本文へスキップ

一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0443 階段の昇り降りにミシミシ結構大きな音

 相談概要 [ 氏名 ] A.N
[ 相談内容 ] 注文住宅の瑕疵
[ 住所 ] 神奈川県逗子市
[ 職業 ] SE 
[ 年齢 ] 49 
[ 女性 ] on
[ 構造 ] 木造(在来工法) 
[ 築何年ですか? ] 築 2年以内 
[ 何階建て ] 小屋裏3 
[ 様態 ] 注文建築 
[ 施工者 ] 中堅建設会社
[ 設計者を選んだのは ] 自分では選んでいない。
[ 監理者を選んだのは ] 自分で選んでいない。
[ 確認申請書は本来建築主が出すと説明を? ] 受けていない。
[ 確認申請の為の委任しましたか? ] 覚えていない。
[ 確認申請書お持ちですか? ] 有る。
[ 検査済書は有りますか? ] 有る。
[ お手持ちの図面は何枚? ] 50枚以上
[ 打ち合わせ何回 ] 30回以下
[ 床面積 ] 200m2以下
 相談内容 [ 現象 ]
床が全て檜の無垢材で、階段も檜の節有りの厚さ4.5cm程の無垢材を使用してもらいました。去年1999年5月30日に引越し、現在丸1年を過ぎたところです問題は階段の昇り降りにミシミシ結構大きな音がするのです。階段の形は踏み面と上げ面が板の箱型です。あまりに音がするので階段材が昇り降りする度に痛むのでないかと心配です。業者に相談する前に専門家に尋ねてみようとハウスクウェア横の建築相談を受け、無垢の階段をつくるとこんなに音がするものだろうかと相談しました。

その結果、無垢材だろうと倉庫でもない一般住宅の階段がそんなに音がするのはおかしく、大工が手間を省いたり、乾燥材を使用していないのではないかいうことでした。音がしないようにする大工の手間もそれほどの手間のかかるものではないということでした。その後、業者に来て見てもらったのですが、その結果が2:に書きましたようなことです。次に経過を申し上げます。
 
 初期の設計段階・見積段階の資料では階段は無垢材となっていますが、施工に入ってから現場監督から階段材は集成材にした方が、将来 反りや隙間が出ないで良と説得されたのですが、やはり無垢材にしたく、また仮住まいも無垢材の松を使っていて20年以上経った当時も歪みはなかったので是非無垢材でおいしますと申しました。そうしましたら、現場監督のいうには そのような無垢材の階段材を入手経路がなく、今までも無垢の階段を手がけたことが無いということでした。

私は木場のウッディランドにあります展示場で、木に詳しい林野庁関連の方(Aさんとします。)を存じていましたので、Aさんに階段は集成材の方がいいのかを相談しました。Aさんが言われるには床が全部無垢なら階段も無垢にいした方がいいし、乾燥材で4〜5cmの厚さのものを使えば左程くるわないとアドバイスされました。また有節の無垢ならそれほど高価ではないと言われました。

現場監督が材の入手経路(このとき無節の4〜5cmの厚さのものが手に入らないということだったかもれません)がないということでしたので、階段材は有節でもよいこと、また、先程林野庁関係のAさんに相談すれば入手先を教えてくれるからとその連絡先をメモして手渡しました。現場監督は、では連絡してみましょうとメモを受け取られました。

 しかし、引越し後1年以上経った今、階段の昇降時の音が結構煩いので、先程の林野庁のAさんに無垢の階段はこのように音がするのですかと問い合わせましたら、そんなことは無く、乾燥材を使わなかったか大工の手間惜しみだろうということでた。
またその音が出ないようにする階段の造作手間もそれほど難しいものではないとうことでした。そして、業者の現場監督から階段材の入手に関する問合せは無かったことがわかりました。
  
[ 業者の見解 ]
1:に書きましたように、業者に見てもらいました。アフター専門の監督さん(Bさんとします)と1人の大工さんが来られました。その結果、大工さんの調べた結果、仕口は組んであるということでした。監督のBさんが言うには、「乾燥材を使ってないのではないか、無垢は時を経て乾燥するとどうしても音がする」、また音がする所を何度も踏んでみせて「落ち着くとこのように音がしなくなります」と言われまた。

