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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.0400 南の島に別荘を

 相談概要 [ 氏名 ] N.T
[ 住所 ] 神奈川県川崎市
[ 職業 ] 会社役員
[ 年齢 ] 45
[ 男性 ] on
[ 構造 ] わからない
[ 設計者はどなたに依頼しますか? ] 特に決めていない。
[ 様態 ] 注文建築
[ 施工業者はどちらに依頼しますか? ] 特に決めていない。
 相談内容 [ 家づくりの相談内容 ]

沖縄県石垣島に所有する土地に、1−2年の間に個人別荘の建築を考えております。

関東圏に生まれ育った関係から、沖縄地方独特の潮風、台風、気温、湿度等に適した構造の建物がどういったものであるのかがまったく分かりません。予算上の都合もあり出来れば安価にと願っておりますが、個人的趣味で外観はスペイン風の建物をと考えております。素人考えで外壁をブロックで組み上げ、しっくいを塗ることで防水出来るのではと考えております。また、内壁も同様にしっくいを塗ることを考え、屋根、梁等は木材にて考え、スペイン風瓦を拭きたく思っておるのですが...。

個人的別荘(建坪30坪程度)を建築後には海好きな仲間を募り2−3棟の別荘を同敷地内に建築を予定しております。
現在借家に住んでおり、過去に家を立てた経験もありませんので、家の施工に関してはまったく無知な者ですので、専門用語も分からず、直接沖縄の建設業者に依頼する以前に少しでも知識をと思い、お願いする次第です。
何卒よろしくお願い申し上げます。
 yorozuの感想
アドバイザー 
山口 雅克 相談員の山口です。

>沖縄地方独特の潮風、台風、気温、湿度等に適した構造の建物がどういったものであるのかがまったく分かりません。

お気持ちよく分かります。石垣島のホテルの基本計画を作成したことがありますので少しアドバイスいたします。
本土とかなり気候条件やコスト条件が違いますので、沖縄の建築家に相談をされるのが最善の策だと思います。
スペイン風とのことですが、そこの当たりも本当にそれで良いのかを含めて相談されたらいかがでしょうか。
久保田 英之 Mさん、よろず解説委員の久保田です。

私の知り合いの工務店(愛知県)が、沖縄県の西表島だったと思うのですが、リゾート開発をしていての話です。
社長もその地を気に入り永住してしまい、現在名古屋と沖縄を行き来していますが、結構、問題になるのが”シロアリ”のようです。
こちらでは考えられないような多さで、木材を使うときはかなり気を使っています。

それと、職人の時間の感覚がのんびりしています。
こちらでは、午前8時には現場に行かないと、と思いますが、以外と現地では、9時半、10時となるようで慣れるまではヤキモキしたと聞きます。
住んだことがないので、これ以上の事は解りませんが、まさしく海がきれいでリゾートには最適ですね。
小松原 敬  沖縄の建築について知っている限りのことを書きます。

まず、台風銀座である場所なので昔からコンクリート住宅がほとんどだったそうです。
そうした所から、沖縄の型枠大工(コンクリートの型枠を作る人)は、腕の良い職人が多いと聞いた事があります。
(最近は、ハウスメーカー製の住宅も増えてはいるそうですが・・)

昔の家は(コンクリートではない家)、風で屋根がとばされないように軒を低〜くして(人の背丈くらい)、その軒くらいの高さの石垣を庭に造っています。(防風用の石垣や木)

当然、暑い場所なので、窓は小さく風通しがよい造りが基本のようです。 
 木津田 秀雄 木津田です。

 沖縄本島ですが3年ほど仕事で住んでいましたので・・・

 まず構造は木造で無理ではありませんが、99%がコンクリート製です。まず台風の規模が違います。バルコニーに置いてある洗濯機がぶっ倒れるくらいの迫力があります。しかし昔の家のように低く周りに石積みや植栽をして風をよける計画にすれば、木造も可能かと思います。

 それから石垣でも断水が多かったと思います。(本島でも多い、宮古は地下ダムがあるので断水しない)生活防衛のために住宅にはかならず1t程度の高架水槽がついています。この荷重を木造では耐えきれないのが問題です。なので本土のハウスメーカーは進出していません。沖縄のハウスメーカーはデイゴ住宅というのがありますが、ぱっとしません。

 せっかく沖縄に別荘を建てるのなら、スペイン風にするより、沖縄風にされることをお勧めします。はっきり言って大阪の方が夏は暑い苦しいです。風が通る日影の多い家をつくれば、太陽高度は高いので、快適に過ごせます。あと通常不在であるデメリットが問題ですが、不在時にでも通風が確保できるとか、いろいろと工夫が必要になると思います。

 ブロック製はOKでしょう。それから防水は、屋根勾配がそれなりにあれば、考えようによっては不要です。というか昔のコンクリート製の家は防水していないということです。すぐに乾くので、いらないとの話。


 ポイントは影をつくり、通風を考慮し、不在時の室内環境の維持を(程度も含めて)検討するというところでしょうか。 
 コメンテーター 
 事務局から 
  荻原 幸雄 沖縄の石垣島はさぞかし海がきれいでしょうね。その環境や自然を感じての別荘づくりかと思います。
家はどうでしょうか?その風土になじむ家というものがあります。
自然や環境を気に入っての動機ならば家も回りの環境の一部と化します。「スペイン風」の瓦が石垣島の景観にあうのかどうか?も踏まえ、その瓦の特性を十分に理解して(台風で容易に飛ばないか等)、また、景観に配慮して家づくりお考えください。

なるべく現地で調達できる材料をご利用することをお勧めいたします。(費用、時間、職人の技術)等総合的に考え現地にあった家としてくだされば幸いです。家が朽ちて尚、その自然に帰れる材料を使う事により、自然を愛する男にふさわしいと思います。

わたし、石垣島でシーカヤックするのが夢です。(余談でしたね。)
相談者お礼状 
 相談者お礼状 Mと申します。
沖縄の石垣島へ別荘を建てたいとので、相談をさせて頂きました。

いろいろな方々よりご指導を頂けました。大変有り難くまた、貴重なご意見を多数お寄せ頂きましたことに対しお礼申し上げます。

追加解説でいただきました、木津田様のご意見の中に、ブロックでも可(外壁)となっておりましたが、コスト面で考えた場合にプロックは素人考えで安くできるのでは?と思っておりますが、いかがなものでしょうか?

沖縄で3年間過ごされた経験もおありと書かれておりましたので、出来ればもう少し詳しい情報を頂くことが可能であればと思っております。

ご面倒をおかけ致しますが、何卒よろしくお願い致します。
 その後  
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