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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0509 隣地工事の心配事

 相談概要 [氏名] M.Y
[相談内容:] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 東京都世田谷区
[職業] 会社員
[年齢] 30
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[築何年ですか?] 築 3年以内
[何階建て] 2
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
 相談内容 [現象]
通し柱にひび。天井のつなぎ目のずれ。壁の歪み(近隣工事による)

[業者の見解]
家を実際に建ててもらった所に連絡を取っているのですが、まだ訪問頂いておりません。
隣の大学の工事会社には何回か連絡を取っており、写真も撮って頂いたのですが、大学の工事があと1年くらい続く事もあり、家の損傷に関しての対応はまだして頂いておりません。

[相談内容]
2年前くらいに建てた家なのですが、3ヶ月程前から家の隣にある大学で大掛かりな工事が行われたり、1月には隣の一軒家を取り壊したりした事により、振動がここ3ヶ月くらい続き、2階にあるリビング天井のつなぎ目の壁紙がずれたり(天井自体がずれているのか解らない)、通し柱にひびが入って居るのが壁紙の上から解るようになって来ております。
この場合はまず、どこの工事会社に相談をしたら良いか、今後の対応をどのようにしたら良いか、アドバイスください。

・隣の大学の工事は去年の11月から行われていたのですが、あまりの振動のひどさに当方から大学の工事をしている会社に苦情を申しました所、1月の21日にやっと自宅の写真を撮りに来てくれたのですが、その時すでに家の状態が悪くなった後でした。
・隣の一軒家の取り壊しが行われていた際も、「後々に問題が起こった場合、連絡したいので連絡先を教えてください。」とお願いした所、無視されてしまいました。
・家を建てて頂いた工務店には連絡をしているのですが、なかなか家に来て頂けません。工事の振動くらいで柱にひびが入るような状態になるのは工務店の責任と言う事になるのでしょうか?(しかし、この工務店との間に書面による契約書が存在せず、困っている所です)

実際は両親の家なのですが、両親が今回の事で若干参っており、私から相談させて頂いた次第です。上記の項目が余り解っておらず、返答し難い所もあると思います。(申し訳ございません)何か調べる事がありましたら、お手数ですがご連絡頂けると幸甚です。
 yorozuの感想 とても助かるHOMEPAGEだと思いました。すでに掲載しているものの中から似たような案件を探そうとしたのですが件数が多く、探せませんでした。。。目次の項目をもう少し細分化して頂けると幸甚です。
アドバイザー 
松山 達也  「通柱にひびが入っている」との御指摘ですが,通常は壁を剥いで確認しないと分からないような内容です.近年の木造住宅はほとんどが「大壁作り」といって,柱の内外が板で覆われているためです.また,乾燥による割れを防ぐために大工が故意に入れる「背割り」という処理もあります.これらの見極めには,専門家の意見が必要かと思います.

 通常では,建物を解体する振動程度で構造上の重要な部分に「ひび」入るようなものではありません.万が一,構造体に「ひび」が入るとしたら,建物自体が目視で分かるくらい傾き,外壁にもひびが入り,建具などにも相当の問題が生じているはずです.
 以上は,技術的な見解です.以下は,経験的な見解ですので法的な解釈ではないことをご了承下さい.

 「ひび」が入った場所を化粧部分に限ったとしても,建物外部に「ヒビ」が入ったとしたら,金銭的保証を求めてもおかしくないように思います.その際の苦情先は,先ず解体(建設)業者にし,反応が無ければ,次に施主です.一方,心配の「ひび」が,建物内部の化粧部分に限るとしたら,保証を求めるのは難しいように思います.
 保証や確認を求めているにも関わらず,相手の対応が鈍い場合は,因果関係がハッ キリするようにヒビの位置や大きさ,日付が分かる写真を自分で撮っておくことをお勧めします.
 解体業者などは「後々起こるかもしれない問題」まで保証するものではありません.たとえ連絡先を教えてもらったとしても,立証は自分で行う必要があると考えた方がよいと思います.

 さて,「ひび」の正体がはっきりしない以上,責任の所在は分かりません.構造的なひびは簡単には生じ難いという経験と美匠上の問題を「欠陥」とすることが難しいという立場からの意見を申し上げるとすれば,家を建てた工務店にお願いするのは「金銭を支払うべき補修工事」になると思います.原因がハッキリしないうちは,不必要に関係をこじらせるのはよくないと思います.

 余談ですが,私の事務所では,計画物件や立地,近隣との関係によっては,ひび割れなどの調査を事前に行うこともあります.ですが,このような方法は,費用もかかるので,たいへん稀です.
 コメンテーター 
田所 雄太郎 まず、柱は松山解説委員のいうとおりの解釈ができます。
隣の大学は私立大学だと確認申請の時に規模によってですが中高層紛争条例等で世田谷区役所からの指導で近隣に説明義務があると思います。
また、工事車両、重機による振動で近隣家屋に迷惑をかける可能性のある場合は家屋調査をする場合があります。これは外壁、部屋の中の傷、レベルを測定し工事前と後でどう変わったかを比較する資料です。これらは工事前に行なわれていないといつの時点で出来た傷か立証できないのでそれらを主張することは困難です。
 事務局から 
  荻原 幸雄 工事関係者の対応が悪そうですので、この場合はその工事の発注者(大学総長等)に直接現在の状況を説明し、発注者から請負業者にきちんとした対応をするよう申込んでください。その上で因果関係をはっきりさせて解決を図ってください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お忙しい所本当にご丁寧な御回答を頂き、
本当にありがとうございました。
何分、建築関係の事に関しては素人でしたので誰にどう言う風に相談して良いものか、すら解っていなかったので、本当に感謝しております。
頂いた御回答を参考にして、良い形で解決できる様頑張りたいと思います。

本当にありがとうございました。
 その後  
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