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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0518 2.6mの私道に家は建つ?

 相談概要 [氏名] S.M
[居住住所] 神奈川県横浜市港北区
[職業] 専業主婦
[年齢] 28
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[築何年ですか?] 築 30年以上
[何階建て] 2
 相談内容 [現象]
家は川のそばの地盤が悪い土地に建っている木造一戸建てな為、床下の悪臭・服がかびる程の湿気でかなり老朽化が進んでいます。15年ぐらい前に近所の工務店らしい所に2階部分の増築をお願いしたところが、手抜き工事なのか今はひびが入り傾いています。(今は夜逃げしてしまいました)そのせいで増築部分の1階には空かない窓があります。将来的に2世帯に建て直しをするという事で主人の両親と同居し、30坪ぐらいの土地に建っている家に4人でいます。

家は2.6mの私道を北側にして面していて、隣の家で私道がほぼ行き止まりになっています。その私道というのは6m道路に通じているのですが、我が家から公道までに並び3軒、道をはさんで向かい側が4軒並んでいます。家を建てた30年ぐらい前は各自の車を家の前に駐車するぐらいの道幅があったそうですが、入り口に当たる家(道をはさんだ並びの公道に面した家)が屋根付きの車庫を作り、入り口が狭まってしまい、今では次々の家で玄関を前に出したり、広げたりで全く車が通れる幅がなくなってしまいました。

その為、建て直しをするには公道までの家から、将来はセットバックし4m道路にするというお認めのハンコをもらわないといけないそうなのですが、入り口を狭めた家がどうしてもハンコをおしてくれません。入り口を狭めたりいじわるをする為、後ろの家からかなりの反感をかっていて、それをわかっているので、尚更意地になっているようです。

[業者の見解]
一軒でもハンコをもらえない場合は、正式な家を建てる事が出来ないと言われました。
ある不動産やさんは並びの家を競売物件で購入し、建て直しをする為に入り口を狭めた家に行き、じっくりと説明をしたんですがハンコをもらえませんでした。次に200万円を持ってお願いに行ったそうですが、それでも受け入れてもらえなかったそうです。

[相談内容]
家がとても古く、生活環境がとても悪いです。これから先子供が出来た時の事を考えると、環境・居住空間に大変不安を感じています。一刻も早く2世帯住宅を建てて、当たり前の生活を送りたいのです。

その入り口を狭めた家は老人夫婦が住んでいるのですが、子供が居ないため将来は親戚の人に墓を守ってもらう代わりにその家を譲るという話です。その親戚とやらも同じような人間だと、私たちは一生この不安定な家に住まなければいけなくなってしまいます。問題の家がセットバックするというハンコをおしてくれないうちは、絶対まともな方法で家を建てられないのでしょうか。
(他の家はみなさんハンコをおしてくださるそうです)
 yorozuの感想 「今までの相談」の一覧を見ていて、詳細を見ようとしたところ後の方の番号になったら、その番号じゃないものの詳細がでてきました。「もどる」をしたところ一覧画面の前の画面に戻ってしまいました。あと一覧では、キーワードの色を変えたりすると、細かい一覧から見たい内容のを探しやすいと思います。
アドバイザー 
小松原 敬 神奈川相談員の小松原です。

問題の道路ですが、行政上、どのような扱いの道路なのか確認する必要があります。4mより狭い私道であっても道路として認可されていれば、2項道路という規定で他の家にかかわらず、自分の家が道路中心線から2mのセットバックをすれば建てられます。おそらく、道路としての認可を受けていない道路なのだと思います。この場合、役所に「43条但し書き道路」の申請を出すことになるのですが、その時どのような要件が必要になるかは個別対応だそうです。現状が車が通れない状況ということなので、役所としても現状はともかくせめて将来は広げる、という同意書をほしいという事ではないでしょうか。但し書き道路の認可に関しては、最近の法改正で建築主事だけの判断ではできなくなりました。

審査会が2ヶ月に1度くらい開かれ、その審査会で審議されるので結構面倒な手続きになりました。(手数料も数万かかります)ただ、誰かが但し書き道路の認可を受ければその道路に関しては、次からはそのような手続きはいらなくなります。(不動産価値も上がります)入口の家は6mの道路に面しているので認可がなくても家を建てられますが、横の道路が道路として認可を受ければ、角地緩和といって容積率を10%増やして家を建て替えることができます。その意味でもメリットがあるでしょう。(不動産価値としても)したがって、但し書き道路の認可を受けることはその道路に面しているすべての家に利益をもたらすことになります。廻りの家すべてで話会いをして、認可を受けるように働きかけてはいかがでしょう。どうしても入り口の家が同意しない場合、連名で役所に交渉するということも考えられます。

入口の家以外の家が2m以内に塀などを建てているのであれば、それを即座に撤去しますとか交渉材料をもっていって・・・結果はわかりませんが・・・(老夫婦ということなので、そう遠い将来ではなく住人が変ることもあるでしょうし)また、現状で車が入れないという状況は工事費のアップにつながるという事は事前に御了承なさっておいてください。
中川 雅実 こんにちは M.Sさん、神奈川解説委員の中川です。

現在お住まいの確認通知書はお持ちでしょうか?私道と言われていますが、専用通路や昔の位置指定道路等があり、官地や私有地によっても違いが有りますので、人任せにせず自分の足で北部建築事務所・法務局等で、私道がどんな扱いになっているのかを調べて下さい。
 久米 能子 私道の道路後退についての各戸の同意(押印)は、43条但し書きの法改正によるものではないのでしょうか。43条但し書きが改正されて、「道路」に2メートル以上接道していなくても建築できるケースが広がりました。つまり、位置指定道路になっていなくても、建築できるような場合が増えたということだと解釈していますがちがうでしょうか?

今回の法改正により、4メートルに満たない幅員の私道においても、地方自治体によっては、その私道に接道している各住戸が将来建替え時に中心から2メートル後退する旨の協定を結んでいれば、建物の構造や階数に制限はあっても、建替えを可能にしているところがあります。これは、そのケースではないのでしょうか。角の家がなかなか押印してくれないというのは良くあるようで、地方自治体によっては、角の家の押印は必要としていないとか、また、必要としてはいるものの、どうしても協定に同意してくれない場合は、その説得や説明についての経過説明書を提出することで、建築可能になるケースもあります。(兵庫県でのはなしですが。)何れにしろ、この法改正は、これまで建築ができなかったようなところでも、できるようにしようという趣旨の救済措置です。

市役所に道路のことを調べにいかれるときに、事情を説明してご自身で納得がいくように、相談してご覧になられるといいと思います。 
 コメンテーター 
松山 達也 自己解決以外にも、建築家を交えて交渉にあたる方法もあるとおもいますので検討されてはいかがでしょうか。
 事務局から 
  荻原 幸雄 結論から申しますと、建替えられます。ご心配しないでください。
住宅地として長年使われ、また、一人のエゴの為に奥の住人の建築できる権利を奪うのは、法の平等に反します。ただ、その手続がその道路によって違いますので、役所に確認して、対応してください。多少、手続が面倒な場合もありますが、ご安心してください。

それにしても哀しいことです。6m道路に接しているから4m道路は必要ないので屋根つきの駐車場にしたのでしょうが、社会を構成する大人としてはふさわしくない行動ですね。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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