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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.0459 鉄骨は日本しか使っていないと言われた

 相談概要 [ 氏名 ]H.R
[ 住所 ]群馬県高崎市
[ 職業 ] 主婦 
[ 年齢 ] 35 
[ 女性 ] on
[ 構造 ]木造(その他)
[ 設計者はどなたに依頼しますか? ]ハウスメーカーの建築士
[ 何階建て ]3
[ 様態 ]注文建築
[ 施工業者はどちらに依頼しますか? ]大手ハウスメーカー
 相談内容 [ 家づくりの相談内容 ]
こんにちは。
今までの相談を全部見てみたのですが、良く分からないので、教えて下さい。重複していたら申し訳ありません。

来年の6月くらいまでに家を建てようと考えています。今、考えているのは設計事務所の鉄骨の3階建てとMホームの木質パネルの3階建てです。Mの人は、鉄骨は日本しか使っていないし、中でボロボロになるから危険と言います。その点、Mの木質パネルならば、データも出してあるし安全だというのですが、本当なのでしょうか?また、木造の3階建ては危険とありましたが、木質パネル接着工法も含まれるのですか?

それから、今は手書きの図面で大体の間取りで見積もりを取ってもらっている段階です。Mは、その後、契約、それから詳しい打ち合わせだと言います。契約は、設計図や何を使うか決まってからではないですか?と言うと、住宅業界では殆どそうで、設計事務所でも同じで、特に、土地を分筆、公庫の申し込みをすると言う事があるから特に先に契約しなければいけないと言います。契約しないと分筆の作業をしてもらえないのでしょうか?また、公庫の申し込みはもうしないといけないのでしょうか?

鉄骨造では、危険という言葉と、色々な手続きを代行してもらえると言う利点で、Mホームに傾いていますが、契約を先に・・・と急がせるのは不安です。よろしくお願いします。
 yorozuの感想 大変参考になります。私は今、まだ家造りの最初の段階ですが、色々と考えるたり、本を読んだりすると不安だらけになって来て、何がよいのだかどんどん分からなくなって行くので、それだけで気分が重くなるのです。そんな中で、どこで聞けば良いか分からない疑問を聞ける・・・という事は、明るい光が射し込んでくるようです。
アドバイザー 
田所 雄太郎 ****ANS***
はじめまして田所と申します。
構造体のことで悩まれているようですがいずれの構造でも適切な設計、適切な施工監理にもとづいた施工を行なえば問題はないはずです。
特に注意するとしたら3階建てということなので木造はゆれの問題などでよく相談を受けることがあります。
よろず相談では口がすっぱくなるくらい言っていますが施主、設計者と施工者が三権分立するように互いの立場を尊重しつつ建物を作り上げていくのが理想です。
基礎や構造躯対などはあとで取り返しのつかないことにもなりかねません。
ぜひ、信頼できる設計者に設計を依頼することをお勧め致します。

>M社の人は、鉄骨は日本しか使っていないし、中でボロボロになるから危険と
>言います。その点、M社の木質パネルならば、データも出してあるし安全だと
>いうのですが、本当なのでしょうか?また、木造の3階建ては危険とありましたが、
>木質パネル接着工法も含まれるのですか?

***ANS***
M社でも軽量鉄骨住宅を作っていますよ。間違い有りません。
うちの所員の実家がそうですから。
海外でも鉄骨造はいくらでもあります。
極端な話ですがマンハッタンのエンパイヤステートビルも新宿の都庁も鉄骨造ですよ。とうぜん、木質パネルも木造の一種となります。

>それから、今は手書きの図面で大体の間取りで見積もりを取ってもらっている段階
>です。M社は、その後、契約、それから詳しい打ち合わせだと言います。契約は、
>設計図や何を使うか決まってからではないですか?と言うと、住宅業界では殆どそう
>で、設計事務所でも同じで、特に、土地を分筆、公庫の申し込みをすると言う事が
>あるから特に先に契約しなければいけないと言います。契約しないと分筆の作業をし
>てもらえないのでしょうか?また、公庫の申し込みはもうしないといけないのでしょ
>うか?