構造上は問題を生じてきませんか、と聞きましたら構造上は問題ありませんということでした。また、大工さんの言われるにはやりなおすとしたら臍を作って云々というようなことで、結構大変な作業(1階から3階での階段を、それぞれ作業すると思われる階段裏を見て調べておられました)になるということでした。

素人の私が考えましても階段裏を全部は剥がし、臍とかを作っ組みなおすのは相当大変だろうと思います。その場ではこちらもそのような大変な業をしていただく当初のつもりはなく、また生活に不便も来たしますので、とりあえず簡単に直ればいいなと思っていたのですが、監督のBさんが「もしかしたらもう少し時間がたてば音が治まってくるかもしない」といわれたので、もう少し様子をみことにし、その日は何もせずに帰っていただきました。

 それから現在に至っているのですが、乾燥材を使わなかったこと、大工が手間を省いたことの両方或いはどちらかが原因と思います。まず、乾燥材ではなかったとすると、私が紹介したAさんから材を入手していればこんなことにはならなかったのにという思いがあります。今の階段材をどこから入手したのか、また含水率が何%ののなのかを知りたくて業者に電話しました。その結果、丸○とかいう材木屋から普通に乾燥した材を入手しており、含水率の詳しい%まではわからないということでした。

[ 相談内容 ]
この相談は、階段の昇降時に音が出るという無形の相談だと思いましてこちらに相談いたしましたが、もしかしたら有形の相談になるのかなとも思い不安ながら書いています。一応階段の写真も撮りましたので相談口が間違っていましたらご連絡くだい。

階段材に無垢を使用したときに、階段を昇降する度に音がするのは仕方が無く、般的に良くあることなのでしょうか?結構、昇降する際に音が気になるのですが、時がたてば治まる可能性はあるのでしょうか?
あまり乾燥してない材を使ったと思うのですがこのようなときの補償(損害賠償いうのでしょうか)はあるのでしょうか?
大工手間の手抜きも考えられるのですが、容易になおる方法がありましたら教えください。
もし、階段の裏を全部剥がして補修しなければならないといたら、そのときの費用は業者でもってもらえるのでしょうか?住宅建築保証協会には入っています。またそのときこちらが受ける生活上の不便さなどの補償は要請できるのでしょうか?

このまま音のする状態を続けた場合、階段の板がミシミシと傷んでいくのではないかと心配なのですが、いかがでしょうか?歪みも起きてくるのではないかと心配です。
さきほど書きました仮住まいの階段では、無垢であっても昇降時に音は左程しなかったように思います。何十年経ってもこのような階段が普通なのであれば、拙宅の階段も是非このように普通の階段(昇降時に音がいないような)になるように修理して欲しいですし、この修理が大変な作業(階段裏を剥がしたりクロスの張替えを行ったりを要すなら、このような作業)をする代わりに、うるさい階段を偲ぶ生活を強いられるという損害賠償を要求できるのでしょうか?
何とか昇り降りにミシミシという音がしないような工夫はないのでしょうか?

素人考えでは、歩く度に音がするのは木にとって無理な釘の打ち方、或いは木の組み方をしているのではないか、それなら階段が早く傷むのではないかと心配です。し直すなら、階段を全部組みなおさなければならないのでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
 yorozuの感想
アドバイザー 
中川 雅実 Aさん今日は、神奈川担当の中川です。

 私達の仕事は、建築士法(下記第一条参照)に基づき業務を遂行しており、昨今の「欠陥住宅」問題に関し、今日までの経験や技能に基づき無料で対応させて頂いております。

 第一条、この法律は、建築物の設計、工事監理等を行う技術者の資格を定めて、その業務の適性をはかり、もって建築物の質の向上に寄与させることを目的とする。

 木造に関しては、延べ床面積100uを越える設計・工事監理は、有資格者が行うこととなっております。
 建築士は、専業(設計・工事監理のみ)と兼業(設計と施工を行う)に別れておりますが、どちらも、ブランド物と偽ブランド物を見分ける能力を備えておらなければならず、スポーツに例えれば、審判しているのが専業で、審判と選手を同一会社が行っているのが兼業ですので、兼業は、自分でルールや材料・工法を決める事が出来、予算に合った営利目的が主であり、施主の身方も不在で有り不良施工を指摘するのも難しいのでは無いでしょうか?

