相談概要 | [氏名] H・H [相談内容] 建売住宅の瑕疵 [住所] 東京都稲城市 [職業] 地方公務員 [年齢] 38 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [築何年ですか?] 築 1年以内 [何階建て] 2 [床面積] 90m2以下 [様態] 建売り住宅 [施工者] 建設会社 [確認申請書お持ちですか?] - [検査済書は有りますか?] − [お手持ちの図面は何枚?] − [打ち合わせ何回] − |
相談内容 | [現象] 昨年11月に購入した、新築木造2階建ての建売住宅についての相談です。 建築確認申請の図面と実際の排水配管が異なっている状態です。図面上は、トイレ・風呂・台所等の汚水配管はすべて直近の場所から建物の外側に出て地中の配管を通じ、浄化槽に繋げるようになっています。しかし、実際には、トイレ・風呂・台所等からの横管を床下(基礎のコンクリートの下)に埋設した2本の縦管に繋げ、庭の浄化槽へ繋いでいるようです。 同時に売り出された5棟全て、(間取りが違うため配管は少しずつ違いますが)床下に縦管を配管して浄化槽へ出しています。 当初、素人の私たちはまったく気がつきませんでしたが、(社)浄化槽検査協会の検査によって最近になって判った次第です。検査報告では、 1.施工業者が東京都の登録業者では無い。 2.図面どおりに施工されていない(床下配管である)。との指摘を受けました。 また検査員から、建物外の配管であれば点検口があるため、詰まった場合などの対処が容易だ、と聞きました。 [業者の見解] 早速、建売業者に連絡をして説明を求めました。業者も否を認め、こちらの要望どおりに登録業者により、配管を直すとのことになりました。 [相談内容] 1 そもそも床下配管自体、違法なのでしょうか?床下配管では建築確認が下りないのでしょうか? 2 図面どおりにやり直す場合、基礎に2、3ヶ所パイプ用の穴を空け屋外に埋設する縦管へつなげると言っています。竣工後の基礎に穴をあけることで、基礎や建物へのダメージは心配無いのでしょうか? 3 業者は現況の方が曲部が少ないので詰まりにくく、浄化槽へ最短距離で配管しており合理的である。また詰まったとしても、今は高圧水流を用いて流せるので、床下でも大丈夫だと主張しています。検査員の話と矛盾していますが?あくまでも図面どおりに修正すべきでしょうか? 4 現況のままとした場合、現況の図面を市役所に建築確認の変更として届け出ることは可能でしょうか? 5 直すにしても、現況のままとするにしても、業者にはどのような確認を行い、書類に残す必要があるでしょうか? 以上、どうも業者の説明をそのまま信用することができず、こちらに相談させていただきました。アドバイスをお願いできればと存じます。 |
yorozuの感想 | 建築に対して知識のない私たち一般消費者にとって、とても心強いHPです。 なお、今回の相談については、床下配管の問題であるため、写真を撮って送ることができません。どうすればよろしいでしょうか。図をスキャンして送ればよいですか? |
アドバイザー | |
松山 達也 | 1については,違法ではありません.建築確認は下ります. 2については,断面図もないので判断は難しいですが,建物全体の強度を左右するほどのダメージではないと思います.ただ,後から開けた穴が地盤面に近いと床下のベタ基礎内に浸水の恐れもあり注意が必要です.屋外に埋設にしなかったということは,敷地状況もしくは建物がそれを許さない状況ではありませんか? 3については,業者の言い分に一理あると思います.現況,不具合がないのであれば,複雑な配管経路にする必要はないと思います.検査員の方は,メンテナンス重視の考えでコメントされたように受けとめられます.可能であれば,排水管に不具合が生じた場合の工事について10年程度の有効期間を設けた念書を建売業者からとってはどうでしょうか. 4については,可能です.ですが,販売が済んで居住している現在,確認申請書の変更届けを出すこと自体に意味が全くありません. 5については,何らかの書類を居住者に提出する建築基準法上の義務はありません. 前述しましたが,屋外埋設の方が良いことは,施工業者も十分理解していると思います.問題は,「何故,スラブ下に埋設したのか?」だと思います.その技術的な見極めのないまま,「申請通りにせよ」と主張するのは,あまり良い方法ではありません. また,御質問の中の「東京都の登録業者ではない」とは,「東京都の工事の認可がない」という意味でしょうか?もし,そうなら一定請負い金額以上の工事は,法律で禁止されています.もし「東京都の指名業者でない」という意味なら,そのような業者は多数存在します.業者の技術力の見極めにはなりませんので御注意下さい. |
田所 雄太郎 | 田所と申します。宜しくお願いします。 1 *ANS 床下配管は違法ではありません。確認はおります。 2 **2ANS コンクリートに穴をあけるときにはスリーブ(開口)補強用に鉄筋を組みます。 既に有る物に空けるわけですからこれができないわけです。 やたらとコア抜きを行なうことは勧められません。 設計者に相談して判断を仰いでください。 やむを得ず抜く場合は基礎の交差点と交差点の中間、立ちあがりの真中が力が比較的かかりませんのでその位置で抜いたほうが良いです。 3 ***3ANS 図面がないので的確な判断はできませんがメンテナンスに支障無ければ無理にいじることはないのではないかと思います。配管の曲がるところに掃除口をつけてもらうのも方法です。 4 ****4ANS 軽微な変更の範囲ではないでしょうか。届けるまでに至らないと思います。 5 *****5ANS 竣工図という形で現況の姿を残してもらってください。それを基に将来の改築、メンテナンスを行なうためです。正しい施工図を書くには現場を監理した方がチェックしないとできあがらないと思います。 |
コメンテーター | |
久保田 英之 | 松山解説委員・田所解説委員も御説明していますように無理に確認申請書の通り設備配管を仕直さなくても問題ないと思います。 かえって基礎にスリーブを入れる方が、鉄筋を切断してしまいマイナス面が多くなりそうですね。 田所解説委員も言われるように、掃除口をつけてメンテナンスをしやすくした方が得策なのかもしれませんので、よく話し合って決めて下さい。 建売住宅を買われた方が、後で確認申請図面を見られた時に現況と違う事がよくあります。 予算の都合なのか、施工上の都合なのかは解りませんが相談者の内容からは配水管の施工(配管径や勾配等)さえしっかりしていれば、現況を無理に変える必要性はないと考えます。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 設計図通りに検査するのが監理者ですが、現場でよりよくする為の設計判断での変更もよくあります。これが設計図より重要であったりする場合もあります。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 相談へのご丁寧な回答、誠にありがとうございました。大変参考になりました。納得のいくまでまた業者と話し合おうと思います。また、なにかありましたら、よろしくお願いいたします。 |
その後 |
〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号
TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107