***ANS***
設計の契約は業務に先だって行なわれるものですからM社さんのいうとおりです。
ただ、どこに任せたら良いかの判断として多少の営業に付随する業務は発生するでしょう。
詳細の仕様、図面などは契約後の業務になります。

しかし、施工に関しては詳細が決まる前に契約をして良いはずがありません。
どのようなものを買うかわかる前に契約をする人がいるでしょうか?
車だと2ドアなのか4ドアなのかわからずに車を買いますか?
ここで設計者はよき相談者、専門的なことを代弁する代理者にもなるのです。

土地を分筆して確定しないと公庫の審査は受けられません。公庫は募集時期があります。
分筆には土地家屋調査士による業務が発生しますので全体の施工契約は必要ないまでもそれに対する業務報酬を支払わなければなりません。


>鉄骨造では、危険という言葉と、色々な手続きを代行してもらえると言う利点で、
>M社に傾いていますが、契約を先に・・・と急がせるのは不安です。よろしくお願いします。

***ANS***
根拠も無く、鉄骨造は危険という方を信頼することはやめたほうがよいではないでしょうか。
鉄骨でも軽量鉄骨といわれるものもありますが法的に定められた強度以上のものをむやみに危険というのはどうかなと思います。柱、梁の大きさ、肉厚、ブレース(筋交い)などでも建物の強度はいくらでも調整できます。
新幹線の高崎駅も鉄骨造ですが充分頑丈そうですよ。
構造のことを気にされるのならば予算のこともありますが住宅を鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートで立てるクライアントもいらっしゃいます。

いずれにしても相談者に不安感をもたせるよりも筋道をたてて理由を理論的に説明してもらってください。
説明はどこのハウスメーカーでもそうですがその会社の一級建築士に直接お聞きしてください。
また類似の相談もありますので過去の相談も読まれてください。
自分を見失わないようにすることが成功の鍵です。うまくいくよう祈っています!
星 裕之 鉄骨造の構造強度についての考え方については、M社の営業の方は勉強不足と言う次元を通り越してますね。おそらく自社以外の基本的な建築の勉強は全くしたことがないのでしょう。通常つかわれる重量鉄骨造はそのような特性はありませんので御心配なく。それと一般的に住宅メーカーの「営業」は「営業」であって「技術者」や「建築の専門家」ではないので御注意願います。もちろん技術をしっかり理解してらっしゃるかたもたくさんいらっしゃるとは思いますが・・・。

また、木造3階建は木造2階建にくらべてはるかに安全です。
それは、2階建に比べて、建築センター・建築学会・基準法によって、細部まで厳しく指定されているからです。危険なのは、2階建で建築確認申請を行い、その後改造して3階建にした違法3階建のことです。

土地の分筆に関しては土地家屋調査士が担当になります。
とりあえず、知合いの方か設計事務所の方に紹介していただき土地分筆業務の契約を土地家屋調査士と行ってください。

住宅金融公庫の申し込みは、詳細設計が確定してしてからでも充分間に合います。ただ、金利が上昇傾向にありますので遅くなるほど返済額が不利になるかこともあるかもしれません。

設計契約の時期ですが、少なくとも私の事務所では細部の仕様までつめてからやっと契約というのは不可能です。もし契約なにらなかった場合その費用はどこで吸収すればよいのでしょう。少なくとも3ヶ月はかかる設計作業を無料にはできないはずです。設計事務所と契約を行う時は契約条件や支払い条件をしっかり始めに話し合いスタートしたほうが後々気まずい思いをしなくて済むと思います。購入=契約ではなく購入までの条件を契約書で取り交わすのですから。
 コメンテーター 
木津田 秀雄  人や会社を信頼できるかどうかを判断する基準に、他の人をどのように言うかを見る方法があります。同業者と自社の商品を比較するときに、それぞれの長所・欠点を明確にして、その上でこちらの方が優れているという説明をしてもらえれば多くの人は納得するでしょう。

 営業マンは、自社の良いところをアピールすることには長けていますが、本当は自社の欠点をきちんと説明できるかどうかの方が大切です。(「欠点のないのが欠点です」なんていうのは最低ですけど) 
 しかしながらこのような公平な目を持って説明ができる営業マンはそれほどいないでしょうし、自社を欠点をきちんと説明する人も少ないでしょう。そのために建築には建築主の代わりに技術的な判断を含めて第三者的な立場で、ものごとを検討することのできる建築士という資格と建築士事務所という形態があるのです。

 田所さんのアドバイスにもあるように、きちんと説明ができる建築士をつれてきてくださいと言って十分に理解できるまで説明を求めてください。
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相談者お礼状 
 相談者お礼状
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