 さて、ご質問に沿ってお話ししますが、音は色々なケースが有りますが、音の発生場所は、両サイド(側桁と踏み板)又は、踏み板中央(踏み板とけ込み板)のどちらでしょうか、又、材料同士の隙がどの程度有るのか等、現場を確認しないと判らないところが若干有りますが、僕の仮定でお答え致しますのでご了承下さい。

 階段には、箱形(フラット)・露出型(ストリップ)・雛壇型(鋸型)が有りますが箱形(大入れ彫りくさび打ち)とし、階段両サイドの材料には、側桁(上下平行)・ささら桁(鋸の刃型状)・上乗せ型(一段毎に受け材を設ける)が有りますが、厚さが35〜45mmの側桁とし、階段巾も85cm程度として解説します。

> 階段材に無垢を使用したときに、階段を昇降する度に音がするのは仕方が無く、一般的に良くあることなのでしょうか?

階段は、高度の技術を要するところですが、滅多に音が発生するケースは無く、乾燥材を使用しなかったことが原因と考えられます。又、くさびも硬木を使用されたのでしょうか?け込み板も、無垢材を使用されたのでしょうか?

> 結構、昇降する際に音が気になるのですが、時がたてば治まる可能性はあるのでしょうか?

材料同士の、擦りや釘の遊びによると思われますが、隙間や遊びが多くなればその様なケースも有るかもしれませんが、確約は不可能です。

> あまり乾燥してない材を使ったと思うのですがこのようなときの補償(損害賠償というのでしょうか)はあるのでしょうか?

補償とは、金銭的なことを言われているのでしょうか?、現在の裁判等の実状は、直せる物は直す補償と言うことになります。

> 大工手間の手抜きも考えられるのですが、容易になおる方法がありましたら教えてく ださい。

容易に直す方法は有りません、一時的には、シリコンスプレーや接着剤(発泡型)の注入が有りますがお勧めしません。

> もし、階段の裏を全部剥がして補修しなければならないといたら、そのときの費用は業者でもってもらえるのでしょうか?住宅建築保証協会には入っています。また、そのときこちらが受ける生活上の不便さなどの補償は要請できるのでしょうか?

補修費用は、瑕疵担保期間内で有れば全て業者の負担ですが、不便さの補償要求は不可能でしょう。

> このまま音のする状態を続けた場合、階段の板がミシミシと傷んでいくのではないかと心配なのですが、いかがでしょうか?歪みも起きてくるのではないかと心配です。

歪みが起きているか?最初からの歪みかは調査しなければ判りませんので、木造建築に詳しい第三者(専業)建築士に相談されることをお勧めします。

> さきほど書きました仮住まいの階段では、無垢であっても昇降時に音は左程しなかったように思います。何十年経ってもこのような階段が普通なのであれば、拙宅の階段も是非このように普通の階段(昇降時に音がいないような)になるように修理したいですし、この修理が大変な作業(階段裏を剥がしたりクロスの張替えを行ったり)を要すなら、このような作業をする代わりに、うるさい階段を偲ぶ生活を強いられるという損害賠償を要求できるのでしょうか?

 昭和50年代前半までは、切り出しから運送まで時間を要し、自然乾燥された材料が供給されておりましたが、近年は、人工乾燥にゆだねる為多くのグリーン材(生材)が出回り、木材の質も悪くなり乾燥させれば狂いの出る物が多い為、含水率が多い木材が出回っております。質の良い乾燥木材は高価で、予算に有った木材を入手できず含水率の高い木材を求めた為と考えられます。
それ故、全て乾燥材で供給される狂いのない集成材との話が出たことと推測されます。現段階では、階段の裏側を全て取り除き踏み板・け込み板をばらし、新規に組む以外根本的に直す方法は有りません。しかし、近年の組立には、接着剤・ビス・くさび止めの併用であり、接着剤の入れ直し・ビスの増し締め・新規くさびの打ち直しで対応するしか方法はないのではないでしょうか。

気を付ける点は、くさびは、ケヤキ等の硬木を利用する・け込み板部分には3箇所以上の力板を設け、踏み板中央部分の撓み補強を行い釘は使わずビス止めとして貰って下さい。
 コメンテーター 
堀内 啓介 無垢材の使用は乾燥、木取り等により変型する可能性が高く、また階段の広幅材の使用は材料、施工に気をつけないと、きしみ音がでるようです。

中川解説委員の解説を参考にして下さい。
 事務局から 
  ー
相談者お礼状 
 相談者お礼状
 その後  
目次に戻る

バナースペース

一般社団法人 建築よろず相談支援機構

〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107