相談概要 | [氏名] N.M [相談建物予定地] 岐阜県各務原市 [職業] 会社員 [年齢] 28 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [設計者はどなたに依頼しますか?] 専業の建築設計事務所 [何階建て] 2 [様態] 注文建築 [施工業者はどちらに依頼しますか?] 建設会社 |
相談内容 | [家づくりの相談内容] ご無沙汰しております。以前このホームページでお世話になった者です。 昨今、ようやく正式な設計図を一枚書いてもらうところまで話が進みました。 このホームページで紹介されていた「木造住宅工事共通仕様書」の建築主用冊子を片手に設計図とむきあっていますが自身の多分に私の知識不足もあり、設計図の内容を理解しきれず、自身の不甲斐なさを感じるとともに施主は設計図をどこまで理解していなければならないのか。という疑問を感じています。 また、このような有様では何枚設計図を書いていただき、説明して頂いても結局「そんなものだろう」としか理解できないのではないか。とも感じています。素朴な疑問ですが、皆様が住宅を設計する場合、施主にたいして最終的に何枚ぐらいの設計図を書いているのでしょうか。 |
yorozuの感想 | 頼りにしています。 |
アドバイザー | |
関口 啓介 | 関口と申します。 設計図書は建物により、枚数は変りますが、私の事務所では住宅ですと40枚〜60枚でしょうか。 設計図は、建物を建てるための明確な指示書となります。この指示書に従いながら、打合せ、見積、工事契約、工事及び監理が行われる事を考えますと、非常に重要な物であります。 そのまま原寸(1/1)で描けば、非常に分かり易く、その上を歩いて確認できますが、そのような設計図を作成するには膨大な時間と費用が発生してしまいます。そこで、縮尺図や記号で構成される事になります。(重要な部分は1/5や原寸で描きますが。) 設計事務所に依頼されているのであれば、分からない部分は遠慮なく教えて頂く事をお薦めします。繰り返し教えて貰えばかなり理解が得られるようになります。 初期計画で分からなければ、スケッチや絵、模型などを求めてみては如何でしょうか。契約や、契約条件がわかりませんが、住まい手であるNさんや、ご家族が分からない図面のまま進んでしまう事は非常に恐ろしい事であります。 現在、ご年配のお施主様と設計作業を進めておりますが、お施主様は必ず模型を取り出して、図面が模型のどの部分にあたるのか、確認されます。そのような事をされているうちに、かなり図面を理解されるようになりました。 ご本人の努力もありますが、構造図も理解されています。 そのようなお施主様との設計は、共同作業でこれをああしよう、こうしようと一緒に作り上げる事が可能になるのです。最初から全てを理解できる方は今迄みえませんでしたので、安心して設計者に教えてもらって下さい。 がんばって下さいね。 より良い住まい造りが進められる事を願っております。 |
山口 雅克 | 山口です。 うちの事務所では木造在来工法2階建て40〜60坪の一般的な住宅の場合。 基本設計図A3(新聞1/2ページ大)で3〜5枚。 施主様の理解を得るための設計図。 実施設計図A2(新聞1ページ大)で20〜30枚程度。 工事施工者が工事や見積をするための設計図で、一般施主が理解するには無理がある(わかりやすくはしているつもりだが)。 施主様に細かい説明をする分はプレゼンボードやカタログでの説明をしています。 あまり設計図が多いと大工や工務店でさえ読みこなせない状況があります。 よい家をつくる前段として、基本設計図だけは納得のいくまで設計者と話をして下さい。設計図だけで家ができるわけではありませんので。 |
コメンテーター | |
小松原 敬 | 枚数に関しては、ある程度以上はどうしても必要です。 極端に少ない(例えば10枚以下とか)というならちょっとおかしいですが。 ただ、多ければ多いほど良い(多いというのはエネルギーをかけてるという意味では良いことですが)ということもちょっと違います。 施主さんが図面をすべて理解しなくてはいけないということはありません。 私達は、何年も専門教育を受けて、試験勉強をし、経験を積んでいきそれを図面にするわけですから、それと同等の知識を身につける必要はありません。 (それがあったら私共に依頼する必要はないですし・・・) お医者さんもインフォームドコンセントといっていろいろ患者さんに説明し、患者さんも自分の体については勉強してるでしょうが、医学の知識をすべて身につけるということはないのと同じです。 基本的なことは信頼関係とコミュニケーションです。 自分がどのような家に住みたいか、設計事務所がどのような提案をしているのか、それがお互いに充分に伝わって、図面に反映されているかをよく話しあうことが重要です。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 図面は設計趣旨をお施主さんにお伝えする部分、施工業者(複数)に見積を依頼するために必要な部分、役所に提出して確認を取るための部分、実際に施工する業者の実際に作るために必要な部分などから作られます。不必要な図面は創りませんが、少しでも理解してもらうために創るのですが、全てがお施主さんが解るものでもないかもしれません。 正式に一枚って一式の間違いであることを祈ります。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 詳細な解説ありがとうございました。 身近に設計事務所と共同で住宅作りをした人物がおらず事務所とどこまで話をすればよいものか。という思いやあまりにも膨大な量の設計図を要求しては単に「ひんしゅく」を買うだけではないかとの思いから二の足をふんでおりましたが、ようやくさらなる一歩を踏み出せそうです。 おっしゃる通り、基本設計図一式の誤りです。 不適切な表現をし、すみませんでした。 |
その後 |
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