本文へスキップ

一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0401 天井の亀裂

 相談概要 [ 氏名 ]  O.Y
[ 相談内容 ]  賃貸マンション・アパートの瑕疵
[ 住所 ]  愛知県名古屋市
[ 職業 ]  主婦
[ 年齢 ]  30
[ 女性 ]  on
[ 構造 ]  鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)
[ 築何年ですか? ]  築 2年以内
[ 何階建て ]  14
[ 様態 ]  賃貸マンション
[ 施工者 ]  大手建設会社
 相談内容 [ 現象 ]
去年の4月にこの新築マンションに入りました。マンションが完成したのは、おととしの12月頃だと思います。14階建てのマンションの7階の角部屋にすんでおりますが、天井に全長3メートルの亀裂があり(斜めに入っている)、白色のクロスの為亀裂が入っているのが透けて見えます。2ヶ月前に発見した時よりも亀裂の横幅が大きくなったようです。

[ 業者の見解 ]
業者に来てもらった所、構造上は問題ないと思いますが、クロスから亀裂が透けて見えるので、クロスをはがして、V字カット?して、もう一度クロスを張り替えます。(全工程4〜5日かかる)との事。

[ 相談内容 ]
補修工事をしてもらって、クロスを新しく張るのはいいけれど、本当に地震が来たりしても大丈夫なのか?と思うと不安です。補修工事は根本まで修理できないのだから、又亀裂が発生する事もあり得ると業者の人は言っていたが,毎回毎回亀裂が発生する度に補修工事をするという事で、その度に4〜5日かかって工事をし、拘束されるという迷惑料はなんらかの形で業者に払ってもらえるのか?(請求してもいいのか?)を教えていただきたいと思います。
 yorozuの感想 電話で相談窓口を探しましたが,建築の相談窓口がみつからず、「建築よろず相談」のHPを見て、助かったぁ〜と思いました。これからも続けて下さいネ
アドバイザー 
山口 雅克 山口と申します。

公団の賃貸建物ですね。
民間の公団資金かな?公団の単独事業かな?
公団の窓口に相談するのがベストではないでしょうか。

18年前までは住宅公団の建物を設計監理したことがありますが、今の公団のシステムがわかりませんので・・・・。
どなたか、公団の建物に詳しい方、お願いします。

天井は
コンクリートに直クロス貼り?天井下地組の上ボードにクロス貼りでしょうか?それにより、原因の推察が変わります。
久保田 英之 よろず解説委員の久保田です。

相談内容から、クロスをコンクリートに直貼りしたと推測してお答えます。
クラックは2ヶ月前に発見したとありますが、上階の方には何か聞かれましたか?
気づいた現象があれば、原因も突きとめやすいかと思います。

また、相談者の言われる迷惑料の件ですが、少し考えにくい面があります。
なぜなら、原因が解らないままでの請求になるからです。
例えば、構造的欠陥からおきた現象なのか、鉄筋コンクリート造における経年変化等を含めた特有の現象なのかによってとるべき道が違ってきます。

前者ならば、当然施工業者が負担すべき問題ですし、後者なら内容にもよりますが相談者にも支払いの義務があるからです。
しかし、相談内容を見る限り不安な要素がありそうです。
発見してまだ2ヶ月、溝幅もおきくなっていると思うならば、今すぐ補修せずしばらく状況を記録した方がいいと思います。
その結果によって、補修の方法を考えてはどうでしょう。
記録の方法は、写真や溝の長さ・幅などスケッチを定期的に残しておいて下さい。
その結果次第で、施工業者と話し会って下さいね。
 関口 啓介 関口と申します。

今回の亀裂が、何を原因として発生し拡大しているのかわかりません。
久保田解説委員の言う通り、しばらく様子を見てはどうでしょうか。

愛知県、岐阜県の骨材となる、川砂利等は、アルカリ骨材反応を起こしやすいと聞きます。
名古屋都市高速の柱脚部の鉄板巻、及び塗装直しは、地震対策と共に、アルカリ骨材反応による亀裂対策と聞いております。事実、鉄板及び塗装で覆われた柱脚部には、アルカリ骨材反応による、亀裂が発生しているようです。

生活を直接脅かし、毎日不快な思いと付き合わなければならない心情は、お察ししがたいものがありますが、臭いものに蓋をするような応急処置ではなく、建物全体のためにも、アットランダムに天井クロス、壁仕上等をはがして検査する必要があるかもしれません。それで問題がなければ、安心ですから。
できれば個人だけで対処するのでなく、管理組合(あるかわかりません)若しくは自治会などで話し合い、相手方に原因究明と対策を検討頂いた方が良いと思われます。

個人の補償云々はわかりませんが、Oさんご自身、ご家族、入居者皆さんの生活が、安全に、豊に暮らしていくためには、代えがたい事かもしれません。

今すぐ構造的な危険があるようには思われませんので、
しっかりとした、対策を住民の皆さんと共に進まれる事を願っております。 
 大内 彰 こんにちは。

関口さんの解説と重複しますが、補足いたします。
アルカリ骨材反応の場合多数亀裂が入るのでこの亀裂はそれだけではないように思います。が、やはり関口さんが解説しているように天井を剥して現状を把 握することと原因の確定が重要です。その後に補修や補強の方法を考えるべきでしょう。クラックの原因としてはアルカリ骨材反応、乾燥収縮、応力過剰など及びこれらの複合が考えられます。

原因の特定もせずにVカットのみの補修では不安が残ります。
ましてや本当にクラック幅が増しているのならば危険です。上階の床のたわみ があるかどうかをチェックすることが必要だと思います。 
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 とりあえず様子をみるしかありません。
しかし、これ以上亀裂幅・長さに変化が起こる場合は只の、収縮亀裂とは考えられなくなる可能性がたかくなりますので、今の亀裂の端に紙テープで日付を入れ写真をとっておいてください。
その後亀裂の延びに気づいたら又同じ事をしてください。
原因はいろいろ考えられますが、先ずは、様子を見てその現象を数字化することが大切です。後々これが役に立ちます。

暫く、この方法で様子をみてくださいね。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
 その後  
目次に戻る

バナースペース

一般社団法人 建築よろず相談支援機構

〒181-0001
東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

TEL 0422-24-8768
FAX 0422-40-0107