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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0501 ハウスメーカーの「監理者」について

 相談概要 [氏名] M.Y
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 滋賀県長浜市
[職業] 会社員
[年齢] 31
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[築何年ですか?] −
[何階建て] 2
[床面積] 140m2以下
[様態] 注文建築
[施工者] ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済書は有りますか?] 有る。
[お手持ちの図面は何枚?] 15枚以下
[打ち合わせ何回] 10回以下
[施工者名] I工務店
 相談内容 [現象]
現在新築中ですが、上棟後に玄関ポーチの柱を見てみると、1.5cm程ズレています。

[業者の見解]
構造上問題無い。仕上げの際に見えなくする。

[相談内容]
本当に問題無い程度のズレなのでしょうか?
完成後がどんな状態なのか想像つかないのですが、凹んでいる方は置いといたとしても凸している方は切らないと駄目なのではないですか?構造上どうなのでしょうか?

これとは別に「監理者」についてですが、施主の認識としては「監理者とは施主の味方で不具合部分のないようにチェックする人」だと思っていましたが、ハウスメーカー曰く「この監理者とは書類上のことで、特にチェックには来ない」とのことでした。これを正させることは出来ませんか?

この監理者分もお金を払っているつもりなのですが、間違っているのでしょうか? これを聞いて以降は、専門書とインターネットでいろいろ調べて自分でチェックできるように頑張っています。

では宜しくお願いします。

 yorozuの感想 インターネットでいろいろ調べましたが、このHPが一番分かりやすく、見やすく、解説が分かりやすかったので依頼しました。
これからもか弱い施主の味方をお願いします。
アドバイザー 
久保田 英之 よろず解説員の久保田です。

相談者が言っておられる内容は、正しい見解です。
しかし、現実の世界でこういう事もあったという事です。
そこで、よろず相談では設計(監理)と施工の分離を説いている訳です。
つまり第三者監理です。

写真をみましたが、たしかにずれていて心配かも知れませんね。
上部は屋根だけですか?
それとも2階が乗っていますか?
上部が屋根だけですと、そう欠陥だと心配しなくてもよいかも知れませんが
2階が乗っているのであれば、土台下をモルタルで立ち上がりを作ってはどうでしょうか。
再度、施工業者と話し合いをしてみて下さい。

インターネットで勉強されるのはよいですが、インターネット病にかからないようにして下さい。
現場では、時として経験や現場にあわせた対処もします。
インターネットでは、こう書いてあると100%信じ過ぎてしまうと人間関係のトラブルにもなりかねません。
施工業者の方で信用できると思う専門家を見つけ、耳を傾けながら満足のいく家をつくって下さいね。
 コメンテーター 
小松原 敬 工事中にはいろいろな問題が起こります。問題のない現場などめったにありません。
もちろん、こうした事は無いにこしたことはなく、事前の準備をしっかりすることで問題が起きないようにする事が大事です。

ただ、どうしても起こってしまったトラブルには、最大限の努力で対処します。それに関しては、良い業者なら信用してまかせて良いと思います。(信用できないというなら、それはトラブル以前の問題です)

それとは別に管理(現場監督)と監理(設計者)の問題があります。
監理は施工業者とは、独立した立場にないと有効に機能しません。
何故なら、監理者は場合によっては施工会社に決定的に不利な指示をしなくてはならない場合もあるからです。
同じ会社や下請けの立場ではそのような指示は不可能です。

メーカーや設計施工の工務店では、有効な監理はできないし、そのような体制をとれるようなシステムにもなっていません。
(メーカーの設計は開発設計と現場の設計に別れますが、現場の設計とは発売モデルに沿った間取り作成と申請業務が主です。)

監理だけを設計事務所に頼めないかという依頼もありますが、監理とは設計を行ったものが自分の考えを施工に反映させるのだという基本的な概念からするとそれは不可能だと私は考えます。

メーカーというシステムを選んだ時点で、監理は無いシステムを選択したのだ、という事です。
メーカーに依頼するメリット・デメリットはそれぞれにあると思います。
メリットは数えても、こうしたデメリットを事前に考える人は少ないようです。

情報が足りないせいとも思い、私達は設計と監理の重要性をここで常に訴えています。
 事務局から 
  荻原 幸雄 ハウスメーカー曰く「この監理者とは書類上のことで、特にチェックには来ない」の言葉はメーカーさんの本音なのかもしれません。監理者といってもハウスメーカーに家族を支えるために務めている社員でもあります。この方が会社とお施主さんの見解が違う場合、どちらに組するでしょうか?ここに民主的な監理者たる行動が取れるでしょうか。
その点ご留意ください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 この度は疑問点の解説どうもありがとうございました。
解説を基に施工業者と話をしたいと思います。このような サイトがあり非常に心強い限りです。
現在雪のため工事はほとんど停止状態ですが、完成まで自分の夢を納得して建ててもらえるようにして行きたいです。
本当にありがとうございました。
 その後  
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