相談概要 | [ 氏名 ] T.T [ 住所 ] 東京都府中市 [ 職業 ] 公務員 [ 年齢 ] 47 [ 男性 ] on [ 構造 ] − [ 設計者はどなたに依頼しますか? ] - [ 何階建て ] 2 [ 様態 ] − [ 施工業者はどちらに依頼しますか? ] − |
相談内容 | [ 家づくりの相談内容 ] 当てはまるジャンルがよく分からないのですが、住宅の売り地のことで御相談いたします。 現在、不動産屋に売り地(古家つき)を勧められています。場所は府中市多磨町。多磨霊園と野川公園、武蔵野公園に囲まれた環境は良いところですが、将来的には武蔵野公園の予定地で、計画自体は昭和32年に事業決定しています。東京都の公園管理事務所に聞くと、もともと家は建たないのだが、過去に色々トラブルがあり現実には家は建つということですが、所轄の府中市建築課建築指導係に聞けということでした。 そこで、市役所に聞きましたところ、当該地は都の管轄だから東京都都市計画局公園緑地課に聞け、そこで建てても良いという証明が出ればそれを添付して建築確認を出してもらうことになる、ということでした。そこで、都の公園緑地課に聞きましたところ、当課では予定の地番が公園予定地に含まれることを確認するだけで証明書類は発行しない、基本的に都市計画法第54条のような建物は建つのではないかとは思うが、すべては市の方の所管である。また公園自体の造成計画については都の建設局の所管である、という回答でした。 つまり、市も都も自分の所管ではないというばかりで、実態ははっきりせず、しかも都市計画法では第55条に許可をしないこともあり得る旨の規定があります。現実に古家が建っており、もし当該物件を購入したとすると(不動産屋は早く契約をしようと焦っている)、古家を取り壊し、建築業者を選定して、建築確認を出すまではどうしても2〜3月はかかるのですが、その時点でないと建つか建たないかわからない、瑕疵担保といっても売り主は善意の第三者になるかもしれず、そうなると契約破棄もできないし、結果的に私の方は買っても買損になると思うのですがいかがなものでしょうか。お尋ねします。 なお、武蔵野公園の予定地は、都の不動産屋の説明では、都の中で唯一事業決定したものの、20年以上たなざらしで、今の都の財政事情を考えると、事実上後数十年は公園にならないのではないか、ということで、予定地内に新築住宅も存在してはいます。他方予定地内は五月雨式に都の買収用地があるのもまた事実です。何卒考え方の基本なりとも御教示くださいますよう、お願いいたします。 |
yorozuの感想 | ー |
アドバイザー | |
田所 雄太郎 | 田所と申します。はじめまして。 ご相談の内容は私どもの経験でも良くあることです。 いわゆる役所のタライ廻しというものですね。管轄もあるので多少はし方がないことです。 私達が進めるやり方としては議事録を取ります。場合によっては打ち合わせ相手のサインをもらいます。 名前と日付を記入するだけでも大分慎重になります。 勿論、いいかげんなことは言わなくなります。 そして次々にまわり相手に相談していくのです。 市ではこう言っていた。都ではこうなのかということが相手にもよくわかります。 ばあいによっては相手同士を電話で話しさせます。 積極的にこうしたらどうなるという言い方で攻めていきます。 でもここまでやるのは技術的な裏付け、経験などがないと困難かもしれません。 本来、土地の売買に絡む重要な要因と思われますので宅建業者が重要説明事項として提出義務があるものではないでしょうか? 素人の方が調べられる範囲ではないような気がします。 慎重に対処してください。 むしろ自分で調べることによって結論をだすより、専門家に任せたほうがよいでしょう。 勿論設計事務所でも調査してくれると思います。 |
今井 優子 | 東京は担当地区ではないのですが以前、かの地で仕事をしていた関係で、意見させてもらいたいと思います。 相談の内容に対して、対処方法としては田所さんの解説で確かに間違いないと思います。 私自身、同じようなめには何度も遭いましたし、田所さんの言うような方法で、いわゆる“超法規的措置”なるものを勝ち取った(?)こともあります。 しかし、それは一個人の住宅で行うものでしょうか? 公共の利益、社会福祉に貢献するものならば、その価値もあると思いますが、一個人の所有物である住宅において、そこまでやるべきかは疑問です。 相談の多磨霊園、野川公園、武蔵野公園に囲まれた土地は、確かにすばらしい環境のところです。 東京都内、23区に隣接する場所としては今や貴重とも言えるでしょう。 だからこそ、公園計画があるわけです。 事業決定以来20年にわたり棚ざらしになっているのは、バブル期の地価の上昇と、このように無理やり新築してしまう人(業者)が 後を絶たないからではないでしょうか。 確か、東京都には八王子、多摩丘陵から都心方向へ5本のグリーンベルトを繋げるという上位計画があったと思います。 武蔵野公園がその中に入っているかは定かでは在りませんが、位置的には非常に重要かつ貴重な、まとまった緑であることに間違いないと思います。 公共の福祉の為に、時には個人の権利を放棄するというのも国民の義務ではないかと思います。 また、建築士が施主の利益を守るために在るとすれば、この土地に家を建てることは、長い目で見たときに、決して施主の利益になるとは思えません。 事業決定している以上いずれ実施されるでしょうし、そのときは移転せざるをえないでしょう。(それが5年後か30年後かは解りませんが・・・) しかも、この相談の不動産屋は、いかにも誠意のない不動産屋に思えますが…。 以上のことから、私はこの土地の購入は勧めたくないと思います。 |
津村 泰夫 | 大阪の津村です。補償業務の立場からひとこと 事業決定が確かでしたら、土地売買は制限されているのではないでしょうか。 もしその土地を買われたとしても、建築的な制限は府中市建築課建築 指導係に回答の責任があります。 おそらく容易に解体可能な建築物であれば建築許可は出ると考えます。 (木造もしくは鉄骨造3階建て程度まで) なお、将来、用地買収行為がなされた際、もしくは収用手続きに至った場合、土地価格は正味の土地価格で補償されますし、建物についても補償されるのが通例です。 取引価格にもよりますが、近傍類似の取引より幾分値引いたのであれば損はしないと考えます。 |
コメンテーター | |
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事務局から | |
荻原 幸雄 | バブルの後遺症とでもいう事態ですね。 事業計画しても棚上げになっています。結局、今のところ都としても思案中でしょうか? 事業計画を撤回する可能性も有りますし、実行されるかもしれない。その判断は都でも揺らいでいるとは思います。一つの賭けかもしれませんね。 本来は不動屋さんが重要事項で将来の移転の可能性などは調べて明確に謳うべきことだと思います。 ただ、何年か住み慣れた場所を計画が実行されれば立ち退かなくてはなりません。 その場合は自己責任の判断で覚悟しておく必要があると思います。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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