね。私も診断士の方と同意見、解約をお勧めします。アンカーボルトのズレと本数の不足は致命傷です。基礎自体もずれているようですね。土台の欠損、明らかに危険です。基礎と土台の隙間、手抜き工事です。柱の継ぎ手も切り飛ばしてますね。基礎工事の欠陥の上に、木工事の手抜きが積み重なっています。

職人が手抜き、施工管理も手抜き、さらに工事監理も手抜きです。補強の方法もないとは申しませんが、この様な施工状況ではその後の工事も信用できません。仕事に対する責任感と誠意が欠如していると判断いたします。問題も生ずると思いますが、この物件は解約することをお勧めします。貴重な体験(勉強)をされた訳ですから、心新たに安心できる良い住まいをお探し下さい。最後に手前味噌になりますが、安心できる住宅を手に入れるためには、信頼できる設計事務所に、設計と監理を委託されるのが最良の方法と思います。此処に相談されたのも縁ですから、あらためて近くの建築家に相談されては如何でしょう。
中川 雅実 T.Hさん こんにちは、神奈川解説委員の中川です。

写真を見せていただき愕然としました。構造が混構造であり鎌倉と言う地域がら、傾斜地に建設されているようですが、設計・施工とも非常に高い技術能力が要求されます。設計図書を考察しないと断定できませんが、その能力に満たない設計者・監理者・施工者が受注された様に思われます。傾斜地の、のり面を削り土に接するので鉄筋コンクリート造(RC)にする、RC造により木造柱が長い分柱を切り高い位置の土台(梁)の上に乗せる。土台が大きいのは梁の延長として使用しただけで、防腐・防蟻処置材ではありませんのでどの様に考えているのでしょうか?

耐震の要素として、柱の長さ(階高)はどの面も同じでないと、長さが変わることにより短い柱ほど応力が大きくなるか、長い柱の変形量が多くなりねじれが生じますが、その点を考慮して設計されているのでしょうか?図面枚数からも不安に感じます。現在の状況では、金物で補強してもアンカーボルトと土台の緊結は十分に達成されないでしょう。アンカーボルトの位置や長さの不良、2階柱のほぞ無し釘打ちををされていますが浮いている状況であり、あらゆる所にくさびを用い無理矢理接合させようとしていますが、無理に接合させることにより内部ストレスとして蓄積され、完成後欠陥として表れることは間違いありません。皆さんの言われるように、これから20年・・・30年と住まわれる住宅であれば解約をお勧めせざるを得ません。このまま補強して完成させても、欠陥住宅に泣かされるのは目に見えています。是非、お近くの第三者建築士に相談して下さい。
 コメンテーター 
大内 彰 私も現状では補強しようがないとしか思えません。例え見えている部分を修繕したとしてもコンクリートの品質や配筋の状況も確認できませんから安心する事はできません。早急に処置される事を勧めます。
 事務局から 
  荻原 幸雄 大変、重大な状況だと思われます。この程度の技術レベルでは終了した、コンクリート配筋も信頼できませんし、その後の工事も信頼はできないでしょう。早急な決断が必要と思われます。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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