相談概要 | [氏名] M.Y [住所] 東京都調布市 [職業] 主婦 [年齢] 34 [女性] on [構造] 木造(在来工法) [設計者はどなたに依頼しますか?] 特に決めていない。 [何階建て] 2 [様態] 注文建築 [施工業者はどちらに依頼しますか?] 特に決めていない。 |
相談内容 | [家づくりの相談内容] 高気密高断熱住宅を建てたくて外断熱の家を建てようかと思っています。 いま気になっているのはエアコンのことです。 24時間換気は排気のみの物を使おうと思っています。のでほかにエアコンをつけなくてはと思うのですが、一般的な電気屋で売っている普通のエアコン(壁に穴をあけるタイプ)ではダメでしょうか?その方がエアコンの需要が多いので常に最新の設備の物が手に入り取り付け取り外しも容易に出来るので出来ればそれにしたいのですが・・・。 やはり気密が保たれないのでしょうか? |
yorozuの感想 | こんなすばらしいHPがあるとはうれしいです。 またよろしくお願いいたします。 |
アドバイザー | |
小松原 敬 | 相談員の小松原です。 普通のエアコンを使っても問題ありません。 メーカーの高気密・高断熱住宅は中には、ビル空調のようなシステムが必要不可欠のような書き方をしてるところもありますが、とても住宅としては不健全なものだと思います。 ただ、高気密・高断熱の家はトータルにバランスを考えていかなければちぐはぐになります。 関東以南では熱損失の観点ではさほど高気密にこだわる必要はないと思います。 また計画換気をするには、それなりの換気計算や換気経路の設定が必要です。 他にもレンジフードは同時給排気型にする必要があります。 関東以南では、閉め切るのは冬や夏の一番厳しい時期で、それ以外は開け放つことが多いと思います。 そうすると、風が通り抜けるプランニングが重要です。 高断熱の家は、「閉める技術と開けるプラン」のバランスが大事です。 外断熱にしても、いろいろな工法がありますが特性を理解して設計することが大事です。 是非、設計事務所に最初から相談される事をお奨めします。 |
善養寺 幸子 | 東京の善養寺です。 ルームエアコン(通常の最多売エアコン)でも問題はありません。 ただ、小松原解説員の言うように、高気密住宅では排気のみの換気は問題です。 同時給排気の計画が必要でしょう。高気密の意味は、室内の気温を外気温に影響させないと言うのが売りな訳ですから、給気が自然給気でしたら外気温の影響を受け効果は半減してしまいます。熱交換を行った給気をいれるようにしなければなりません。 高気密高断熱の問題として24時間機械換気が前提ですので、最低限のランニングコ ストが意外と掛かることは心得ておかなければなりません。 私も24時間冷暖房換気の住宅を実施していますが、生活習慣の見直しを計らないととんでもないランニングコストをはじき出してしまいます。快適のみの追求で、夏23度、冬27度でエアコンの設定をされると省エネルギー住宅など何の意味も持ちません。寒いくらい涼しいし、熱いくらい暖かいですが、エネルギーも費用もかさみます。 結露防止の観点から、高気密高断熱には24時間熱交換換気が基本ですが、私の個人的意見としては、関東、特に東京以南については中気密中断熱高蓄熱と言う見解を持っています。実体験として、断熱の必要性は冬でして、夏は遮熱構造が良ければ意外と良く過ごせます。それよりも高蓄熱を上手く作ってパッシブなエネルギー利用を試みた方が遙かに省エネルギーに繋がると取り組んでいます。東北や北海道はこの高断熱高気密の重要性を感じますが、東京以南、関西やそれ以南など高断熱高気密の必要性は薄いと思っています。 単純なる高気密高断熱は機械換気が基本と言ったように、24時間換気を必要とします。蓄熱が無ければ、昼間の熱を空気にしか貯めませんから換気量として1時間に1回の換気が行われれば(これが基本です。)、1時間経つと部屋の空気は入れ替わってしまうわけです。熱交換を行わない給気方式において理想的な換気を行うと外気をそのまま取り入れてしまい、1時間後には外気温に影響され室温は変わってしまいます。そのたびに空調において熱をかけ続けるのは、どうなんでしょうか? ご相談の内容としては、普通のルームエアコンでも気密が切れることはありませんし、空調として問題はありません。ただ、高気密高断熱住宅、ましてや省エネルギー住宅や外断熱住宅など希望される場合、専門的な知識や設備や立体的なプラン計画など総 合的な設計が要求されますので、その面で詳しい建築家や設計事務所に相談された方が良いと思います。ハウスメーカーの商品群もありますが、わからないまま表面的な部分で経験の無い工務店などとこれに取り組むことはお奨めできません。 高断熱高気密住宅は最近流行のようですし、ある意味では良い建築ではありますが、間違ってしまえば寒暖激しく多湿な日本の風土の影響を受けて、カビハウスになりかねないリスクも持っていることを知っておいて下さい。 |
コメンテーター | |
藤井 修 | 家を建てる場合ご自分でいろいろと研究することはとても大切な事です。その意味でMYさんは設計を依頼する前に勉強されているので、きっと自分にあった家を作る事が出来るでしょう。そして小松原解説委員の言うように家を建てる人の味方である設計事務所に設計を依頼される事をお奨めします。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 市販のエアコンを使うのは賢明です。 排気のみの場合は各部屋に給気口を設け状況により開閉調整してください。 この場合は冬はそこから外気が入りますが、調整しながら暮らすことに注意してください。1時間に1回の換気は現実はだれもする人がいませんのでこの調整で対応してみてください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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