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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.0510 通気工法の縦胴縁と横胴縁の違い

 相談概要 [氏名] I.N
[相談内容:] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 名古屋市緑区
[職業] 大学教員
[年齢] 37
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[築何年ですか?] 築 1年以内
[何階建て] 2
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。
[確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済書は有りますか?] 有る。
[お手持ちの図面は何枚?] 50枚以上
[打ち合わせ何回] 30回以上
[床面積] 250m2以下
[施工者名] Y建設
[設計者名] Y.S
[監理者名] Y
 相談内容 [現象]
 昨年の8月に家を新築しました。家を建てるにあたり、高気密・高断熱の家にして下さいとお願いし、それに伴い壁内通気工法を採用してもらえるように合わせてお願いしました。建築中に現場を見に行くと、外壁を止める為の胴縁が横に入っており、その場にいた現場監督さんに、『これで通気がとれるのか?』と確認したところ、『大丈夫です。』との返事だったので、その場はそれで終わりました。

 しかし、最近になり、ある知人とこの話をしていたところ、『やはりおかしいのでは?』ということから、建築関係の書籍や雑誌などを見てみたところ、壁内通気工法では縦胴縁の図しかみあたりませんでした。
 そこで、昨日、建築会社の方に来て頂き、このことについて説明を求めました。その説明の際には、壁内通気工法を行うときに、横胴縁を使うことがあるのか? もしあれば、それはどんな時なのか? それを、文献で提示して下さいとお願いしました。
 その内容については、下記に記します。

[業者の見解]
 まず、提示して頂いたものは、『ニチハ』という外壁材などを扱っているメーカーのカタログでした。そのカタログの『施工方法』のところに、壁内通気工法における横胴縁のやり方がありました。それによると、横胴縁180cm毎に4cmの隙間をあけて行うと記載してありました。
 結論から言えば、そのようにやってあるとのことでした(その時に、このカタログを見ていたとは思えませんが・・・)。さらに、横胴縁を選択した理由として、外壁のサイディングを縦張りにしたかったことを上げました。我が家の場合は、サイディングの上に吹き付け塗装を行っているので、その仕上げのことを考えてとのことでした。

 ちなみに、我が家の外壁の構造は、室内側から、クロス、プラスターボード、構造用合板(7mm、商品名はスターウッドと言います。)、2X6の壁の中に90mmの断熱材(サニーライト(旭化成から出ている断熱材の商品名):発砲スチロールと同じようなものでした)と50mm程度の空気層、スターウッド(9mm)、防水シート、壁内通気層(これが問題です)、サイディング、その上に吹き付け塗装という構造です。

[相談内容]
 今回ご相談したいことは、我が家の施工法(横胴縁)で、壁内通気が充分に行われているのだろうか?ということです。横胴縁になっている以上、縦胴縁のようには効率よく行われていないとは思いますが、私は必要充分であれば問題はないと考えております。なお、上部換気口は、軒天に設けてあります。
 今回の相談では、いわゆる壁内通気の『効率』ということになり、一口に『良い。悪い。』ということにはならないかもしれませんが、どうか、良いアドバイスを宜しくお願い致します。
 yorozuの感想 今回のように、家(建築)のことに関して相談がしたいと思っても、私の周りには相談が出来る専門家がいませんでした。家を建てて頂いた建築会社に相談をしても、私のような建築に関する知識の無い素人では、『言いくるめられる』というと表現が悪いかもしれませんが、そのような可能性が無い訳ではないと思っています。やはり、第三者的に的確に判断して頂けるところが無いと安心できないと思います。このような思いの人は非常に多いように思います。
 そんな折、このように相談ができるところがインターネットで見つかり、非常に心強く思っています。私のみならず、私のような思いの人のためにも益々ご活躍されることを期待しております。
アドバイザー 
善養寺 幸子 外壁側通気層の問題ですが、確かに基本的には縦胴縁にするのが良いでしょう。
しかし、今回のように横胴縁だったとしても縦方向に通気できる様になっていれば、効率が違うとしても大きな問題はないかと思います。懸念されるとしたら、外壁裏側に結露した場合に結露水が横胴縁に阻まれて落ちにくいと言うことがあります。外壁板が金属板だったりして外壁裏側が極端に冷たくなる仕様の場合は注意が必要です。
ただ、それも内部の気密工事がしっかり行われていれば、問題ないかと思います。

このところ高断熱高気密通気工法と言う言葉だけが知られるようになり、安易にオーダーしますが、この工法は設計者も施工者も細部の納まりまで気を使わないと、反対に結露を起こしたり悪さをします。知識や経験のある方に頼まないと意味がない物になったりします。その業者が経験を持って横胴縁を採用したとしたなら問題はないでしょう。
 コメンテーター 
田所 雄太郎 感想で書いていらっしゃるとおり第三者的な立場で施主と施工者の間に位置する設計監理者が必要です。
設計者から設計に先立って仕様を打合せし施主との合意のもとで設計を仕上げていく。このスタンスを崩すと良い建物をつくることは出来ません。
施工当時の写真があればある程度判断ができると思いますが完成してしまったものについては直しは難しいでしょう。
打合せ回数と設計図書の量を見る限りでは相当量の情報を得ていると思われますが納得がいかれなかったことが残念ですね。

設計の前の段階で設計者と縁のない専業の設計者に依頼してもらい、このような不安なことを少しでも取り去るようにこのサイトでは アピールしているのです。
 事務局から 
  荻原 幸雄 お考えのように『効率』が多少落ちる程度とお考えください。今回、この疑問で横胴縁が扱われましたが、それは『その部分の多少の認識』があったから『疑問』に感じたのですが一般の方が建築全般において『その部分の多少の認識』がどれくらいもてるでしょうか。それが認識できれば建築の専門家になれるはずで、現実は『疑問』に感じるのはごく僅かです。

ようするに『認識』できるから『疑問』に感じるわけで『認識』がないので『疑問』も感じない人が多いのが現実でしょう。今回『認識』があり『疑問』に感じ『質問』したのですが、これら『認識』を変わって見る施主の変わりの第三者の建築士が必要なわけです。それらは貴方が認識できない他の部分も変わって認識し、あなたに通訳してくれる筈でした。
第三者がいない場合は今回のように『良い悪い』ではなく建築の『通訳』がいないことが非民主的だとは思いませんか?
相談者お礼状 
 相談者お礼状 私の相談に対し、早々のご解答頂きまして誠にありがとうございました。
運営事務局の萩原様、今回解説して頂いた善養寺様、そしてコメントを頂いた田所様には大変感謝しております。
有難うございました。
 その後  
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