相談概要 | [ 氏名 ]A.Y [ 住所 ]名古屋市北区 [ 職業 ] 主婦 [ 年齢 ] 27 [ 女性 ] on [ 構造 ]木造(在来工法) [ 設計者はどなたに依頼しますか? ]特に決めていない。 [ 何階建て ]2 [ 様態 ]建築条件付建売住宅(売建住宅) [ 施工業者はどちらに依頼しますか? ]特に決めていない。 |
相談内容 | [ 家づくりの相談内容 ] はじめまして。この度、定期借地権付の土地に建築を考えている者です。誰に相談をすればよいかわからず、このホームページへたどり着きました。素人考えですが、少し疑問点がありますので、よきアドバイスをお願いいたします。 相談の内容というのは、「定期借地権付」の土地を、ある仲介会社の新聞掲載で見つけ、早速事務所へ足を運びいろいろな説明を受けました。現在その土地は更地で、どうやら「建築条件付」のうようなのですが、契約をするまで「設計者」も「建築会社」も教えられないと、言われてしまい、早く契約を済ませようとしています。この時点で、すでに信用にかけているのですが、その土地をとても気に入っていて、悩んでいるところです。これだけで信用しないというのはどうかとも思うのですが、もう一つとても気になることがあります。 現在の建物価格が坪80万の計算で新聞で売りに出されているのですが、とても高いので理由を聞いたところ、以前その土地に住んでいた方の立ち退き料としていくらか建築会社が支払っていて、そのうちの一部が今回の建物価格に入っているということで、何だか気になるのですが、坪80万の計算で、内容は坪40万などという欠陥住宅にならないよう、お願いをするとすれば、やはり第三者の監督が必要でしょうか。 質問をしても話をすり替えてしまい、どうも今一歩、踏み出せません。こういった業者はやめておくべきでしょうか。つたない質問で申し訳ございません。お忙しいと思いますが、どうぞ、宜しくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | とても勉強になります。建築士の方とオープンに相談できると言うことは、とても大きな信用だと感じています。 なかなか素人では「よい家」を望んでも、縁とか運とかでうまくいかない場合もあります。そんなとき、全国の同じ思いや悩みを持っている方と建築士の方々と一丸となって解決していける場所があるということは、これからの「住む」ということが楽しくなる第一歩ではないかな、と思います。 |
アドバイザー | |
久保田 英之 | 定期借地権付(建築条件有り)住宅の購入でお悩みのようですね。 契約するまで「設計者」も「建築会社」も教えられないとは、我々の常識では考えられません。 住宅を建てるという事は、相談者のように気に入った土地選びも大切ですが、家自体がどのようにつくられ、どんな業者に建てもらうのかも大変重要な事です。 売り主としても、その情報開示をしながら、買い主との信頼関係を築く事が不可欠と感じます。 ですから、相談者の不信感は当然のことです。 また、建物価格が、名古屋の売り建てで坪80万円とは、かなりの高級グレードです。 住宅金融公庫の調査で、名古屋の木造住宅の建設費平均が坪60万円程度を考えますと内容をよく聞いた上で購入されるべきでしょう。(又は土地の上乗せ価格と考えるか) 第三者監理の件ですが、よろず相談でも行っております。 ただし、相談者が言われるような見積もりやグレードチェックとなりますと建設業者等と相談者が契約を交わしてからの話となりがちで、我々が介入する時には時遅しとなりえます。 現状況を考えますと難しいかも知れません。(但し、建設業者等が承諾されていれば可能ですよ) 理想でいえば、建築条件を外してもらい設計事務所などに依頼する事がよいと思いますので交渉してみては如何でしょうか。 私自身の結論を言いますと、現在の状況下では絶対契約してはいけないと言うことですね。 後々、トラブルに巻き込まれますよ。 よく、考えの上、御検討下さい。 |
荻原 幸雄 | 民間での定期借地権は個別に調査検討が必要です。まだ、このシステムは未完成の領域があります。 しかし、民間でも信頼できるかどうかをこれに詳しい建築士に相談するのもいい方法です。 公団での定期借地権はこの点では安心できると思います。借地権なので50年間ずっと借地だと思っていらっしゃる方も多いとは思いますが、公団では借地期間が5年を過ぎればその時の時価で土地を購入できる優先権を保持できます。5年後に余裕があれば土地を自分のものにするのも可能です。 ですので、無理して土地を購入して苦しむより、将来の情勢で土地を購入可能な公団のシステムは評価できると思います。 |
コメンテーター | |
氏原 毅士 | 定期借地権はいまだ未完成のシステムではないかという個人的な意見を持っています。 なぜなら、担保価値や融資の問題。また契約終了時点(30〜50年)での建物の買い取り価格の評価。さらに契約者本人でない相続権利所有者の解体処分への理解などです。 また、もっとも不明朗なのが建築条件です、よく考えて(いずれが自分にとって有利で、また良いものを創ることができるかを考えてください。 建築はスクラップ&ビルドの時代を超えようとしています。 100年住宅を考えると、定期借地権は理にかなわない制度のように思ってしまいます。 |
事務局から | |
ー | ー |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 適切なアドバイス、本当にどうもありがとうございました。 不審な業者とは契約しない方がいいということで、どんなに気に入った土地でも建物に信用がないので「諦めよう」としていたとき、以前からお世話になっている不動産の方に、「その定借ならうちでも仲介できますよ」とのことで、ビックリしました。 要するに、どの不動産でも取り扱える物件なのに、前回の不審な業者は独占していたことになるのでしょうか・・業界でも「悪徳で有名」だそうです。 今回、この「定借」の土地に建てる業者さんとも打ち合わせをする事が出来ました。ただ、また問題がありまして、以前の不審な業者では、坪80万の理由は「500万が立ち退きに払った代金」(土地を二つに分けてあるので、隣と合わせると1000万)という話だったのに、建築業者は「片方で900万」と言うのです。2件で1800万ということらしいです。もう一方の土地には既に建築済みでご入居されているのですが、やはり納得いかないので諦めようと思っているところです。 権利を売って欲しいという他の業者もいるらしく、土地としてはかなり好条件なので後ろ髪を引かれる思いですが。。。 「定期借地権」について、私はとてもいい制度だと思っています。今回の件で、市の宅建課へ出向いて業者の閲覧をしたり、法務局で土地の権利を調べたり自分なりに勉強できました。でも、肝心な「信頼」というコミュニケーションが取れなければ、いい家造りは出来ないということも分かりました。せっかくいい制度なのに不透明な部分が多すぎるのは定借自体がまだまだ不透明だからなのでしょうか。 今回の件で、「家とはなにか」とか、主人と真剣に話し合うことが出来ましたので、荻原さんはじめ、相談員の方々に感謝しております。 どうも、ありがとうございました。これからもがんばってください。 |
その後 |
〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号
TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107