相談概要 | [氏名] A.K [相談内容:] 南西側+4.5m地盤に建つ新築住宅と自宅の日照について [居住住所] 京都府長岡京市 [相談建物所在地] 京都府長岡京市 [職業] 会社員 [年齢] 35 [男性] on [構造] 木造(2X4工法) [築何年ですか?] 築 1年以内 [何階建て] 2 [様態] 注文建築 [施工者] ハウスメーカー [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。 [確認申請の為の委任しましたか?] した。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済書は有りますか?] 有る。 [お手持ちの図面は何枚?] 20枚以下 [打ち合わせ何回] 10回以下 [床面積] 110m2以下 |
相談内容 | [現象] 近隣の建設計画について、質問させていただきたいと思います。よろしくお願い申しあげます。 現在、拙宅の南西側に新しく住居の建築計画があり、最近、業者からプラン図の提示がありました。 拙宅西側は擁壁(既存、擁壁は隣地敷地内、隣地境界が擁壁壁面)により地盤面が4.5m高くなっています。 今回のプランではその上に、2階建ての家が建つことになっており、このままでは拙宅の日照がかなり、阻害される恐れがあります。 拙宅及び隣地の用途等は次の通りです。 ○第1種低層住居専用地域 ○道路斜線制限 ○隣地斜線制限 ○北側斜線制限 ○絶対高10m制限 ○宅地造成等規制法 ○建ぺい率50%、容積率80% ○都市計画区域、市街化区域 なお、業者が提示したプラン図を別途メールにて送付いたします(ファイルサイズ小さくするためにPDF形式で送付いたします)。 [業者の見解] 業者はプラン図は法律的に問題ないと言っています [相談内容] 次の2点質問させていただきたいと思います。 1)プラン図は法律的に問題ないのかどうか 2)法律的に問題ない場合は、日照が確保できるプランに変更してもらうためにはどういう交渉方法が最適であるか? お忙しい中、お手数ではございますがよろしくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | 現在の家を建てるときに、過去事例が非常に参考になりました。 建築関係は素人にはわからないことが多く、相談相手もなかなか見つけられません。 そのため、皆さんの活動を非常に心強く感じております。 これからもお忙しいとは思いますが、がんばっていただきたいと思います。 |
アドバイザー | |
山口 雅克 | 大型のマンションや施設が建つことによって日照などで大きな影響がある場合には建主は事前に近隣に説明する義務(条例などで制定)がありますが、この地区ではこのような一般住宅でもあるみたいですね。ないとすれば、着工後のトラブル防止の為に説明があったものと思います。(だとすれば良心的ではあるのですが) さて、本題ですが、私の見解は(法の主旨も同じと思いますが)風や光は自分の敷地や隣接する公共の(公園や河川、道路の類)敷地から確保することが前提で建築基準法などは制定されています。したがって、今回の場合はプランの変更をお願いしても先方の気持ちひとつによることになるでしょう。 ただ、今の計画ですと隣地の方はAKさんの敷地を借用しないと工事も完成後のメンテナンスもできないのではないでしょうか。工事の為にあなたの敷地の借用を申し出る権利は先方にはありますが、貸さなければならないということはありません。 隣地の人がこの相談と同じことを立場をかえて相談されても私は同じ見解を示します。 隣地が私のクライアントだったら、外壁を境界から1m離して(メンテを考え)プラ ンを作成し、隣へはそれ以上の配慮はしません。多分、できないでしょう。元々、隣地に家が建ったら日が当らなくなるのは分かっていたと思うのですが。 相談外ですが4.5mのよう壁の安全は確保されているのでしょうか。隣地の方とAKさんにとっても、あまりにも高いので心配です。この高さは構造計算で安全を確かめないと造ってはいけないよう壁となっています。 |
鎌田 明彦 | 施行令の135条の4−2に以下のような文があり「特定行政庁は、前項第二号の場合において、地形の特殊性により同号の規定をそのまま適用することが著しく不適当であると認めるときは、規則で、建築物の敷地の地盤面の位置を当該建築物の敷地の地盤面の位置と北側の隣地の地盤面の位置との間において適当と認める高さに定めることができる。」 特定行政庁に介入の余地を残しています。 上記の条文による、行政による地盤面の指定の有無は確認された方が良いでしょう。 それがない場合には、双方の穏やかな話し合いで、解決されるしかないと思います。 |
コメンテーター | |
中川 雅実 | 残念ながら現在の日影の法律基準は、自分の日照は自分の敷地で得なければならない法体系です。 1)の法的問題の件ですが、この建物は、特定行政庁(役所)より確認通知書を受け取っているのであれば合法と思われますが、方位には磁北と真北があります、規制は真北ですので、もう一度ご自身で確かめられては如何でしょうか。 2)の交渉の件ですが、工事中の仮設足場の問題、完成後の敷地メンテナンスの件、屋根からの降雨や落雪による近隣へ迷惑を考慮されれば、山口解説委員の見解のように、外壁の後退を1mにして頂くようお願いされるのが良いと思いますので、一度建て主さんへ交渉されては如何でしょうか? |
事務局から | |
荻原 幸雄 | ある意味では法律の盲点ともいえます。 隣地がお宅の敷地と傾斜地で擁壁が建物の基礎なら3mごとでの平均地盤面が適用され北側斜線も下がります。今回のように基礎ではなく敷地の擁壁として建物と切り離すと現状の地盤から北側斜線がかかります。あなた様からみたコンクリート壁はどちらにしても同じコンクリート壁ですが、このように変化してしまいます。 この場合はもう、それぞれの持ち主の主体的な気配りが大切な基準となりますが、この主体的な基準は・・・人により違いますので、難しい点ですね。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。日照に関する問題たいへんよくわかりました。今後、建築業者、施主の方々に教えていただいた方法で交渉していきたいと思います。 山口解説委員殿が次のように述べられていますが、 >大型のマンションや施設が建つことによって日照などで大きな影響がある場合には >建主は事前に近隣に説明する義務(条例などで制定)がありますが、この地区ではこ >のような一般住宅でもあるみたいですね。ないとすれば、着工後のトラブル防止の為 >に説明があったものと思います。(だとすれば良心的ではあるのですが) 今回の建築は総戸数40戸弱の大きな開発であり、私の住む町ではこれくらいの規模になると、条例で住民自治会との建築協定締結が義務付けられています。 協定の中には工事時間、工事車両の通行ルートなどもありますが、隣接住民に配布されたのが今回相談差し上げた図面です。業者としては協定が結ばれない限り、工事着手できませんので、このあたりでも譲歩を引き出して交渉していこうと考えております。 今後も悩める人々にお力添えお願いいたします。 |
その後 |
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